写真:SHIZUKO
地図を見る表銀座コースは、北アルプスの入門の山として親しまれている燕岳(つばくろだけ)から大天井岳、西岳を経て、東鎌尾根から槍ヶ岳にアタックします。
燕岳の登山口となるのが、中房温泉。JR穂高駅からバスに乗って1時間弱。最終バスで到着しても16時前。夕飯までの時間、中房温泉を存分に楽しむことが出来ます。
写真:SHIZUKO
地図を見る広大な敷地の中房温泉には14のお風呂があり、全部巡るには、ここだけを目的に2泊ほど必要でしょう。今回は登山基地としての温泉ですから、ほどほどに。
すべてが源泉かけ流し。高温の温泉を加水なしに樋を通して冷却し、湯船に。湯治宿の面影を残す施設は、どこもフォトジェニック。
写真:SHIZUKO
地図を見る散歩気分で庭にある露天風呂などを楽しんでいると、これは!というものが。中庭に、山の名水で冷やされたおいしそうなもの。水桶に浮かぶのは食べ放題のトマト!
夕食前に食べ過ぎないように、お楽しみください。
<中房温泉基本情報>
住所:長野県安曇野市穂高有明 7226
電話:0263-77-1488 FAX:0263-77-4288
アクセス:JR穂高駅からバス1時間
写真:SHIZUKO
地図を見る翌朝はできるだけ早く出発しましょう。朝食は、お弁当として、前夜に受け取っておきます。
暗いうちに、ヘッドライトをつけてスタート。登山口までいったん緩やかに下ったら、北アルプス三大急登と呼ばれる「合戦尾根」に入ります。合戦尾根に上がるまでの取り付きもかなりの急登。決して急がず、一歩一歩、足の裏を地面に押し付けるようにして登って行きましょう。
合戦小屋まで到達すれば一休み。ご褒美に名物のスイカをぜひ!
スイカに塩をかけていただけば、ビタミン・塩分・水分が一気に補給できます。スイカに癒されたら、ここからが初日の第一関門。もう一頑張り。
写真:SHIZUKO
地図を見るいよいよ合戦尾根の厳しい登り。呼吸は、吸うよりも吐くことに意識を集中して、無駄にハアハアしないように登ります。遥か頭上に見えていた燕山荘(えんざんそう)まで登り切れば、荷物を置いて白く美しい燕岳の山頂へ。
往復1時間ほど。大人気のイルカ岩を越えると、高山植物の女王コマクサの群生地です。
早朝に中房温泉を出発すれば、時計を見てきっと「えっ!」と声が出るはず。普段なら、通勤電車に乗っているまだ8時過ぎ。そう、2日目の目的地はまだまだ先です。遠くには、槍ヶ岳が小さく見えます。あんな遠くまで歩けるのか…と、ちょっと不安になるかもしれません。でも、大丈夫。一歩一歩、歩き続ければ、ビックリする距離を歩くことが出来るのです。
燕岳をあとにして、まずは、稜線の向こうにある大天井岳を目指します。はるか遠くに見えている槍ヶ岳が、歩くたびに、少しずつ近づいてくる感覚が嬉しい稜線歩き。
のんびり気分も、大天井岳の岩場に来ると、気分一新。意外に手ごわい大天井岳の岩場。切り立った崖につけられた登山道を丁寧にトラバース。最後のザレ場を越えれば、眼下に大天井ヒュッテが見えてきます。2日目の宿です。しっかりと水分補給をして、体を休めましょう。
<大天井ヒュッテ基本情報>
住所:大天井岳西方鞍部
電話:090-1401-7884
写真:SHIZUKO
地図を見る3日目は、いよいよ槍ヶ岳に登る日。
早出が基本の登山ですから、日の出前に朝食弁当をひっそりとした食堂でいただき、準備を整え出発。天気が良ければ、凄い星空の中を歩き始められます。太陽の光が届き始めると、お花畑が疲れを癒してくれます。
これぞ縦走の醍醐味と言える稜線歩き。緩やかなアップダウン。心地いい風。見渡す限りの山々。振り向けば自分が歩いてきて道が見え、先には、これから行く道が続いています。ビックリ平に着く頃に、だいぶ近くなった槍ヶ岳の朝焼けが見られるでしょう。ビューポイントです。
