菅原姓発祥地で紐解く!奈良「菅原天満宮」で知る菅原家三神の秘密とは?

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菅原姓発祥地で紐解く!奈良「菅原天満宮」で知る菅原家三神の秘密とは?

菅原姓発祥地で紐解く!奈良「菅原天満宮」で知る菅原家三神の秘密とは?

更新日:2017/11/11 19:28

花月 菊乃のプロフィール写真 花月 菊乃 地域文化・民俗文化リサーチャー、グラフィックデザイナー、旅行ライター

奈良市菅原町に鎮座する菅原天満宮は、天穂日命(あまのほひのみこと)、野見宿祢命(のみのすくねのみこと)、菅原道真の菅原家三神をお祀る日本最古の天満宮です。天満宮は全国で約12000社もあると言われています。
全国に数ある天満宮の中でも、ここ奈良の菅原天満宮は菅原家と奈良との深い関わりを体感することができる神社です。菅原家三代の神様と奈良との関わり、そして天満宮でオススメの祭事をご紹介します。

菅家発祥地、奈良菅原町

菅家発祥地、奈良菅原町

写真:花月 菊乃

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“菅原”の姓は、道真の曽祖父にあたる土師古人(はじのふるひと)が、平安時代(794~1185)初期に天皇に改姓を願いでて、改姓したことに始まります。土師古人は儒学者として高名で、天皇に仕え学問を教授する侍読(じどく)という役職についていました。

古人は、大和国菅原邑に住んでいたことから、“菅原”の姓を名乗るようになりました。このことから、ここ菅原町の菅原天満宮は菅原姓の発祥地とされます。
古人は、改姓する前は土師(はじ)という姓を名乗っていました。なぜ、改姓を願い出たのでしょうか?その謎をとく鍵は土師という姓に隠されています。土師氏の祖先は、野見宿祢です。

埴輪発明の立役者!野見宿祢命と埴輪制作技術者、土師氏

埴輪発明の立役者!野見宿祢命と埴輪制作技術者、土師氏

提供元:観光地フォト

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天穂日命(あまのほひのみこと)は、日本神話に登場する天照大神(あまてらすおおみかみ)の子供です。大国主神の出雲国を譲るように交渉に行き、天照大神に出雲国を譲ることが決定してからは、出雲国の出雲大社の祭祀を司り仕えたといいます。

時代は下り、3世紀の初め。大和国(奈良県)では当麻蹶速(たいまのけはや)という怪力の男が、力自慢を豪語していました。その話を聞いた垂仁天皇が「当麻蹶速と互角に戦えるものはいないか?」と家臣に尋ねると、「出雲国(島根県)に野見宿祢(のみのすくね)という男がいます。この人物を呼び寄せてはどうでしょうか?」と答えました。

この人物こそが、菅原天満宮に、お祀りされている野見宿祢命です。

埴輪発明の立役者!野見宿祢命と埴輪制作技術者、土師氏

写真:花月 菊乃

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野見宿祢(のみのすくね)は、勅令により当麻蹶速と対戦し、激しい戦いの上、ついに勝利します。野見は天皇から褒美に当麻が治めていた土地を賜り、大和国(奈良県)にとどまり垂仁天皇に仕えることになりました。

野見は当時の慣習であった奴隷を生きたまま古墳に埋葬する殉葬を改め、土で作った“埴輪”をかわりに埋葬することを進言します。その功績により、天皇から“土師臣(はじのおみ)”という姓と埴輪づくりの土地を与えられ、古墳の造営や葬義儀礼を司る土師職の職をになうことになりました。

菅原天満宮から約徒歩10分ほど歩くと、菅原はにわ窯公園があります。
発掘調査により出土した、約1500年前の古墳時代(285~562)に埴輪を焼いていた窯跡の遺跡が整備され、公園になっています。
かつてこの一帯に古墳築造に関わる土師氏が住み、埴輪がつくられていたことが伺えます。公園にある埴輪は、出土した埴輪をもとに作成されたレプルカだというのは驚きです。

古人が改姓を願い出た平安時代(794〜1185)初期には、古墳が造営されることはなくなり、イメージの一新を兼ねて姓を改めたと思われます。

<菅原はにわ窯公園基本情報>
住所:奈良県奈良市横領町403-2
電話番号: 0742-34-5369(奈良市役所 文化財課)
アクセス:近鉄西大寺駅から徒歩約15分
近鉄尼ヶ辻駅から徒歩約12分
奈良交通バス「阪奈菅原」から徒歩約9分

