黄金色の境内へようこそ!イチョウが美しい東京「鬼子母神堂」

黄金色の境内へようこそ!イチョウが美しい東京「鬼子母神堂」

更新日:2017/10/27 10:03

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
「鬼子母神堂」は東京都豊島区に位置し、安産と子育ての神様を祀ったお堂です。境内はそれほど広いとはいえませんが、晩秋の季節の黄金色に染まったイチョウの木は必見!境内には昔懐かしい駄菓子屋があることで、ドラマや映画の撮影地に使われることも!また、近くを都電荒川線が走る下町カラーが非常に濃い場所です。都電の鬼子母神前電停で下車して、イチョウの木が美しい「鬼子母神堂」を訪れてみましょう。

境内までの参道はレトロな雰囲気満点!

境内までの参道はレトロな雰囲気満点!

写真:木村 優光

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「雑司が谷鬼子母神堂」へは都電鬼子母神前電停か、東京メトロ副都心線雑司が谷駅が最寄りになります。駅を降りればすぐさま「鬼子母神堂」への参道が目の前に現れますので、道なりに進めば境内へとアクセスができます。写真のように参道の入口には、「鬼子母神」と書かれた案内がありますので、迷うことはなし!

奥行きがある参道をよく見ると、頭上には橙色に染まったケヤキがまるで参道のアーケードのように覆いかぶさっています。どことなく昭和の路地の雰囲気を醸し出しているため、懐かしく思う方も多いでしょう。

境内までの参道はレトロな雰囲気満点!

写真:木村 優光

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こちらは、ケヤキ並木の参道のちょうど真ん中辺りで撮られた1枚です。100mと数字で表すと短い参道ですが、遠近法で見ると意外と長く見えてしまうのは、ケヤキの木が高いため!というのも、このケヤキ並木は天正年間に雑司ヶ谷に住む、長島内匠が奉納したもので、樹齢400年を超えています。400年前ですと、ちょうど江戸幕府が始まった頃になりますから、すごいの一言!!そのため、このケヤキ並木は東京都の天然記念物に指定されています。

両側に建っているレトロな住宅も様になっています。最も活気があった頃の参道両側には、茗荷屋、蝶屋、武蔵屋などの料理茶屋が並んでいたそうです。そんな様子が「遊歴雑記」に記されていたり、歌川広重の「江戸高名会亭尽」などの浮世絵にもしっかりと描かれていたりいます。

境内までの参道はレトロな雰囲気満点!

写真:木村 優光

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上でも紹介した、ケヤキ並木のちょうど中間付近には、「雑司が谷案内処」があります。こちらでは、雑司が谷周辺の観光スポットの案内をはじめとして、さまざまなイベント情報も公開しています。また2階にはギャラリーコーナーがあり、雑司が谷周辺で撮影した写真コンテストも開かれているので、立ち寄ってみると良いでしょう。もちろん自分で撮った写真をコンテストへ応募しても良し!

いよいよ本殿とのご対面!

いよいよ本殿とのご対面!

写真:木村 優光

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「鬼子母神堂」の本殿は、上で紹介したケヤキ並木の参道を突き当たりまでアクセスし、左に曲がると境内入口にアクセスすることができます。真正面には立派な本殿、そしてそれらを取り囲むかのような黄金色のイチョウ並木がたくさん植えられています。

いよいよ本殿とのご対面!

写真:木村 優光

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まずは境内入口で一礼し、境内の参道をゆっくり歩いてみましょう。本殿に覆いかぶさるようなイチョウはまるで黄金色の雲状態!素晴らしい光景に思わず立ち止まってしまいます。

この「鬼子母神堂」ですが、1578年に清土(現在の文京区目白台付近)から掘り出された鬼子母神像を祀るため、周辺の里人たちが雑木林を切り開いて、お堂を建てたのが始まりと言われています。現在の本殿は、1664年に自昌院殿の寄進により建立されたもので、豊島区では最古の建造物です。

境内にある昔懐かしい駄菓子屋「上川口屋」は創業1781年!!

境内にある昔懐かしい駄菓子屋「上川口屋」は創業1781年!!

