世界遺産「アクロポリス」の麓に広がる古代遺跡群!ロマンが溢れる見所

世界遺産「アクロポリス」の麓に広がる古代遺跡群!ロマンが溢れる見所

更新日:2017/11/22 16:25

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
ギリシャの首都アテネを見渡す丘の上には、世界遺産「パルテノン神殿」があるアクロポリスが聳えています。この丘の麓に広がるのがプラカ地区。ここには、アクロポリスと匹敵する需要な古代遺跡「古代アゴラ」が北西部に開け、世界史最初の古代ギリシャが眠っています。その東側には、ローマンアゴラが位置しており、石がゴロゴロした遺跡の間を散策していると、古代にタイムスリップしたかのような感覚に陥ってしまいます。

古代アゴラとヘファイストス神殿

古代アゴラとヘファイストス神殿

写真:Hiroko Oji

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ギリシャの古代遺跡の中で、最大で最も有名な「アクロポリス」があるのは、アテネ市内及びエーゲ海に至るまで見渡す岩山の上。この岩山の麓で、北西部に広がるのが「古代アゴラ」と呼ばれている地区です。

「アゴラ」とは、現代の「市場」という意味があり、古代においては政治・経済・宗教・文化などの施設が集中した所です。市民交流の場でもあり、賢人たちの情報交換の場でもあった場所。1931年から発掘作業が開始し、広大な敷地内には、古代ギリシャの神々や神話を表現したレリーフ彫刻が、断片的ながらたくさん残る遺跡です。見上げれば、アクロポリスの堂々たる姿が!かつては 9 軒の教会が建っていたといいますが、今ではアギィアポストリ教会(写真の中央)が残されるのみです。

古代アゴラとヘファイストス神殿

写真:Hiroko Oji

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美しく手入れされた敷地内の高台には、ギリシャで最も保存状態の良いとされるドリス式神殿が聳えています。その名も「ヘファイストス神殿」!紀元前449年に建てられ始め、紀元前416年から415年頃に完成という、パルテノン神殿と時期をほぼ同じくして建設された神殿で、テセイオン神殿とも呼ばれることもあります。

古代アゴラとヘファイストス神殿

写真:Hiroko Oji

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ヘファイストス神殿は、オリンポス12神のひとり、鍛冶を司る「ヘファイストス」を祀る神殿で、短辺13メートルに6本、長辺32メートルに13本 、総数34 本の古代ギリシャの石柱が並んでいます。メトープ(浮彫石板)には、ヘラクレスの難行とテセウスの英雄伝が彫り込まれています。

<ヘファイストス神殿と古代アゴラの基本情報>
住所:24 Andrianou St., Athens
アクセス:地下鉄M1・M3線のモナスティラキ(Monastiraki)駅から徒歩3分、または地下鉄M1テセイオン(Thissio)駅から徒歩約4分。出入口は2カ所ありますが、現在利用できるのはアドリアノウ通り沿いのメインゲートのみ
入場:アクロポリスの共通入場券で入場できますが、単独チケットもあります。
休業日:1月1日、3月25日、グッドフライデー(イースター直前の金曜日)、イースターサンデー、5月1日、12月25・26日

アタロスの柱廊博物館

アタロスの柱廊博物館

写真:Hiroko Oji

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古代アゴラの遺跡群の北東端に位置しているのが、アタロスの柱廊博物館です。

紀元前2世紀に造られた市場兼集会所だったもので、ペルガモンの王アトラス2世が、アテネで学問を学んだことへの謝礼として寄贈しました。2階建ての立派な柱廊 (屋根付きの通路)で、ファサードには石灰岩、柱には大理石が使われており、ギリシャの遺跡の中で唯一、完全に復元された建築物です。

アタロスの柱廊博物館

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長さ115メートル、奥行き20メートルの規模という、かつては42軒の商店が並んでいた大掛かりな建物です。1階部分では、45本のドーリア式列柱が外側に、内側には22本のイオニア式列柱が並び、美しく圧巻の眺め。2階では、外側にイオニア式、内側にエジプト式棕櫚柱頭の列柱が並んでいます。