約130種・約200鉢の盆梅がずらり!菅原天満宮ならでは珍しい品種を要チェック。盆梅展

約130種・約200鉢の盆梅がずらり!菅原天満宮ならでは珍しい品種を要チェック。盆梅展

写真:花月 菊乃

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梅の花は中国から奈良の都にもたらされました。道真は梅の花を愛したことで知られています。毎年、梅の花が咲く季節の2月〜3月頃、盆梅展が開催され、約130種・約200鉢の盆梅が一同に展示されます。

中でも菅原天満宮ならではの品種は、菅原八宝梅。この品種は、なんと一本の幹から本紅梅・裏紅梅・淡紅梅・白梅一重(小輪)・白梅一重(青軸青性)など8種類の花が咲き乱れます。その姿は幻想的で、つい引き込まれてしまいます。

他にも、思いのままという梅の花はその名前の通り、一つの木に赤と白の梅の花が思い思いに花を咲かせます。毎年同じところに同じ色の花が咲くとは限らず、赤だけが咲いたり、白だけが咲いたり。

また、このころ境内の梅の花、約100本も同時にみごろの時期を迎えます。盆栽だけでなく、この時期にお参りすると美しい梅の花を満喫できるのでオススメです。

生誕地で祝う誕生祭と鷽替え神事

生誕地で祝う誕生祭と鷽替え神事

写真:花月 菊乃

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鷽替え神事は、主に全国の菅原道真を祭神とする神社で行われる神事です。ここ奈良の菅原天満宮では、6月25日の菅原道真の誕生日に、誕生祭と共に行われています。

菅原道真は、平安時代(794〜1185)の845年、6月25日(旧暦)に生まれました。菅原天満宮には、道真は奈良でお生まれになったという言い伝えがあり、天満宮から歩いて100メートルの距離には、道真が生まれた際、産湯に使ったという産湯池の遺跡、菅原天満宮遺跡天神堀があります。

生誕地で祝う誕生祭と鷽替え神事

写真:花月 菊乃

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午前中に、道真のご生誕をお祝いする神事が終わると、午後から鷽替え神事が始まります。

鷽替え神事は、箱入りの木彫りの鷽の鳥をそれぞれが買い求め、「かえましょ」「かえましょ」と言いながら、参列者同士で交換します。数多く交換するほど、「嘘」が「真(まこと)」に変わると言われています。箱には番号がついていて、抽選で賞品が当たります。抽選は5回ほど行われ、回が進むにつれて景品は豪華になっていきます。

生誕地で祝う誕生祭と鷽替え神事

写真:花月 菊乃

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木彫りのお守りは家の神棚か、できるだけ清浄なところにお祀りすることで、各ご家庭の一年の幸運を守っていただけます。木彫りの鷽のコレクターもいるぐらい、それぞれの天満宮の木彫りの鷽は特色がありユニークです。ぜひ、奈良の鷽も手にしてみてください。

菅原天満宮の基本情報

菅原姓の発祥地と言われる奈良市菅原町にある菅原天満宮には、菅原家三神が祀られ、一族の歴史を知る事ができます。

道真が実在の人物であったように、菅原はにわ窯公園にたたづむと道真の祖先の土師氏たちが、この場所で埴輪制作や古墳造営に関わっていたリアリティを感じます。

神話の世界で語られる天穂日命(あまのほひのみこと)までが、実在の人物として現実の世界に生き、伝えられた人物であるかのように思えてくるから不思議です。

菅原天満宮では、他に、2月には穀物に感謝し農作物の豊穣を祈願するおんだ祭が、3月の春分の日には、書道の三聖人であった菅原道真にちなんで、使い古した筆を供養し、書業の発展と書道の上達を祈る、筆供養が開催されます。

菅原天満宮を訪れた際には、ぜひ近辺の菅原天満宮遺跡天神堀や菅原はにわ窯公園にも足を運んでみてください。

<基本情報>
住所:奈良県奈良市菅原518
電話番号: 0742-45-3676
アクセス:近鉄大和西大寺駅から歴史の道徒歩15分
近鉄尼ヶ辻駅、近鉄大和西大寺駅 近鉄尼ヶ辻駅から徒歩10分
阪奈道路「菅原バス停」北すぐ学園前・あやめ池からあやめ池循環バス「菅原神社前」下車すぐ

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/02/15−2017/06/25 訪問

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