京都市・洛東の紅葉の名所「真如堂」の“散り紅葉”が美しい

京都市・洛東の紅葉の名所「真如堂」の“散り紅葉”が美しい

更新日:2017/11/17 12:18

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
京都市左京区にある天台宗の寺院「真如堂」。ここは春の桜の美しさもさることながら、晩秋の紅葉の見事さにも定評があります。とくにおすすめは、本堂裏の“散り紅葉”です。地面を埋め尽くす一面のレッドカーペットは、まさに圧巻の一言。京都の紅葉のフィナーレを飾る晩秋の「真如堂」の紅葉を楽しんでみませんか?

洛東の紅葉の名所「真如堂」とは

洛東の紅葉の名所「真如堂」とは

写真:モノホシ ダン

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真如堂は、正しくは「真正極楽寺」という天台宗の寺院です。創建されたのは、平安時代中期の984年(永観2年)で、比叡山延暦寺の僧・戒算上人(かいさんしょうにん)が、延暦寺の常行堂にあった阿弥陀如来立像を安置したのが始まりです。

当初は、いまの場所の東北の地にありましたが、応仁の乱の荒廃で各地を転々としたあと、1693年(元禄6年)、現在の地で再建が開始されました。真如堂というのは、もともと本堂の呼び名でした。写真は、紅葉に包まれる真如堂の総門です。赤く塗られているので赤門とも呼ばれています。門前には“真如堂”と刻まれた風格ある石碑が建っています。

洛東の紅葉の名所「真如堂」とは

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総門をくぐると右手に高さ約30メートルの三重塔が。江戸時代の1817年(文化14年)に再建されたもので、真如堂のシンボル的存在です。紅葉の時期は、塔の漆黒と赤のコントラストがよく似合います。

洛東の紅葉の名所「真如堂」とは

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境内の鐘楼堂にある梵鐘は、1759年(宝暦9年)の造営で、高さ約285センチ、重さ約3.1トンもあります。太平洋戦争中の1942年(昭和17年)に軍需品の金属回収として供出されましたが、潰されることなく戻ってきた幸運の鐘です。供出時に、鐘の材質を調べるために開けられた小さな穴が今も残っています。しかし、美しい鐘の音色は今もまったく変わっていないそうです。

「涅槃の庭」や「隋縁の庭」をのんびりと眺めよう

「涅槃の庭」や「隋縁の庭」をのんびりと眺めよう

写真:モノホシ ダン

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真如堂の本堂は、江戸時代の1717年(享保2年)の建立で、京都市内の天台宗の寺院の本堂としては、最大規模のものです。内部には、本尊の阿弥陀如来立像が祀られています。本尊は、第3代天台座主の慈覚大師・円仁の作で「うなずきの弥陀」とも呼ばれています。

いわれは、円仁が「比叡山の修行僧のための本尊になって下さい」と祈ると首を横に振り「では、都に下ってすべての人々をお救い下さい」と祈ると頷いたという故事に依ります。本尊は、毎年11月15日のみ御開帳されます。真如堂は、本堂だけのお参りは基本的に無料です。

「涅槃の庭」や「隋縁の庭」をのんびりと眺めよう

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真如堂には、「涅槃の庭」と「隋縁の庭」と呼ばれる見事な2つの庭園があります。写真の、涅槃の庭は、枯山水の庭園で、1988年(昭和63年)、大阪出身の庭園家、曽根三郎氏によって作庭されたもの。東山三十六峯を借景に、向かって左(北)を頭にしたお釈迦様が、右脇を下にして横たわり、その周囲を弟子や生類たちが囲んで嘆き悲しんでいる様子を、石によって表現したものです。

「涅槃の庭」や「隋縁の庭」をのんびりと眺めよう

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もうひとつの名園が写真の「隋縁の庭」です。隋縁とは、“隋縁真如”の略で、「真理は絶対不変でも、条件によって様々な姿を見せること」をいう仏教の言葉です。この庭は、2010年(平成22年)、有名な庭園家である重森三玲氏を祖父に持つ、庭園家の重森千青氏によって設計されました。庭園は、仏殿の蟇股につけられた四つ目の家紋を表しています。どちらの庭も時間が許す限り、ゆっくりと鑑賞しましょう。

京都の紅葉のフィナーレ・本堂裏の“散り紅葉”は必見

京都の紅葉のフィナーレ・本堂裏の“散り紅葉”は必見

写真:モノホシ ダン

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名園を堪能したら、本堂裏の“散り紅葉”を楽しみましょう。時間は、紅葉が夕日を浴びる、夕方の時間帯がおすすめ。赤い絨毯が初冬の斜光を受けて、キラキラ光る様は、まるで絵画のような美しさです。

京都の紅葉のフィナーレ・本堂裏の“散り紅葉”は必見

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本堂裏の参道からの眺めも楽しみましょう。境内を埋め尽くす見事な散り紅葉は、まさに見たこともない“赤い衝撃”といえるでしょう。

京都の紅葉のフィナーレ・本堂裏の“散り紅葉”は必見

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紅葉には着物姿もよく似合います。京都市内には、着物をレンタルできる会社がたくさんありますので、着物に着替えて紅葉狩りをするのもおすすめです。なお、真如堂の紅葉のピークは、例年11月下旬から12月初旬です。紅葉の時期は、一般観光車両の駐車はできません。お参りは、公共交通機関を利用しましょう。

金戒光明寺から真如堂を通って吉田神社に抜けるルートもおすすめ

金戒光明寺から真如堂を通って吉田神社に抜けるルートもおすすめ

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真如堂は、近くにこれも紅葉で有名な黒谷さんこと金戒光明寺や、吉田神社のある吉田山などがあります。写真は、吉田山(神楽岡)の宗忠神社の参道から俯瞰した真如堂です。

金戒光明寺から黒谷墓地を経由して、真如堂の裏手から入り、神楽岡の宗忠神社を通って吉田神社に抜けるコースは、紅葉の時期の京都市内でも比較的、観光客の姿も少ないおすすめの散策ルートです。真如堂の“散り紅葉”とあわせて、歩いてみてはいかがでしょうか。

真如堂の基本情報

住所:京都市左京区浄土寺真如町82
拝観料(書院・庭園):大人500円/高校生300円/中学生200円/小学生無料
拝観時間:9:00〜16:00(受付は15:45まで)
電話番号:075(771)0915
アクセス:京都市バス「錦林車庫前」または「真如堂前」から徒歩約8分

2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/11/29 訪問

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