世界遺産アクロポリスを背景に!壮大な「ゼウス神殿」

世界遺産アクロポリスを背景に!壮大な「ゼウス神殿」

更新日:2017/11/23 21:04

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
ギリシャ神話に登場する神々の中でも、オリンポス12神の最高神ゼウス。全知全能の神であり、彼に捧げるための巨大な神殿が、ローマ帝国ハドリアヌス皇帝の統治下で建造されました。それが、アテネのアクロポリス麓に聳える「ゼウス神殿」です。

現在残されているのは、15本のコリント式列柱のみ。これだけでも当時の壮大さは十分に伝わってきます。背景には、世界遺産のパルテノン神殿が聳え、豪華な眺めです。

アクロポリスの東側麓に聳えるゼウス神殿

アクロポリスの東側麓に聳えるゼウス神殿

写真:Hiroko Oji

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白い建物が埋め尽くすギリシアの首都アテネの町並みの中、アクロポリスの東側に、緑に囲まれて、遺跡がゴロゴロとした状態で残されているのが、ゼウス神殿のある敷地です。

ゼウス神殿は、オリンポス12神の中の最高神ゼウスに捧げられた神殿で、ローマ帝国期に建設された神殿の中では、最大級のものです。統治者ペイシストラトスによって、紀元前6世紀に始まった建設は、幾度となく中断され、2世紀のローマ皇帝ハドリアヌスの時代にやっと完成しました。にもかかわらず、完成から約300年後の425年には、東ローマ帝国でキリスト教が正式な国教となったがために、神殿は閉鎖され、5〜6世紀にかけて、キリスト教の建築材料として切り出されてしまったという歴史を持っています。

アクロポリスの東側麓に聳えるゼウス神殿

写真:Hiroko Oji

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ゼウス神殿の高くそびえるコリント式円柱は、もともと104本あったもの。その眺めは美しくも威厳ある姿だったことがうかがえますが、現在は15本残るのみ。背景には世界遺産のアクロポリスが聳え、豪華な眺めが楽しめます。

コリント式は、古代ギリシア建築の建築様式のひとつ。ドリア式、イオニア式と並んで、主要な建築様式に位置付けられています。縦に溝が彫られた細身の柱身に、柱頭にはアカンサスの葉が象られた装飾が施されているという特徴を持っています。ちなみに、ドリア式は、柱に溝があるだけで装飾はなく、イオニア式は柱頭に渦巻の装飾が施されているものです。

アクロポリスの東側麓に聳えるゼウス神殿

写真:Hiroko Oji

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神殿のほとんどは、中世の時代に起こった地震のために倒壊したと考えられています。また1852年の嵐でさらに1本の柱が倒されました。しかし、残っている部分だけでもその壮大さが伝わってきます。円柱の足元に立って見上げると、その覆いかぶさるような巨大な姿に圧倒されるばかりです。

遺跡がゴロゴロ転がる一帯

遺跡がゴロゴロ転がる一帯

写真:Hiroko Oji

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ゼウス神殿の北側には、古代ローマ時代の家屋や町並みを囲んでいた市壁、浴場などの遺跡が集まっています。これが町並みの跡?と、もとの姿からはほど遠い眺めですが、当時の人々の生活を想像して歩くのも、楽しみの一つとなるはず。

遺跡がゴロゴロ転がる一帯

写真:Hiroko Oji

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柱頭装飾の一部も無造作に、ゴロゴロ転がった状態で、間近に見ることができます。

目を惹くハドリアヌス門

目を惹くハドリアヌス門

写真:Hiroko Oji

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アテネの中心地シンタグマ広場から、アマリアス大通りを南に向かって歩いてくると目を惹くのが「ハドリアヌスの門」。ゼウス神殿の北西隣に建っています。

「ハドリアヌスの門」は、ローマ時代の2世紀、ハドリアヌス帝のために建てられた凱旋門です。ハドリアヌスは、ローマ皇帝で「五賢帝」の一人。内政や哲学に才能がある優れた皇帝であり、優れた建築家でもあった人物で、映画『テルマエ・ロマエ』では、市村正親さんが演じていました。

目を惹くハドリアヌス門

写真:Hiroko Oji

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この門から、アーチ越しに、背後のアクロポリスを見上げるのもなかなかのものです。

ゼウス神殿からハドリアヌス門にかけては、単独チケットもありますが、アクロポリスや古代アゴラなどとの共通チケットで入場できてお得感がいっぱいです。また、冬期の日曜日や祝祭日は入場料が無料になる場合もあります(事前に現地で確かめることをお薦めします)ので、このチャンスを利用するのも良いかと思います。

ゼウス神殿の基本情報

住所:Vassilisis Olgas Ave., Athens
アクセス:アテネ地下鉄M2号線 アクロポリ(Akropoli)駅 から北東へ約400メートルで徒歩4分、シンタグマ(Syntagma)駅からは南へ徒歩10分
開場時間:8〜20時(11月〜3月は15時まで)
休業日:1月1日、3月25日、イースター日曜、5月1日、12月25日・26日

2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2006/12/26−2015/04/19 訪問

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