「遇見梵谷 Meet Van Gogh」は、オーナーの林永鴻氏が家族と営む完全予約制のレストランです。人通りの少ない場所に位置しているため常時営業はしておらず、予約が入った時間だけ店を開けるという方式を採っています。そのため貸し切りになることも多く、自分のためだけに開けてもらったという特別感が味わえるプライベートレストランとして口コミで広がり、顧客を増やしています。
最寄りのMRT駅は台北のランドマークである台北101と世界貿易センターそばの「台北101/世貿」。さらにそこからバスと徒歩で約15分とやや行きにくい場所にあるにもかかわらず、訪問客の評価はとても高く、リピーターが多いのが特徴です。まさに隠れ家という言葉がぴったりくる、とても居心地のいいレストランです。
写真:吉川 なお
地図を見る店名にあるように、コンセプトは「ゴッホに会える店」。オーナーの林氏はウェブマーケティング会社を経営する社長さんですが、「ゴッホが好きで料理も好き」という趣味と特技が高じて、2015年6月にこの店を開きました。調理はもちろんのこと、メニューの作成から材料の買い出しまで自ら行い、接客は奥さんと2人の息子さんが担当するというアットホームな雰囲気も魅力のひとつとなっています。
店に入ってまず惹きつけられるのは、壁いっぱいに書かれた大きな絵。店内のすべての絵は林夫妻が約8カ月かけて描いたもので、この店に対する思い入れと意気込みが感じられます。
写真:吉川 なお
地図を見る店内中央を飾るのは、ゴッホの代表作のひとつ「夜のカフェテラス」のモデルとなった南仏アルルの「カフェ・バン・ゴッホ Cafe Van Gogh」の黄色い外壁。『ランタンが素晴らしい黄色の光を放ち、店の正面やテラス、歩道、道路を照らしている』とゴッホが妹に宛てた手紙の通り、彼が描いた当時の姿で現在も営業しています。絵を見ているとあたかも現地にいるような雰囲気になり気分が高まります。
その向かいはゆったりしたソファスペース。その回りには「星月夜」「アイリス」「糸杉」などゴッホの有名な絵が一同に介しています。
27歳で画家として歩み始め、37歳でこの世を去る10年の間に描かれた主要作品の多くが、アルル時代(1888年2月 〜 1889年5月)とサン・レミの精神病院での療養時代(1889年5月 〜 1890年5月)に制作されています。
『この地方は大気の透明さと明るい色の効果のため日本みたいに美しい』と心躍らせ、画家が共同生活するユートピア「芸術家共同体」の実現に奔走しますが夢は破れ、やがて精神に異常をきたして入院するという苦悩の中で多くの傑作が生まれました。
ほとばしる感情をそのままキャンパスにぶつけたエネルギッシュな絵には、彼の悲哀や情熱、描く喜びなどさまざまな思いがこもっています。
写真:吉川 なお
地図を見る「遇見梵谷 Meet Van Gogh」の1日当たりの最大受け入れ客は約30人で、facebookまたは電話(英語可)で希望日の2日前までに予約が必要です。特に定休日はなく、予約が入れば店を開け、そのお客さんが帰ったら店は閉まります。
予約人数に応じて料理の提供方法も異なり、大人数の時はビュッフェ、数が多いときはメニューを数種類用意し、少人数の時はそのお客さんの希望を聞いて料理を作っています。
写真:吉川 なお
地図を見るオーナーのこだわりは内装だけではありません。素材の新鮮さにも大いにこだわり、作り置きは一切せず、必ずその日の朝に予約人数分だけ材料を購入しています。メインは牛肉、鶏肉、魚料理で油控えめ、化学調味料や冷凍食品などは使わず、健康に配慮したヘルシーメニューを自ら考案しています。
写真は、脂質が少なく栄養バランスのとれた白身魚のスズキを使った「嫩煎百里香鱸魚佐檸檬白酒醤汁」。表面はカリっと中はふっくらジューシーに焼き上げたスズキに白ワインとレモンをベースにしたソースがかかっていて、シンプルながら深みのある味に仕上がっています。
写真:吉川 なお
地図を見るこちらは、人気の鶏肉料理「蒜味ナイ油煎鶏胸佐起司蘆筍」。ジューシーな鶏胸肉とチーズ、フランス産のトマトソースがうまく絡み合い、そばに添えられたたっぷり野菜が食欲をそそります。
台湾産の新鮮な素材をふんだんに使った見た目も美しい料理はワインにぴったり。オーナーが選りすぐったフランスワインと一緒にどうぞ。
店で供されるデザートもすべてオーナーの手作り。写真は人気のふんわりチーズケーキで、濃厚な味わい、なめらかな舌触り、しっとりもちもちした食感と文句ないおいしさです。
誕生日会にはホールケーキ、お土産にはパイナップルケーキなどリクエストにも応えてくれるのも予約客ならではの特権。豆から挽かれるコーヒーもレモン果汁入りの紅茶も好評で、飲み物だけの来店でもOKという太っ腹経営です。
写真:吉川 なお
地図を見る店の内装から料理まで幅広く器用にこなすオーナーは、忙しすぎるとストレスになるため、予約が入ったときだけオープンする今の方式がベストだとおっしゃっています。来てくれたお客さんが満足できるよう最善の体制でおもてなしをする、これが「遇見梵谷 Meet Van Gogh」のあるべき姿だといえます。
笑顔が素敵な林氏と王小桃さんご夫妻が歓待してくれるゴッホに会える店で真心のこもった料理をいただく。そんな憩いの時間も台北での思い出に花を添えることでしょう。
住所:台北市信義区呉興街394巷6號
電話:+886-2-2758-5253
アクセス:MRT台北101/世貿駅からバス22、226、1、266番で呉興国小下車、徒歩5分
営業時間:予約時に確認
2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/12更新)
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