写真:木村 優光

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「鬼子母神堂」の境内の超ど真ん中には、「上川口屋」という駄菓子屋さんがあります。このご時世、駄菓子を拝見するだけでも珍しいのに、お堂の境内に駄菓子屋さんがあるのなんて下町らしくありませんか?

そして、この「上川口屋」の名物といえば看板猫!「鬼子母神堂」の境内には沢山の猫が集まってきて、この「上川口屋」の周りでじゃれていることもあります。人懐っこい猫が多く、近寄ると触らせてくれる猫がほとんどですので、猫好きにはたまらないスポットです。

境内にある昔懐かしい駄菓子屋「上川口屋」は創業1781年!!

写真:木村 優光

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なお、この「上川口屋」は、1781年にさらし飴屋として創業した日本最古の駄菓子屋。つまり江戸時代の創業です。歴史の年表をたどっていくと、創業の1年後に天明の大飢饉が始まっていますので、それを乗り越えた駄菓子屋ということになりますね。徳川の家臣もきっとこの光景を見ていたのかもしれません。

真っ赤な鳥居が建つ参道の先には「武芳稲荷」と樹齢約600年の大イチョウが!!

真っ赤な鳥居が建つ参道の先には「武芳稲荷」と樹齢約600年の大イチョウが!!

写真:木村 優光

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上で紹介した「上川口屋」を横目に見ると、真っ赤な鳥居がいくつも連なった小路が存在します。こちらは「武芳稲荷」への参道で、写真の構図だけを見ると、どこか遠い過去へタイムスリップするのでは?と思ってしまうでしょう。

その先にある「武芳稲荷」は倉稲魂命(うけみたまのみこと)を祀っていて、出世祈願が良いとされたお稲荷様です。鬼子母神の境内にあるかのように見えますが、実はこちらの「武芳稲荷」のほうが先にこの地に存在したわけです。なぜならば、1578年の初代お堂建立時には、すでに「稲荷の森」と呼ばれていたため、「武芳稲荷」の境内に「鬼子母神堂」が存在すると言ったほうが正解なのです。

真っ赤な鳥居が建つ参道の先には「武芳稲荷」と樹齢約600年の大イチョウが!!

写真:木村 優光

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「武芳稲荷」へとアクセスする真っ赤な鳥居沿いの参道には、晩秋の季節になると、黄金色のイチョウの葉がたくさん散り、まさに黄金色の絨毯!参道の飛び石がどこにあるか、ぱっと見ではわからないくらい黄金色になっています。また、鳥居の朱色が黄金色に対してとても素晴らしいカラーコントラストとなって、誰もが写真を撮りたくなります。

真っ赤な鳥居が建つ参道の先には「武芳稲荷」と樹齢約600年の大イチョウが!!

写真:木村 優光

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「武芳稲荷」の前にはかなり大きいイチョウの木がありますが、この大木はなんと樹齢約600年!!つまり、応永年間に植えられたもので、子授けイチョウ、子育てイチョウとして長い年月を経て親しまれてきました。現在でも子宝祈願をする方が訪問し、手を合わせている姿を見ることができます。参道のケヤキと同様に、こちらも東京都の天然記念物に指定されています。

池袋駅からも徒歩でアクセスが可能な「鬼子母神堂」

「鬼子母神堂」は大都会の中心駅でもある、池袋駅からでも徒歩約15分でアクセスも可能です。池袋駅前の雑踏のイメージを強く持たれている方が「鬼子母神堂」へ訪問したら、カルチャーショックを受けるほど、下町色が濃い境内です。池袋駅前とは比べ物にならないくらいの静かな空間は、違う世界に来たかのよう!

そして、「鬼子母神堂」周辺にはお寺さんが非常に多いです。これも下町色を刻している要因かもしれませんね。毎年10月になると、周辺一帯は「御会式」といった祭事が行われ、「鬼子母神堂」周辺は大変な賑わいになります。イチョウの季節でなくとも見どころは満載!

<基本情報>
住所:東京都豊島区雑司ヶ谷3-15-20
電話番号:03-3982-8347
アクセス:都電荒川線鬼子母神前電停 または 副都心線雑司が谷駅より徒歩約5分

2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2010/10/16−2016/11/26 訪問

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