ざぶとん11枚!金運も呼び寄せた尾州廻船内海船のご利益?

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ざぶとん11枚!金運も呼び寄せた尾州廻船内海船のご利益?

ざぶとん11枚!金運も呼び寄せた尾州廻船内海船のご利益?

更新日:2017/11/26 22:17

Mizuki Yoshiのプロフィール写真 Mizuki Yoshi 歴史街道トレッカー、伝統の「ワザ」案内人、日本クルーズ&フェリー学会員

パームツリーと白砂で有名な愛知内海の千鳥ヶ浜、まるでカリフォルニアのような開放感、突き抜ける青空は、愛知を代表するビーチリゾートです。そんな内海の時間を150年前に戻すと尾州廻船内海船の湊(みなと)。尾州廻船とは尾張国内の人が持った船の総称。内海周辺には100艘もの弁財船(べざいせん)が瀬戸内海から江戸まで北前船に匹敵する規模で駆け巡りました。内海界隈と内海船の館「内田佐七邸」をご紹介します。

日本最高の白砂の内海(うつみ)はビーチリゾート

日本最高の白砂の内海(うつみ)はビーチリゾート

写真:Mizuki Yoshi

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どこか小樽の運河を思わせる内海川の先は内海港。右岸に千鳥ヶ浜、左岸が東浜の人気ビーチリゾートにつながっています。これから幕末から明治初期の内海湊の風景へ御案内します。

日本最高の白砂の内海(うつみ)はビーチリゾート

写真:Mizuki Yoshi

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幕末の下田で総領事ハリスの体調不良のために看護師として雇われたのが内海で生まれた「唐人お吉」。内海川の河口に生誕地の碑がひっそり建っています。

日本最高の白砂の内海(うつみ)はビーチリゾート

写真:Mizuki Yoshi

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内海の千鳥ヶ浜(写真)と東浜はパームツリーと広い砂浜に青空が突き抜ける開放感でまるでカリフォルニアを彷彿とさせますが、なんといってもその魅力はサラサラの白砂。わずかな風でも舞い上がる砂は砂時計に使われるほど。そして街の別名は「砂時計の町」。唐人お吉の立像(写真右手)もそんな白砂のビーチを見つめています。この白砂の魅力を早くから賞賛し開発につなげた人物が尾州廻船内海船の館の四代目内田佐七です。

国の重要文化財に指定された内田佐七邸の壮大さ

国の重要文化財に指定された内田佐七邸の壮大さ

写真:Mizuki Yoshi

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代表的な尾州廻船は知多半島の亀崎船や半田船。ミツカンの源流となった酒や酢を江戸へ運びました。又、常滑焼(とこなめやき)や伊勢や美濃の産物を輸送した常滑船などがあります。そんな尾州廻船の内、内海周辺をベースにしたのが、内海船。各地の産物を別の地域へ運ぶことで商売を繁盛させました。内海川を挟んだ東端、西端地域に船主や船乗りたちが住んでいました。弁財船とは船の目的や特徴をいい、現代に置き換えれば「貨物船」、大きさでは二百石船とか千石船がありました。

初代内田佐七は、当地の大船主前野小平治に仕えた船頭。小平治から50両借用し、最初の中古舟を購入しチャレンジが始まります。その後30両を追加借用し、攻めます。佐七家は最大で7艘もの大小の弁財船(べざいせん:写真)を持っていました。

国の重要文化財に指定された内田佐七邸の壮大さ

写真:Mizuki Yoshi

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佐七邸(写真)の広さは見学中にはなかなか実感できません。一度外へ回ってみるとその壮大さが飲み込めます。写真左端の蔵から右端の入り口まで40m程あり、写真左端の蔵から奥へやはり40m程屋敷建物が切れ間なく続くのです。

国の重要文化財に指定された内田佐七邸の壮大さ

写真:Mizuki Yoshi

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蔵沿いに40mほど奥へ進んでもまだまだ建物が続きます。黒く塗られた外壁は海からの風が強い当地の伝統。風情を堪能してみてはいかがでしょう。付近には往時の風情を残す旧家が幾つかあるので周囲の散策もおススメです。

茶道尾州久田流の粋を極めた佐七邸の見どころ

茶道尾州久田流の粋を極めた佐七邸の見どころ

写真:Mizuki Yoshi

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土間から座敷二部屋入り更に奥にあるのが、「次の間」と「上の間」。書院造りの床の間の脇に琵琶床も設置されています。戎講(えびすこう:後ほどご紹介)の会合や特別な儀式、身分の高い客のおもてなしに使われました。

茶道尾州久田流の粋を極めた佐七邸の見どころ

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おススメは、「上の間」の襖を全部閉めて楽しむ青松の風景。古来、蓬莱島と呼ばれる都の左方、東の海にあると云われる不老不死の風景を思い出させます。美しく品の良い枝振りの松、畳に腰を下ろし、しばし堪能してはいかがでしょう。高貴な身分の方をお迎えする絵です。尚、天井と欄間は板目の美しい屋久杉。茶道尾州久田流の指導がなされ、粋を極めた美を感じることが出来ます。