アタロスの柱廊博物館

写真:Hiroko Oji

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館内は古代アゴラ博物館として、修復された10軒の古代商店の中に多数の発掘品が並べられています。

紀元前4000年から6世紀までの古代ギリシャの出土品である大理石の彫刻や陶器やガラス、装飾品、コインなど、また、ビザンチン帝国時代やトルコ植民地時代の陶器も展示されており、興味深いものが見られます。

向かいの敷地に広がるローマンアゴラ

向かいの敷地に広がるローマンアゴラ

写真:Hiroko Oji

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古代アゴラの敷地の東側に広がるのがローマンアゴラ。紀元前1世紀から紀元後2世紀のローマ時代初期、古代アテネの政治と生活の中心地として栄えた公共広場です。古代アゴラが衰退し始め、住宅地へと姿を変えていった結果、活動の中心がこちらのアゴラへと移っていったのです。ジュリアス・シーザーとアウグストゥスが建設資金を提供したと言われています。1884年の大火で失われるまで、柱で囲まれている広場には店が並んでいました。

白大理石のイオニア式の柱が並ぶ柱廊の広場は、82メートル×69メートルの面積にもおよび、泉や商店、オリンピアの神々を称えて建てられた神殿の遺跡が点在しています。

向かいの敷地に広がるローマンアゴラ

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広い原っぱに石が転がっている感じの部分が多いアゴラの中で、保存状態の良いのが、4本の古代ドリス式の柱が支えるアテナ・アルケゲテス門!「バザール門」と呼ばれていた西側の門で、アテナの守護神である女神アテーナーに捧げられたものです。

向かいの敷地に広がるローマンアゴラ

写真:Hiroko Oji

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ローマンアゴラの入口を入ってすぐの所に、大理石でできた八角形の風の神の塔 (Tower of the Winds)が建っています。これは、1世紀の天文学者であるアンドロニコスが建てたもので、日時計&水時計&風見と言った3役を担っていた塔です。

塔上部の8面は、東西南北と北東・南東・北西・北東の8方向を正確に指しており、それぞれの風の神のレリーフが施されていて、興味深いものです。

<ローマンアゴラの基本情報>
住所:Pelopida & Eolou Str.
アクセス:地下鉄M1・M3線のモナスティラキ(Monastiraki)駅から徒歩3分
開館時間:8:00〜15:00

ハドリアヌスの図書館

ハドリアヌスの図書館

写真:Hiroko Oji

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ローマンアゴラの北隣にあるのは、ハドリアヌスの図書館。132年、ローマ皇帝ハドリアヌスが建設したもので、現在残っているのは建物だった一部の長方形の壁とコリント式の円柱のみです。

ローマ皇帝ハドリアヌスは、軍事よりも内政や哲学に才能があり、斬新な建造物を一人で設計する優れた建築家でもあった人。映画『テルマエ・ロマエ』では、市村正親さんが演じていた皇帝です。

ハドリアヌスの図書館

写真:Hiroko Oji

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ハドリアヌスの図書館は、もともと、横122メートル、縦82メートルの中庭を合計100本の柱が取り囲む、長方形のぺリスタイル構造だったもので、中央には人工池の貯水槽が設置されていました。5世紀にはアーチ型の入り口を持つ教会が建てられ、東側中央の2階建ての建物に本が保管されていて、その北と南に隣接した部屋は、それぞれ読書室に続き講義室が並んでいました。

今となっては、回廊の壁面がわずかに残るのみですが、当時の人々の様子を想像しながら見て周るのも、ロマンがあっていいのではないでしょうか。

見学はアクロポリスとセットで

ギリシャ古代遺跡観光のハイライトは、丘の上の世界遺産「パルテノン神殿」が聳えるアクロポリスだと思いますが、丘の麓から上って行く途中にある古代アゴラやローマンアゴラを見ながら、丘を目指すと纏めて見学することができます。

アゴラから見上げるアクロポリスの眺めもなかなかのもの。当時の人々の生活を思い浮かべながら、遺跡の間の散策を楽しんでくださいね。

※ 2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2006/12/26−2015/04/18 訪問

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