写真:木村 優光
地図を見る「興臨院」は大徳寺の境内の中でもちょうど真ん中に位置する塔頭で、メイン参道沿いに山門が面しています。山門の手前からでも前庭に植えられた真っ赤な紅葉が見えるため、誘われるように入山してみよう!
そんな「興臨院」ですが、遡ること大永年間、能登の戦国武将「畠山義総」が建立し、その後も同じ能登の戦国武将「前田利家」によって改修されました。それ以降は前田系の菩提寺となりました。宗派は臨済宗大徳寺派。
写真の山門は大徳寺の中でも一番古い門で、「興臨院の古門」と称される室町時代の建造物!そのため、重要文化財に指定されています。紅葉の季節以外に大徳寺を訪問した場合でも、「興臨院」の山門だけは必見ですよ!
写真:木村 優光
地図を見る山門の先は外からも見えていた前庭になります。前庭には真っ赤な紅葉が植えられているため、山門を潜ると目が覚めるような色彩空間に!出だしからこのような素晴らしい光景を見せられたら、境内庭園への期待も高まりますよね。緑色の苔を埋め尽くす敷き紅葉もお見事!なお、写真の右奥に見える門は唐門と呼ばれ、室町時代の建築物の特徴でもある唐破風型の屋根で、山門と同様に重要文化財に指定されています。
写真:木村 優光
地図を見る拝観受付にて拝観料を払った後は方丈の間へ。方丈の間も含まれる本堂は低い屋根が特徴的で、安土桃山時代以降の建造物によく見られました。響き天井となっている方丈の間で手をたたくと、音が綺麗に響くため、ぜひとも試してみよう!
なお、「興臨院」は能登の戦国武将「畠山義総」が建立しましたが、のちに畠山氏が戦国の戦によって敗北すると、「興臨院」も非常に荒れ果てました。そこで立ち上がったのが同じ国出身の「前田利家」!彼によって方丈の間は改修され、現在に至ります。そんな方丈の間ですが、重要文化財に指定されています。
写真:木村 優光
地図を見る方丈の間からは様々な方向に素晴らしい庭園を見ることができますが、まずは南側。こちらは枯山水をメインとした庭園ですが、昭和の作庭師でもある中根金作によって、中国の天台山国清寺の石橋を基に作庭されました。紅葉こそ多くありませんが、白砂の中に絶妙に配置された岩、そして木々は誰もが見とれてしまう光景!
写真:木村 優光
地図を見るお次は北側の庭園です。こちらは真っ赤な紅葉の木が多く、目が覚めるような光景に開いた口が塞がらないでしょう。言葉で表現しても素晴らししか思い浮かびません。北側ですので陽の光は少なくとも、真っ赤な紅葉で目の前が眩しいくらい!
そして紅葉の木の根本には白砂が敷かれているのですが、はらりと舞い落ちた紅葉が敷き詰められていて、敷き紅葉の素晴らしさを見ることができます。こちらも絶妙な位置に岩が置かれていて、和庭園の奥の深さを実感できますよ。
写真:木村 優光
地図を見る方丈の東隣りには、庭園を挟んで「涵虚亭(かんきょてい)」という茶席があります。名前の由来は、中国の政治家でなおかつ詩人でもある蘇東坡の詩から名付けられました。隣り合うように真っ赤な紅葉が植えられているため、「涵虚亭」とのコラボレーションは、是非ともカメラに収めておきたいところ!
紅葉の左手には「貝多羅樹(ばいたらじゅ)」という木が植えられているのですが、紙がまだない時代は、この「貝多羅樹」の葉を利用して手紙を書きました。したがって、現代の「葉書」の由来はここから来ているのです!
ちなみに、「涵虚亭」には入口が2つあり、ひとつは「興臨院」に馴染み深い利休が好んだ躙口(にじりぐち)と、古田織部が考えた貴人口(きにんぐち)というもの。前者は腰を下ろして入室するくらい小さな戸口で、後者はごく一般的な戸口を指します。なお、古田織部は一般的には茶人として知られていますが、もう一つの顔として戦国武将でもありました。
写真:木村 優光
地図を見る紅葉ばかりに目を取られてしまう「興臨院」の境内ですが、目線を下に移すと回廊には様々なオブジェが飾られています。写真は手水鉢に生けられた生け花。紅葉が真っ赤に染まる季節と同時期に咲く花が生けられていて、目休め的存在。生け方も芸術的で、まるで和風の美術館に入館したかのよう!紅葉だけでなく、このようなオブジェもカメラに収めておきたいですね。
写真:木村 優光
地図を見る拝観受付後の回廊には、本物のひょうたんの置物もあります。こちらも紅葉の季節における境内拝観の目休め的なもですが、さりげなく置かれているところもセンスの良さが感じられます。なお、境内における写真撮影に関して、建物の内部は禁止されています。また一脚や三脚を用いての撮影も禁止されていますので、十分に注意しましょう。
住所:京都府京都市北区紫野大徳寺町80
電話番号:075-231-7015(京都春秋)
アクセス:京都バス大徳寺前バス停下車徒歩約4分
2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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