四国随一の奇勝!巨大岩塔群と洞窟霊場・愛媛「古岩屋」回遊ハイキング

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四国随一の奇勝!巨大岩塔群と洞窟霊場・愛媛「古岩屋」回遊ハイキング

四国随一の奇勝!巨大岩塔群と洞窟霊場・愛媛「古岩屋」回遊ハイキング

更新日:2017/11/17 09:31

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 歴史研究家、郷土文筆家、郷土登山家

愛媛県久万高原町の深山幽谷なる国指定名勝・古岩屋は、数千万年かけて風食された高さ60〜100mの岩塔群が林立し、見る者を圧倒します。そこを基点に回遊するハイキングコースの往路には石仏を祭った各種洞穴が開口している他、復路にある四国霊場・岩屋寺には空海が掘った洞窟霊場もあります。古岩屋には温泉もあり、紅葉名所としても有名。往時の茶屋跡や渓谷を巡りながら幽玄なる風情を楽しみましょう。

石仏洞穴を探検気分で

石仏洞穴を探検気分で

写真:春野 公比呂

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古岩屋の紅葉時期は例年、10月中旬から11月下旬。特に11月下旬は木々の紅葉やその落ち葉等、森や小径全体が赤や黄色に彩られます。第三紀の久万層群二名層礫岩からなる岩塔群がその紅葉から天を衝くかのように聳え立つ様は圧巻。

無料駐車場やトイレは古岩屋温泉を擁する国民宿舎・古岩屋荘周辺に整備されています。ここから「四国のみち(四国自然歩道)」を辿り、「八丁坂茶屋跡」へ登った後、四国八十八ケ所第45番札所・岩屋寺に下り、西之川の渓谷を巡って古岩屋に戻る回遊コースを紹介します。

古岩屋荘周辺の紅葉や岩塔群はハイキングの最後に鑑賞することにし、まずトイレの西上にある道標に従い、四国のみちを辿ります。西之川支流の南岸を遡って行きますが、一面、紅葉の落ち葉に覆われており、特に石畳の道は風情があります。

石仏洞穴を探検気分で

写真:春野 公比呂

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紅葉の落ち葉で埋め尽くされた四国のみちを進んでいくと、対岸に高さ65mの古岩屋礫岩峰・大師岳が迫力ある雄姿を見せており、その下には大師堂が建立されています。
大師岳を見送ると今度は幅広の絶壁岩盤・不動岳が現れ、細長い洞穴に不動明王像が祭られています。カヤの木の一木彫刻で総高は4.9mにも及びます。

石仏洞穴を探検気分で

写真:春野 公比呂

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不動像が安置された洞穴は絶壁ゆえ、一般の行楽客は近づくことができませんが、それを過ぎると小さな石仏群が安置された洞穴があります。ここは内部に入ることができ、冒険心をそそられます。

茶屋跡で昔の旅人気分を

茶屋跡で昔の旅人気分を

写真:春野 公比呂

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法院谷支流の沢沿いを遡るようになると八丁坂入口に達し、ここから丁石や石仏が残る2.8kmの坂道を登ります。坂の頂上にあるのが昔、遍路や旅人が憩った八丁坂茶屋跡(標高730m)で、丁石地蔵や藩政期の石碑が往時の面影を残しています。

茶屋跡で昔の旅人気分を

写真:春野 公比呂

茶屋跡からは尾根道になり、展望が開ける場所もあります。

茶屋跡で昔の旅人気分を

写真:春野 公比呂

極端に尾根幅が狭まり、まるで土橋のようになった箇所は木々もまばらで、高度感があります。

岩山に囲まれた異世界

岩山に囲まれた異世界

写真:春野 公比呂

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コースの最高所は785.3m三角点北の標高760mの鞍部で、そこから下りに転じますが、岩屋寺から登ってくる遍路とすれ違うこともあります。
岩屋寺に段々近づき、礫岩峰群が再び現れるようになると、真っ赤に彩色された「赤不動」が道行く者を睨みつけています。

岩山に囲まれた異世界

写真:春野 公比呂

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赤不動の先にあるのが、迫割禅定(せりわりぜんじょう)という行場の入口にある迫割岩。巨岩の礫岩が真っ二つに割れているように見えますが、実はこれ、雨風による浸食作用でできたもの。迫割禅定は鎖と梯子で迫割岩の割れ目を登り、岩峰頂上の白山権現に詣でる行場で、巡るには岩屋寺に届け出る必要があります。

