宮城県の北東部に位置する牡鹿半島の沖合いに浮かぶ島・金華山。今からおよそ1260年前に、陸奥の国守が朝廷に黄金を献上したことがきっかけで「黄金山神社」が創建されました。
寺院と神社の区別は必ずしも明確ではなかった明治維新以前(神仏習合時代)は、辯財天を守護神とした「金華山大金寺」と称し、東奥三大霊場(他2つは出羽三山と恐山)として多くの信仰を集めました。明治2年に黄金山神社に復古し、現在に至ります。
東日本大震災で石の鳥居が倒壊しましたが、平成26年に写真のように再建されました。
黄金山神社の至る所で、お寺の名残を目にすることができます。
本殿に続くこちらの石段は全部で108段。「108」という数字で皆さんは何を思い浮かべますか?そう、仏教で人間は108の煩悩を持つと言われますね。
石段の近くにある鐘楼からもお寺の雰囲気が漂います。昭和の初期までは対岸との合図に鐘の音が使われており、現在でも大晦日に除夜の鐘がつかれます。神社で除夜の鐘とは何とも珍しいですね。
108段の石段を登ると目の前に拝殿、その奥に本殿があります。本殿には金山毘古神 (かなやまひこのかみ)と金山毘賣神(かなやまひめのかみ)が祀られており、金運・開運・商売繁盛のご利益があると言われています。
ここで要注目なのが、お参りをする前に鳴らす鈴の緒の「ふさ」。5円玉や50円玉が結び付けられているのがご覧いただけるでしょうか。参拝者の「ご縁がありますように」という願いがこめられている、お金の神社ならではの珍しい風習です。
拝殿の前には一対の常夜燈が建っています。香川県金刀比羅宮(こんぴらさん)と山形県山寺立石寺と共に日本三大常夜燈の1つであり、一対あるのはここ黄金山神社だけなのです。
常夜燈も震災で倒壊しましたが、平成24年に元の姿に戻りました。春には桜とのコラボが美しいことで知られます。
黄金山神社は日本五大辯財天の1つでもあり(他に江ノ島、厳島、竹生島、天河)、金華山頂上には辨財天が祀られています。こちらの銭洗い場にある、龍の口から流れ出る水で洗ったお金は「世の中の不浄を落とす」と言われています。
最近は硬貨だけでなく、紙幣や宝くじ、財布やネックレスまで洗う人も見られるように。不浄を落とした物を身につけることで、金運パワーがさらにアップしそうですね。
金華山は豊かな自然にあふれ、島全体がマイナスイオンで満ちています。こちらは御神木のけやきの木で樹齢800年。古来より修験者や参拝客を見守ってきました。
鐘楼のすぐ横にあるタブノキは樹齢500年。幹にある突き出た「こぶ」に体の痛い所を当てると治るという言い伝えがあります。
島には鹿や猿が生息し、特に港から神社へ向かう途中で多くの鹿に出会えます。野生の鹿は警戒心が強いですが、境内付近にいる鹿は人に慣れておりエサをあげることができます。毎年10月には鹿の角切り行事が行われ、多くの参拝者でにぎわいます。
東日本大震災の震源に最も近い金華山は甚大な被害を受けました。上画像は表参道の様子で、6年以上経過しても石畳が壊れたまま。裏参道は最近ようやくアスファルトで整備され、車が通行できるようになりました。
島という土地柄のため人手や重機が不足する一方で、現在も東京から定期的にボランティアグループが泊まりがけで訪れています。
黄金山神社へのアクセスは船のみで、定期便があるのは女川港(女川町)と鮎川港(石巻市)の2か所です。上画像はJR女川駅近くにある女川港の乗り場案内。津波の被害が大きかった女川町も復興途中で、あちらこちらで工事が行われています。
船の時刻は時期によって異なり、祭典の行事前後は満席になることも。事前の問い合わせや予約がおすすめです。詳しくは関連MEMOをご覧ください。
船の本数が少なく台風などの荒天時には欠航もあり、決して行きやすい場所ではありません。しかし、神が住む島として知られ島全体がパワースポットである黄金山神社は行く価値は十分。訪れることで復興支援にもつながるのではないでしょうか。
日本で唯一の「3年続けてお参りすれば一生お金に困らない」という言い伝えを、ぜひご自身で実感してみて下さい!
<黄金山神社の基本情報>
住所:宮城県石巻市鮎川浜金華山5番地
電話番号:0225-45-2301(代表)、0225-45-2264(予約専用)
アクセス:女川港より35分、鮎川港より20分(いずれも船)
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(2024/12/5更新)
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