「だいどこ」から「おでい」へ格を上げる二部屋、そして「次の間」から「上の間」の書院に連なる流れと襖絵に、名古屋城本丸御殿の見学をされた方には、スケールこそ違えその配置をほうふつとさせることでしょう。

茶道尾州久田流の粋を極めた佐七邸の見どころ

写真:Mizuki Yoshi

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「上の間」の先にある南庭。尾州久田流の粋が見られます。登り口の平らな巨石は江戸末期に四日市や津にも支店があった関係で藤堂藩から贈られたもの。船主だったこともあり、巨石の運搬はお手のもの、手水鉢、織部灯篭。杉皮を格子状に貼った塀など垂涎の趣です。茶室は「上の間」の脇の「こま」と「次の間」奥にある「茶の間」の二室あります。「茶の間」天井は、焼いた竹が渡る細工が施された本格数寄屋造りの侘びを堪能できます。

ざぶとんの枚数が儲かったあかし!開運の「撫牛(なでうし)」

ざぶとんの枚数が儲かったあかし!開運の「撫牛(なでうし)」

写真:Mizuki Yoshi

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別棟の「いんきょ」部屋にある佐七家伝来の開運の撫牛(なでうし)の置物。福・威・知を授けると云われた縁起もの。10cmチョットの大きさでガラス容器に納められ、見学者が撫でることはできません。説明には「金千両が儲かるごとに布団を一枚重ねた」とあります。思わず数えたくなるその布団の数は11枚?撫牛がリラックスしてまどろむ黄色の布団はお金が居心地よい場所、パワーと金運が呼び込まれますよ。

「おでい」横の仏間の隣、金毘羅宮・多賀大社・伊勢神宮・熱田神宮・秋葉神社の5つの神社を祀る神社並のスケールの神棚を誇る神屋で佐七にあやかって開運を祈ってみてはいかがでしょう。

ざぶとんの枚数が儲かったあかし!開運の「撫牛(なでうし)」

写真:Mizuki Yoshi

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初代佐七が小平治に書いた借用証文は入り口正面の米蔵内(写真正面)で見ることが出来ます。佐七家の家紋となった橘の門が米蔵の思い扉に描かれているので、扉が空いていたら受付に一声かけて閉めてもらってみてはいかがでしょう。蔵の右手に生えている2本の橘の小木は前野小平治が育てていた木から接ぎ木などを経た3代目と言う歴史あるもの。又、この米蔵も佐七が前野小平治が引退する際に購入したものです。佐七の他、南知多の豪商達はその資力を背景に江戸時代の遊郭吉原の経営のいくつかを担ったと云われています。

ざぶとんの枚数が儲かったあかし!開運の「撫牛(なでうし)」

写真:Mizuki Yoshi

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内海船成功の秘訣は戎講(えびすこう)と呼ばれる組合を作って各地の問屋の相場情報(写真)を共有したことにありました。内海船は各地の特産品を買積みし、相場情報による価格差で利益を生み出しました。情報+物流機能で弁財船を運用し、情報力で利益を生み出したのです。このため戎講は組合員間で厳しい統制があったことも資料で見ることが出来ます。

四代目佐七は知多半島開発の旗手

四代目佐七は知多半島開発の旗手

写真:Mizuki Yoshi

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世界の砂を集めたのが四代目佐七です。日本中、世界中の砂をコレクションした結果、内海の砂が世界一だと賞賛。明治近代化と共に、鉄道の導入、蒸気船の普及により帆掛け船の弁財船は競争力を失います。四代目佐七は、知多半島の温泉開発、バス事業、銀行事業などへ転換を図り、あらゆる開発の旗手として活躍しました。

四代目佐七は知多半島開発の旗手

写真:Mizuki Yoshi

内海と言えば、櫻米軒の「波まくら」と云われるほど有名な銘菓がこれ。生煎餅で巻いた餡が絶妙な味わいです。寄ってみてはいかがでしょう。櫻米軒では砂時計の作り方も教えてもらえます。

おわりに、

屋敷内や庭などいずれも保存状態や維持管理が素晴らしく、昨日まで人が住んでいたような佇まいです。又、室内は隅から隅まで鑑賞できます。少し時間に余裕をもっての訪問をおススメします。最近、内田佐七家や分家の佐平二家などが保管した資料の調査により、北前船に匹敵する重要な資料が揃っていることが分かってきました。ボランティアガイドさんの案内で回れば、1時間以上たっぷり尾州廻船の世界を堪能出来ます。

「旧内田家住宅・旧内田佐平二家住宅基本情報」
所在地:愛知県知多郡南知多町大字内海字南側39
問い合わせ先:愛知県知多郡南知多町大字豊浜字須佐ヶ丘5
       教育委員会社会教育課(電話0569-65-2880)
公開日:土・日・祝 午前10時〜午後4時(入場は午後3時30分まで)
入館料:高校生以上300円(中学生以下無料)
アクセス:名鉄知多新線内海駅から徒歩12〜15分、内海駅から海っこバス乗車「内田佐七家前」下車徒歩2分(但し本数は少ない)
車は、南知多道路「南知多IC」下車内海方面へ約10分、10台程度駐車可

※日曜日の公開日には、みなみちた観光ボランティアガイドによる案内があります。(平日でもガイドさんがいるかお声がけすることをおススメします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/10/30 訪問

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