品木ダムは以前は草津温泉のお隣の六合村(くにむら)にありましたが、現在は町村合併により中之条町となっています。
品木ダムの一番の特徴は、やはりエメラルドグリーンの水ではないでしょうか。初めて訪れると、まるで入浴剤を入れたかのような水の色に驚かれると思います。なぜ水の色がエメラルドグリーンなのか?その答えを知ると、品木ダムの果たしている役割の重要さに驚かされます。
ちなみに品木ダムによって堰き止められたダム湖は、別名「上州湯の湖」とも呼ばれていて、秋には周囲を紅葉の山々に囲まれた美しい姿を見せてくれます。
品木ダムの上流には草津温泉があり、そして草津温泉は草津白根山のふもとにあります。白根山は硫黄を多く含んだ活火山で、その影響で草津温泉のお湯も、鉄を溶かすほどのかなり強い酸性となっています。その酸性の強いお湯や、白根山にしみこんだ雨水が川に流れ込み、下流の吾妻川(あがつまがわ)は、以前は魚が生息することができない「死の川」と呼ばれていました。
そんな死の川とまで呼ばれていた吾妻川は、今は魚が泳ぎ回り、魚釣りなども盛んに行われている清流に生まれ変わりました。そこには品木ダムが果たす役割が大きく関わっているのです。
白根山から谷沢川、大沢川へと流れ出す強い酸性の水は香草(かくさ)中和工場へ。草津温泉から湯川へと流れ出す強い酸性の水は草津中和工場へ向かいます。それぞれ品木ダムの上流に建設された中和工場で、酸性の水を普通の水に戻すために建設されました。
中和工場でアルカリ性の石灰ミルクが投入されることによって、中和生成物が生成され、酸性の水が徐々に中和されます。なんと、香草中和工場では1日約10トン、草津中和工場では1日約50トンもの石灰が投入されているのです!
草津中和工場、香草中和工場で大量の石灰が投入されて中和された水は、品木ダムへと流れ込みます。品木ダムを緩やかに通ることにより、更に中和が促進され、下流の吾妻川へと注がれます。
品木ダムは、水が吾妻川に流れ込む前に、更に水の中和を進めるとともに、酸性の水を中和させる際に生成されてしまう化合物を沈殿させ、より水を綺麗にするための最終的な役割を担っているのです。
このように、品木ダムは治水を目的としたダムではなく、白根山や草津温泉から流れ出る強い酸性の水を中和して、川に戻すという役割を持った、日本で唯一の特徴を持ったダムです。
中和工場で石灰が投入され、徐々に中和されてダムに流れ着いた水は、ギンブナが生息するほどの水質に変化しています。また、品木ダムで綺麗に中和された水は、クリーンエネルギーとして水力発電にも利用され、我々の生活に役立っています。
放流をしている水門を見ることができる場所近くに、数台の駐車スペースがあるので、そちらに車を停めることができます。駐車スペースは狭いので、他の車も停めやすいように停めましょう。また、手すりもそれほど高くないので、くれぐれも身を乗り出しすぎて落ちないように注意しましょう!
品木ダムのダムカードは、品木ダム水質管理所にて、土日祝及び年末年始を除く8:30〜17:15に配布しています。品木ダムでは配布していませんので、お間違えのないようお願い致します。
<品木ダム水質管理所の基本情報>
住所:群馬県吾妻郡草津町大字草津604-1
電話番号:0279-88-5677
アクセス:草津温泉バスターミナルから徒歩約10分
住所:群馬県吾妻郡中之条町入山品木
アクセス:草津温泉から車で約15分
2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2023/11/29更新)
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