2711基の石碑は何を語る?〜ベルリン「ホロコースト記念碑」

2711基の石碑は何を語る?〜ベルリン「ホロコースト記念碑」

更新日:2018/07/30 11:16

ベルリンのブランデンブルク門からほど近い場所に、「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」―通称「ホロコースト記念碑」があります。戦時中のホロコーストで犠牲になったユダヤ人たちに捧げられた記念碑で、広大な敷地にはあらゆる高さの、2711基もの石碑が並べられています。
まるで迷路に迷いこんだかのような不思議な感覚が味わえるこの場所で、さまざまな思索にふけってみてはいかがでしょうか?

ブランデンブルク門からホロコースト記念碑へ

ブランデンブルク門からホロコースト記念碑へ
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統一ドイツの象徴として1788〜1791年に建設されたブランデンブルク門は、今ではベルリンのシンボルとなっている観光名所です。そこから南へおよそ100mほど歩くと、広大な敷地に突如として無数のコンクリート製ブロックが見えてきます。ここが、戦時中に犠牲になったヨーロッパのユダヤ人たちを追悼するために作られた、ホロコースト記念碑です。

ブランデンブルク門からホロコースト記念碑へ
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このホロコースト記念碑は、およそ1万9073平米という広大な敷地に、コンクリート製の石碑群がグリッド状に並んでいるというものです。その石碑の数は、何と2711基。高さは0〜4.5mまでさまざまで、石碑の間は24時間自由に通り抜けることができます。

設計したのは、ニューヨーク在住の建築家であり、スペインの「ガリシア文化都市」なども手掛けたピーター・アイゼンマン氏。敷地の地下には、ホロコーストに関する情報センターもあります。

石碑の間に入ると……

石碑の間に入ると……
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この石碑群は、入り口に近い場所にあるものはさほど高さがありません。それが、中心部に進むにつれて徐々に高くなっていきます。だんだんと、自分が都会の喧騒から離れてどこかの迷路に迷いこんだかのような錯覚に陥ります。

石碑の間に入ると……
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石碑が最も高い中心部にたどり着くと、この写真のような光景が広がります。歩いているうちに、自分がどの方向から来たのか、どこに向かおうとしていたのか分からなくなるような、奇妙な感覚にとらわれることでしょう。

さまざまな表情を見せる石碑

さまざまな表情を見せる石碑
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光の当たり具合によっては、この写真のように石碑が逆光によって黒々と見えることもあります。また、雨あがりのときは滴が石碑を流れて、まるで石碑の群れが涙を流しているかのような印象を与える瞬間もあります。

さまざまな表情を見せる石碑
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見上げると、石碑の群れの間から空が見えます。見方によっては、高層ビル群の間から空を見上げているようにも思えます。大都会の中にいるとは思えない静寂に包まれ、さまざまな表情を見せる石碑に囲まれていると、自ずと深遠な気持ちにさせられることでしょう。

さまざまな表情を見せる石碑
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これら無数の石碑がいったい何を表しているのか。それは、見る人がそれぞれ考えるべきことであるとされています。ある人はこれらの石碑が、ホロコーストで犠牲になった人々の墓石であると思うかもしれません。あるいは、犠牲者の魂を象徴した形か、はたまた戦争の理不尽さを表したものであると考える人もいることでしょう。

ここは大都会ベルリンという街の中にありながら、そのように自分だけの思索にふけることのできる場所なのです。

ホロコースト記念碑「情報センター」の基本情報

いかがだったでしょうか?名だたる観光名所が多くあるベルリンですが、このホロコースト記念碑も訪れることで、ドイツへの旅がより濃密になること間違いなしです。是非この場所を訪れて、ホロコースト、歴史、世界について思いを馳せてみてください。
地下にある情報センターに関する基本情報は、以下を参考にしてください。

<基本情報>
住所:Cora-Berliner-Straße 1, 10117 Berlin, ドイツ
電話番号:+49 30 2639430
アクセス:ブランデンブルク門から徒歩3分

2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/15 訪問

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