岐阜県中津川市の苗木城跡の近くに、遠くから見て「ギョギョ!」と思わず言ってしまいそうになる巨大な岩があります。この岩の名前は「ふな岩」と呼ばれ、この地域で昔から深く愛されている市の天然記念物に指定されている大岩です。
江戸時代の書物『苗木の里遊山草』には「船岩」と記され、明治の書物『苗木明細記』では「大岩鮒の浮みたる形にして誠に奇岩なるべし」と魚の形と描かれています。
写真:旅人間
地図を見る現在は魚のフナと解釈され、漢字で「鮒岩」と記されるのが一般的。ただ地元の方に聞くと、「私らが子供の頃は金魚岩と言っていた」と言った声も…。
確かによく見ると模様があって、目もあり表情も可愛らしい。フナと言うよりも金魚っぽく見えるのも納得。ここが山間部でなく海に近ければ「くじら岩」「イルカ岩」と言った愛称で呼ばれていても不思議でない可愛い巨岩です。
写真:旅人間
地図を見るこの大きなフナ岩は長閑な田園風景の広がる小高い山の丸山神社に位置し、この山中には巨岩か数多く見られるのが特徴的。
この「丸山神社」の碑がある地点も岩が向き出ていますが、鳥居から続く石段を登ると、背丈を超える大きな巨岩が目に入ります。この近くには巨岩を利用した全国的にも珍しい苗木城跡があるように、中津川から恵那、可児方面まで巨岩群があり、岩マニアにはたまらないエリアと言えるでしょう。
写真:旅人間
地図を見る参道は岩の間を縫うように石段が設けられ、両脇には巨岩がゴロゴロと転がっています。この独特な雰囲気には魅せられます。
写真:旅人間
地図を見る最初の鳥居を過ぎ、石段を登って5分も歩けば「ふな岩」に到着です。近くまで来て、角度を変えて見れば、なるほど船に見えなくもない。
また、この巨岩は古代人が飛行艇を模ったもの、また自然石ではなく人工的なもの、また太古の昔に宗教的な儀式に利用した神聖なエリアと言う説もあるようです。実際には諸説様々で、正確な事は分かりませんが、独特な雰囲気である事は確かです。
写真:旅人間
地図を見るこの「ふな岩」の大きさは長さ12m、高6m、推定重量200トンとも言われる苗木花崗岩。正面から見たら船と解釈出来ても、横からから見ると明らかに魚の形になります。
フナや金魚と言うよりも、鯛にも見える。こんな冗談が許されるなら「たい焼き」にすら見えて来る。地元の方にそんな話をすると、「本当にこの岩は多くの人に愛されるんです」と岩に対する愛情がジンジンと伝わって来るのが微笑ましい。
写真:旅人間
地図を見るふな岩のある場所から歩を進め、石段を登ると丸山神社の拝殿に到着します。この神社に関しては、古くからこの地で祀られていたこと以外、定かな事は分かっていないそうです。
この拝殿前の巨岩には梯子があって、岩の上から下方を見渡せるようになっています。その先には岩と岩が重なりあう「夫婦岩」と呼ばれる大岩があり、「ふな岩」も見える。この拝殿付近では個性的な景色が楽しめます。
写真:旅人間
地図を見る日本各所に「夫婦岩」と呼ばれる神聖な岩が点在し、これらの多くは夫婦円満や、子宝などのご利益を与えてくれます。
名の知れた観光名所も魅力的ですが、このような静かで落ち着いた場所も良いものです。岐阜から木曽路方面へ旅する時は、この場所にも立ち寄ってみては如何でしょうか。
写真:旅人間
地図を見るこの丸山神社の周辺は住宅街になっていますので、ふな岩の写真を撮る場合は勝手に敷地内に入ったり、近隣の家に迷惑にならないよう十分に中止して下さい。
住所:岐阜県中津川市苗木3342
※2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/18更新)
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