滋賀県長浜市にある鶏足寺は、200本のモミジで真っ赤に染まる風景で知られる紅葉の名所。奈良時代の724年に行基によって開かれ、799年に最澄によって再興され、その趣は今もなお色濃く残っています。
そんな鶏足寺の紅葉の見所は、紅葉が散り始める頃。長く緩やかにまっすぐ伸びる石段に舞い落ちたモミジは朱色の道を作り出し、石段の古びた苔は朱色を真っ赤に演出。見上げると赤と黄、オレンジ、緑が織りなす幻想の世界、まさに絶景です。
写真:旅人間
地図を見る一般的に紅葉と言えば、太陽の光が差し込む快晴の日が見どころですね。もちろん、この鶏足寺も同様で、午前中の太陽の光がたくさん差し込む時間帯は、赤く染まった木々は艶やかを増し、言葉では表現できないほど見事な景色を見せてくれます。
鶏足寺の興味深いのは、曇りの日もまた見どころであること。陽の光を遮られた石段のモミジは深みを増し「赤」と言うよりも「紅」の世界を演出する。紅葉で覆われた景色は、まるで妖艶な世界へ誘う紅い絨毯の一本道に見えてくるようです。
写真:旅人間
地図を見るこの鶏足寺は、この景観を保つため、モミジが散り始めると石段の一部は歩くことが出来ません。要するに「大門跡」の碑の立つ周辺は立ち入り禁止になっています。もちろん石段の横は自由に歩くことが出来るので、参拝や観光には何ら支障はありません。このお蔭で絶えず美しいモミジの景色が保たれています。実に嬉しい試みですね。
写真:旅人間
地図を見る年々人気が高まる鶏足寺は、土日になると多くの観光客がやって来ます。見所の石段は立ち入り禁止とは言え、その周囲には人が多くいますので、なかなか人を入れないで写真を撮るのは難しい。ただ15時以降になると人は次第に少なくなります。
ここではライトアップはなく、駐車場までは徒歩で約20〜40分ほどかかります。山中なので日暮れも早く、見学できるのは16時までとなっています。だから15時半頃になると観光客も少なくなり、情緒ある景色に拘るなら、ギリギリまで頑張ってみても良いでしょう。ただし山の中で暗くなるのは危険ですので十分にお気を付け下さい。
写真:旅人間
地図を見るこの鶏足寺は、室町期以降になると僧兵も擁する大寺となり「湖北の比叡山」とも言われるほど隆盛を極めました。しかし地理的悪条件から次第に衰退し、最後に残った本堂も昭和8年に焼失。その後は廃寺となり現在に至りますが、秋になると過去の隆盛を彷彿させるかのような色鮮やかな景色を見せてくれます。
緩やかな石段を奥へ奥へと歩いて行くと、左右には古刹の遺構が所々に見え、紅葉のトンネルが延々と続く。一番奥にある鶏足寺(旧飯福寺)のお堂に到着し、上まで登り来た道を振り返ると、しばらく時を忘れ見とれてしまうことでしょう。
写真:旅人間
地図を見る山中にひっそりと佇む鶏足寺は、近くに駐車場はありません。基本的には徒歩で20分ほどの場所にある「己高庵」近くの大駐車場の利用になりますが、混雑する紅葉の時期は更に20分ほど南に位置する臨時駐車場になります。
便利性から考えると、出来るだけ近くに車を置きたいと感じるのは当然の事ですが、実際に行ってみると遠く離れた臨時駐車場の場合の方が気分的にはお得かもしれません。その理由は道中の景色も素晴らしいこと。特に与志漏神社の鳥居付近の紅葉は燃えるように赤く、鶏足寺の石段に負けないほど見ごたえがあります。
写真:旅人間
地図を見る鶏足寺の紅葉は、例年11月中旬から下旬が見ごろです。特に紅葉が散り始めてからが美しいので、タイミングを見計らうのは難しいですが、下旬がおすすめです。紅葉の見ごろに関しては観光協会の公式サイトなどでご確認下さい。
※11月30日までは紅葉散策協力金として高校生以上の方は200円が必要です。
<基本情報>
住所:滋賀県長浜市木之本町古橋
電話番号:0749-82-5909(奥びわ湖観光協会)
アクセス:北陸自動車道木之本ICから約10分
2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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