写真:もんT
地図を見る列車代行バスとは、線路が不通になり、列車の運行ができなくなったときに運行されます。根室本線については、2016年夏の台風被害により、南富良野町の東鹿越(ひがししかごえ)駅から新得町の新得(しんとく)駅までの41.5kmの区間が不通に…。2017年現在も復旧の目途は全く立たず、不通区間は列車代行バスが、1日に下りは4本、上りは6本運行されるようになりました。
現在、富良野方面からの列車はすべて、南富良野町にある東鹿越駅止まり。富良野からは50分ほどで到着です。帯広・釧路方面へ向かうには、この駅で列車代行バスに乗り換え、さらに1時間ほどかけて新得駅を目指すことになります。鉄道よりも少し時間がかかるとはいえ、列車代行バスの旅、なかなかユニークな体験ができます。代行バスの運行時刻はJR北海道のウェブページで事前に確認しておきましょう。列車の代わりなので、運賃は鉄道と同じ。鉄道の乗車券で乗ります。「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」などの切符も有効です。
写真は東鹿越駅にて発車前の列車代行バス。線路のすぐ脇に停まっているので、乗り換えもスムーズ。列車からの乗り換えが済むと、すぐ出発です。
写真:もんT
地図を見る列車代行バスは鉄道の駅のみ停車していきます。それで終点新得までのおよそ40kmの走行区間のうち、停車するのは幾寅駅と落合駅の2か所のみです。一つ目の停車駅は幾寅(いくとら)。この駅は1999年公開の映画『鉄道員』のロケ地。映画の中では「幌舞駅」として登場します。映画に登場する駅舎やディーゼルカーは今でも保存…。代行バスは駅前をぐるっと回りますので、どうぞお見逃しなく!バスの停車時間はわずかなので、じっくり見たい場合はここで途中下車ですね。
写真:もんT
地図を見る二つ目の落合(おちあい)駅を出ると、国道は根室本線の線路からは大きく離れます。いよいよ狩勝(かりかち)峠越え…。終点の新得駅までおよそ30km、バスはノンストップで走ります。根室本線のルートは1966年までは今と異なり、この十勝国道に沿うように線路が敷かれていました。鬱蒼とした森に包まれて、線路の跡などをバスの中から確認することはできませんが、往時の雰囲気は体感できるでしょうか…。サミット付近では天気が良ければ、十勝側の絶景を一瞬垣間見ることができます。新得行きのバスであれば、進行方向右側です。本当に一瞬!なのでお見逃しなく…。
写真:もんT
地図を見る峠を越えて新得駅が近づいてくると、進行方向右手に根室本線の旧線跡が見えてきます。この線路跡、狩勝峠の3合目付近にあった新内(にいない)駅跡までのおよそ10km、「狩勝ぽっぽの道」として整備されています。代行バスからも見える保存SLのある場所へは、新得駅から富良野方面へ線路に沿うように北上し、徒歩13分ほど。ここから先は随所に鉄道遺産が残るハイキングコースです。思い思いにかつて蒸気機関車も駆け抜けた峠道を楽しんで…。
5月から10月の間は、新得駅内の「新得ステラステーション」にて自転車の無料貸し出しもあり!また夏休み中の週末は新得駅から新内駅跡にある狩勝高原エコトロッコ鉄道まで、無料観光循環バスも利用できます。旧線跡をもっと気軽に散策できるでしょう。新得町観光協会のホームページなどで、情報をゲットしておきましょう。
自然災害により鉄道路線が不通になってしまったのは、残念であり不便でもあるのですが、列車代行バスの旅、列車の旅とは一味違う風景を楽しめます。2017年12月からは狩勝峠3合目付近の「十勝サホロリゾート前」にも代行バスが停車することに…。本数も増えて、利便性が向上します。大勢の旅行客が訪れることで、被災地の復興、そして線路の復旧につながるとうれしいですね。代行バスならではの狩勝峠の旅をぜひ楽しんできてください。
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(2024/4/19更新)
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