赤石岳の山頂には行かず、お花畑の道を進むとヒュッテ西岳に到着。
水分をしっかり補給して、行動食も食べて、この先に備えます。ここから先は、いったんかなり下っていきます。鉄梯子や鎖場も出てきます。丁寧に手足を使って、ゆっくり確実に進みましょう。
写真:SHIZUKO
地図を見る水俣乗越まで下ったら、いよいよ「東鎌尾根」に入ります。
行く手には槍ヶ岳から続く穂高の稜線が見え、昨日はあんなに遠くに感じた槍ヶ岳の美しい三角錐がぐんぐん近づいてきます。これぞ、登山の醍醐味。長い梯子や岩場は、全身をフル活用して登っていきましょう。
写真:SHIZUKO
地図を見る大天井ヒュッテを出発して7時間。槍の穂先と呼ばれる槍ヶ岳の頂上直下にある槍ヶ岳山荘に到着。充分休憩を取ったら、荷物を置いて、いざ!山頂へ。
写真:SHIZUKO
地図を見るただし、夏の午後は雷が鳴ったり、天候が崩れることも多いので、そんな時は登るのをやめましょう。オンシーズンなら穂先を目指す渋滞が出来ているかもしれません。そんなときは、翌朝早くに登るなど、よく考えて行動しましょう。
ここまで来れば30分もあれば、憧れの槍ヶ岳の山頂に立つことが出来ます。多くの人が狭い岩場の道を行き交うので、落石には充分注意が必要です。
写真:SHIZUKO
地図を見る最後の垂直の長い梯子は、ちょっとしたアドベンチャー。ドキドキしながら登り切れば、山頂です。
穂先は狭いので譲り合いの精神で。
遮るもののない山頂からの大展望。自分の足で歩いてきた東鎌尾根や西側に延びる西鎌尾根。難所の北鎌尾根など、いつまで見ていても飽きない岩山の稜線。苦しい登りもあったでしょうが、登り切った達成感に満たされる至福の時。写真を撮って、しばし楽しんだら気を付けて下山しましょう。気の緩みは事故のもとですから。
<槍ヶ岳山荘基本情報>
住所:槍ヶ岳南方直下
電話:090-2641-1911
写真:SHIZUKO
地図を見る槍ヶ岳山荘では、登頂祝いの乾杯の光景が見られ、笑顔が溢れています。山荘前のテラスで飲むビールは最高!だってここは3000メートルの天空の楽園。そんな場所まで、荷物を背負って自分の足で登って来たのですから。
名物・朴葉焼きの夕食を楽しんだら、ゆっくりと休んで、下山に備えます。無事に下山してこその登山です。
翌朝も日の出前に出発。暗い道を下ります。ほどなく辺りが明るくなってきたら、後ろを振り向いて下さい。朝焼けに輝く神々しい槍ヶ岳がそこに!
写真:SHIZUKO
地図を見るこの先はひたすら下る道。上高地までおよそ9時間。ゆっくりと焦らず、3日間の思い出を振り返りながら下っていきましょう。
徳澤まで下りたら、徳澤園のソフトクリームは定番。甘さが疲れた体にしみわたり、リフレッシュできます。
写真:SHIZUKO
地図を見る上高地に着いたら、まずはお風呂。小梨平や複数のホテルで日帰り入浴出来ます。汗を流したら、下山祝いもいいものです。
河童橋からは、穂高の峰々が。今回登ったのは、この大パノラマの向こうに聳える山々。無事下山した安堵感。美し過ぎる峰々を自分の足で歩いた達成感。心地よい疲れとともに、しばしゆったりとした時間をお過ごしください。
気持のいい稜線歩きが身上の表銀座縦走ですが、東鎌尾根に入ると、細い岩尾根を歩くこともありますから、日ごろからトレーニングをして、楽しく歩ききってください。
きっと、忘れることのできない、最高の思い出になることでしょう。
2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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