白砂壇と紅葉のコラボは晩秋の芸術作品!京都「法然院」

白砂壇と紅葉のコラボは晩秋の芸術作品!京都「法然院」

更新日:2017/11/01 15:47

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
京都市左京区鹿ケ谷周辺には隠れた寺院がたくさんありますが、「法然院」もその中でも穴場的な寺院です。正式名称を「善気山萬無教寺」と呼ぶ浄土宗系の寺院で、境内はそれほど広いわけではありませんが、要所に見ごたえがある隠れた名所!晩秋の季節になると、山門周辺の色彩豊かな紅葉がとても綺麗で、白砂で絵を書いた白砂壇とのコラボレーションは素晴らしいの一言!静かな「法然院」で紅葉観賞を楽しもう!

鹿ヶ谷の山間にひっそりと佇む「法然院」の山門

鹿ヶ谷の山間にひっそりと佇む「法然院」の山門

写真:木村 優光

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「法然院」は左京区鹿ヶ谷の山間エリアに位置する寺院で、その立地から昼間の境内でも薄暗い場所が多く、ちょっとした隠れ家感を味わうことができます。特に、山門周辺は境内よりも木々に覆われているため、ちょっとした古道からたどり着いた寺院のよう!

この山門ですが、茅葺屋根が非常に特徴的で、山門から眺める境内の紅葉は非常に色鮮やか!ついつい山門で立ち止まって、境内の色鮮やかな紅葉を目に焼き付けたくなりますよね。しかし、まずはその前に、特徴的な山門越しに少し遠目から境内を見ると、本当に隠れ家のように見え、境内の期待度も膨らみます。

写真のような構図は非常に絵になりますが、なんせ山門と境内の明暗差が辛いところ!写真を撮る場合は絞りや露出を上手いこと利用して、両方を引き立たせるように撮ると、素敵な1枚になりますよ!是非ともチャレンジしてみましょう。

鹿ヶ谷の山間にひっそりと佇む「法然院」の山門

写真:木村 優光

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山門をくぐって階段を降りたあとに、脇へ寄って山門を見上げてみると、山門に覆いかぶさるかのような紅葉が実に美しく、茅葺屋根との相性もバッチリ!この構図で見ると、山門が山間部にあるかのように見え、ますます隠れ家っぽく見えませんか?

水の流れを砂で表現した白砂壇

水の流れを砂で表現した白砂壇

写真:木村 優光

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山門をくぐって境内へ入ると、左右に白い盛り砂があります。これは白砂壇(びゃくさだん)と言い、水の流れを表わす砂壇で、この間を通ることによって心身を清めて浄域に入ることを意味しています。他の寺院によくある手水鉢のような役割といえばわかりやすいでしょうか。

この白砂壇には、その季節に咲く花などが描かれるわけですが、紅葉の季節ですと、椛や銀杏の葉っぱが白砂壇に描かれます。まさに自然と芸術との融合美とはこの事!手前の白砂壇には、大きな椛の葉っぱが描かれているのがお分かりでしょうか?

水の流れを砂で表現した白砂壇

写真:木村 優光

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白砂壇の真上に覆いかぶさる紅葉と、白砂壇に書かれた椛の葉がものの見事にマッチし、訪問する人全てに感動を与えてくれます。まるで真上の木に生えていた葉が流れる水の上に落ちたかのような表現方法は、「法然院」だからこそ味わうことができます。このように、自然と芸術の美が融合された素晴らしい白砂壇は必見です。

白砂壇と茅葺の山門とのコラボは「法然院」を代表する構図!

白砂壇と茅葺の山門とのコラボは「法然院」を代表する構図!

写真:木村 優光

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これぞ「法然院」と言わんばかりの構図が、山門を背景にして手前に白砂壇を入れる構図です。これらのコラボレーションは実に絶妙的で、白砂壇に覆いかぶさる橙色の紅葉が、「法然院」にも晩秋の訪れを告げているかのよう!前でも説明したように、白砂壇には紅葉の葉っぱが描かれているため、上下で秋を感じることができます。

白砂壇と茅葺の山門とのコラボは「法然院」を代表する構図!

写真:木村 優光

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白砂壇に紅葉が落ちる様子がまた絶妙で、白砂壇に描かれた水の流れの上にはらりと舞い落ちたら、砂の中の絵へ入り込んでしまうのでは?と妄想してしまうのも「法然院」で味わうことができる楽しみ!それだけ、実在する紅葉と白砂壇に書かれた椛の葉っぱや水の流れとの結びつきが非常にリアルということでしょうね。

晩秋の和庭園というと、ほとんどの方は池があってその周りに紅葉の木が植えられているシーンを連想しますが、「法然院」には水の代わりに白砂壇を用いて和庭園を造り上げています。このようなシチュエーションを体験できるのも、京都では「法然院」だけではないでしょうか。貴方の目にはこの和庭園はどのように映りましたか?

境内の様々な場所に植えられている紅葉も見ごたえあり!

境内の様々な場所に植えられている紅葉も見ごたえあり!

写真:木村 優光

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「法然院」の境内は、山門をくぐり、白砂壇の間を通り抜けると、境内唯一の水場である池があります。こちらの源水は有名な名水でもある「善気水」が湧き出たものが流れ込んでいます。周囲を鬱蒼と覆い茂った木々に囲まれているせいか、昼間でも薄くらい水場は神秘的な雰囲気があり、つい立ち止まって見入ってしまうでしょう。

池の先をさらに進むと、写真のような本堂や方丈への参道が続いています。参道を挟んで本堂の目の前には地蔵尊がありますが、この周辺にも橙色をメインとした紅葉の木が所々に植えられています。参道越しに見る紅葉も趣があって、カメラを向けてみるのも良いでしょう

境内の様々な場所に植えられている紅葉も見ごたえあり!

写真:木村 優光

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境内の西側には多層石塔があり、この周辺に植えられている紅葉は真っ赤に染まり上がります。「法然院」の境内にある紅葉の木は、紅葉で有名な他の寺院と比較すると圧倒的に少ないですが、橙色や黄色、紅色と様々な色彩を放つ紅葉が持ち味。それぞれ、あって欲しいところに紅葉の木が植えられていますので、構図をよく考えて写真を撮ると素晴らしい1枚が仕上がりますよ。

哲学の道から逸れた東山の麓に位置する「法然院」

「法然院」から西へ少し歩くと哲学の道が続いており、北へ行けば銀閣寺、南へ行けば南禅寺といったメジャーな観光名所に挟まれた場所に位置します。哲学の道自体は観光で歩く方が多いですが、東山の麓方面へはあまりアクセスしないため、静かな境内がウリの「法然院」。

紅葉の見頃となる晩秋もそれなりに訪問する人は多いですが、他の観光名所に比べると比較的穴場的な「法然院」は落ち着いて紅葉観賞するには最適な寺院!紅葉の季節のみならず、「法然院」は椿の花でも有名なお寺さんですので、他の季節に訪問してみるのも良いですよ。

<基本情報>
住所:京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町30
電話番号:075-771-2420
アクセス:京都市営バス32系統銀閣寺行 南田町バス停より徒歩約5分

2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/23−2015/12/04 訪問

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