まるで台湾の地中海? 離島「澎湖」の絶景パノラマ

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まるで台湾の地中海? 離島「澎湖」の絶景パノラマ

まるで台湾の地中海? 離島「澎湖」の絶景パノラマ

更新日:2017/10/31 20:58

宮坂 大智のプロフィール写真 宮坂 大智 村おこしNPO法人ECOFF代表理事、日本島嶼学会会員、国際島嶼学会会員、東京農業大学探検部OB

今や定番の海外旅行先となった台湾。何度も台湾を訪れているヘビーリピーターも多い中で、台湾の離島に訪れたことのある方はどれくらいいらっしゃるでしょうか? 今回ご紹介するオススメの隠れ絶景スポットは、台北からわずか50分のフライトで行くことができる離島「澎湖(ポンフー)」に有ります。この島には、せっかく台湾旅行をするなら是非訪ねて欲しい思うほどの絶景があるのです。

市街地から最も離れた村へ

市街地から最も離れた村へ

写真:宮坂 大智

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今回ご紹介する絶景スポットは、台湾海峡にある離島「澎湖」の市街地から車で1時間ほどの港町「外アン(ワイアン※アンは土偏に安)」にあります。澎湖は台湾でもっとも漁業が盛んな地域として知られていますが、ワイアンはその中でも最大規模の漁村として栄えています。村の目の前には大きな漁港が広がり、朝な夕なに仕事に精を出す地元漁師や、祖国に仕送りをするためにがんばっている出稼ぎ外国人労働者の姿が見受けられます。

田舎の漁村ということもあり、村内で使われるのは台湾の標準語である北京語ではなく、日本統治時代から日常会話に用いられてきた台湾語。台湾の離島というだけでも異国情緒があふれる澎湖ですが、ワイアンまで来るとなんだか本当に遠くまで来たという感慨にふけることができます。港の前に連なる東屋の下では、おばあちゃんたちが世間話をしていたり、麻雀を楽しんだりしている人々の姿も多く、いかにもアジアという空気が流れています。

港の前の目抜き通りの東寄りには、寺院密集度が台湾随一という澎湖の中でも立派な道教のお寺「温王宮」が堂々と建ってます。このお寺には「イルカ寺」というニックネームがあります。その由来は、お寺の建て替えをするたびにワイアンの海にイルカが現れるからなのだそう。

市街地から最も離れた村へ

写真:宮坂 大智

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かつてはお寺より高い建物を作ってはいけないという決まりもありましたが、日本統治時代にはお寺より高い見張り用の建物が建てられました。この建物は風雨にさらされて崩壊寸前になっていますが、今でもレンガで造られた当時の面影を残しています。

台湾、いや、アジアとは思えない風景

台湾、いや、アジアとは思えない風景

写真:宮坂 大智

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さて、そんな台湾らしさがたっぷりのワイアンですが、この村を丘の上から見てみると全く違う姿を見ることができます。ワイアンに入る幹線道路から脇道に入り、放牧されているヤギが時折姿を表す広大な草原を通り、さらに車1台がやっと入れるようなでこぼこ道を抜けるとワイアンのパノラマが目に飛び込んできます。

台湾、いや、アジアとは思えない風景

写真:宮坂 大智

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丘の上に移動してワイアンを見下ろした景色がこちらです。緩やかな傾斜面に所狭しと建てられた白やパステルカラーの家屋、そして港に整然と並ぶ漁船がある風景は、まるで地中海のよう。さっきまでの台湾らしい情緒からは想像できない光景に、ここを訪れる人は口を揃えて「ヨーロッパの港町みたい!」と感激します。

ちなみに澎湖の古民家は可愛らしいパステルカラーに塗られている事が多いのですが、これは漁船の塗装に使ったペンキの余りで塗られたものです。自分の漁船を持てるのはお金持ちに限られているので、パステルカラーのお家はお金持ちだという証でもあるんですね。

元宵節の夜には更なる絶景が

元宵節の夜には更なる絶景が

写真:宮坂 大智

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台湾人が大切にする旧正月の一大イベント「元宵節」の日にはもっと感動的な情景を見せてくれます。元宵節の祝い方は各地域によって異なりますが、共通するのは夜の灯りを楽しむという点。ここワイアンでは元宵節の夜に港の前の目抜き通りいっぱいに提灯の灯りをつけ、更に港にある全ての漁船が漁火を付けて元宵節をお祝いします。その夜景はまさに感動モノです。

元宵節の夜には更なる絶景が

写真:宮坂 大智

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なお、ここから見える漁港にはかつて広大な砂浜が広がっていました。もし今もその砂浜が残っていれば澎湖で最大のリゾートになっていたかもしれませんが、その代わりこの村が漁村として発展することはなかったでしょう。ワイアンを一望する風景の中には人間と自然の歴史も詰め込まれているのです。

かたわらにある石塔はワイアンの守り神

かたわらにある石塔はワイアンの守り神

写真:宮坂 大智

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ところで、この景色を眺める場所には古めかしい3つの石塔が建っていますが、これは一体何なのでしょうか? 正解は、「三仙塔(サンシェンタァ)」という名前の「石塔(スータァ)」です。澎湖には、邪気などから村人を守るために石を積み重ねた塔(=石塔)を作る風習があり、この三仙塔もまたワイアンの村人を守る役割を持っています。

各地域によって形や作られた年代、邪気を払う方法は様々ですが、三仙塔の特徴はその名の通り3つの石塔が並んでいるというところです。また、多くの石塔の建造年代が古文書によって特定されているにも関わらず、三仙塔に関しては情報が少なくいため、一体何“百”年前からあったのかが分からないのも特筆すべきことです。

さらに三仙塔の役割は、男性の寿命を延ばし、その代わりに女性の寿命を短くするという一風変わった役割を持っています。なぜそのような役割があるのかというと、その理由はワイアンの地形に隠されています。風水では「左男右女」つまり男性が左側で女性が右側という考え方があるのですが、ワイアンの地形を見てみると左側は右側より短くなっているのが分かります。

昔から漁業に頼って暮らしてきたワイアンの人々にとって、危険の絶えない漁業をしている男性は家族の大切な稼ぎ頭です。毎日死と隣り合わせの仕事をしている漁師の寿命が短くなってしまっては大変だと考え三仙塔を建てたというわけです。

その証拠に、三仙塔はワイアンの西側と東側の両側にあり、男性の寿命を伸ばすための“西”三仙塔は地形を伸ばすように南側の海に向かって縦に並んでいる一方、女性の寿命を短くするための“東”三仙塔は地形を短く切るように海に向かって横に並んでいます。

女性の寿命を短くするための石塔を建てるというのは現代の私達には理解し難いものがありますが、一方の寿命を伸ばすためには一方の寿命と交換しなければならないという考えがあったのかもしれません。

一般的な観光客には知られていない隠れスポット

ワイアンを見下ろすパノラマが見れる場所は、小さくて分かりにくい道の先にあります。そのため一般的な観光客には知られておらず、こんなに景色がいい場所なのに他の人とはあまり出会いません。澎湖に来たらぜひ、この景色を独り占めしてみませんか?

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/10/21 訪問

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