岩山に囲まれた異世界

写真:春野 公比呂

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岩屋寺は礫岩峰に囲まれた異空間で、北の峰を金剛界峰と言い、南の峰を胎蔵界峰と言います。本堂横には金剛界峰の絶壁が迫っていますが、本堂前から絶壁の岩屋に梯子がかけられています。その岩屋は仙人堂跡で、迫割岩を割ったという法華仙人の修行場跡。高所恐怖症の方は梯子を上れませんが、岩屋に立つと境内を見渡すことができます。

空海が掘った洞窟霊場とは

空海が掘った洞窟霊場とは

写真:春野 公比呂

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仙人堂跡東下には空海が掘った全長20mほどの洞穴、穴禅定がありますが、洞内は境内の喧騒が嘘のように静まり返り、神聖な雰囲気となっています。

空海が掘った洞窟霊場とは

写真:春野 公比呂

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洞の最奥部には空海が法具の独鈷(どっこ)で掘ったという泉「独鈷の霊水」があり、それを数々の石仏が取り囲み、どこかおどろおどろしい雰囲気。

空海が掘った洞窟霊場とは

写真:春野 公比呂

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岩屋寺を後にすると、黄葉の落葉に境内が埋め尽くされた滝池神社の参道を歩き、社殿と山の間をすり抜け、直瀬川沿いを進みます。四国のみちは複数の車道の橋の下を抜け、所々渓谷化した川沿いを進んで行きます。

岩峰群と紅葉のオンパレード

岩峰群と紅葉のオンパレード

写真:春野 公比呂

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やがて直瀬川と分かれ、西之川沿いを進み、嶋田橋袂で県道に出ます。ここから往路の西之川支流との出合の少々先までが、礫岩の岩峰群と紅葉のオンパレード。千丈ヶ岳、子持岳、鐘釣岳と続きます。駐車場東寄りから西之川を渡渉して対岸に渡ることもできますが、川床がクジラを横に並べたような奇岩になっています。そのクジラの背を跳んで対岸に渡る訳です。

岩峰群と紅葉のオンパレード

写真:春野 公比呂

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鐘釣岳のふんどし谷を挟んだ西に屹立するのが、古岩屋一の鋭鋒、天を衝く柱岩です。

岩峰群と紅葉のオンパレード

写真:春野 公比呂

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柱岩北西の県道沿いにあるのが千窟岳。間近に鑑賞できるため、迫力が違います。

伊予の耶馬渓

古岩屋は四国八十八ケ所第44番札所・菅生山大宝寺から45番札所・海岸山岩屋寺に続く遍路道の途中にあることから、昔から伊予屈指の景勝地として知られていました。かつては「伊予の耶馬渓」とも言われたほどで、巨岩塔群や巨大岩盤、岩屋群を擁する絶壁、岩峰を巡る行場等、神仙の世界が広がっています。それらを余すところなく巡ることができるのが本コースです。展望や渓流も楽しむことができ、八丁坂茶屋跡では昔の旅人気分に浸ることができます。

岩塔群で言えば四国では徳島県の土柱(どちゅう)も有名ですが、古岩屋は各岩塔の規模が土柱の数倍から10倍以上の巨大さです。洞窟霊場や洞穴も見逃せません。
尚、久万高原町の町名は旧久万町の久万高原からきているのですが、久万高原周辺は近年、「雲海のまち」としても脚光を浴びつつあります。本コース基点の古岩屋荘に宿泊し、町内の景勝地を巡ってみては如何でしょうか。

また、古岩屋東方の比較的近いところに石鎚スカイラインがあります。宿泊時はスカイライン沿いに登山口がある笹倉湿原や落差100mを超える御来光の滝を巡っても良いでしょう。さらに、スカイライン終点の土小屋に最短コース登山口がある西日本最高峰・石鎚山、土小屋から東方に続く西日本最高所の山岳道路・UFOラインを巡れば充実した観光になることでしょう。

<古岩屋の基本情報>
所在地: 愛媛県上浮穴郡久万高原町直瀬
問合せ先: 0892-21-1192(久万高原町観光協会)

アクセス: 公共交通機関利用時は、JR松山駅からJRバス久万行きで1時間20分、久万中学校下車。すぐの久万営業所で伊予鉄バス上直瀬行きに乗り換えて20分、古岩屋下車。
車利用時は、松山自動車道松山ICから50分、国道33号線から県道12号線経由。無料駐車場は終日利用可。

コースタイム:3時間少々。関連MEMOの四国のみちコース図では「健脚向き」となっていますが、ハイカーや登山愛好家にとっては比較的優しいコースです。

※基本情報は2017年11月現在のものです。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2008/11/23−2013/11/16 訪問

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