ヨーロッパで一番新しい国コソボってどんな国?

ヨーロッパで一番新しい国コソボってどんな国?

更新日:2017/11/28 17:32

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師
2008年に独立を宣言したコソボ共和国はヨーロッパで最も新しい国。人口約180万人、面積は岐阜県とほぼ同じ10,908平方キロの小さな国で、民族構成はアルバニア人が9割を超えています。コソボ紛争によって数十万人もの難民が生まれ、危険なイメージを持つ人がいるかも知れませんが、現在では復興も進み、古い歴史と豊かな自然に溢れた魅力的な国なのです。そんな知られざる国、コソボについて今回はご紹介します。

新型コロナウイルスの発生と感染拡大に伴い、海外渡航が難しい状況です。各種報道機関の発表や外務省、各航空会社のホームページなどで最新情報をご確認ください。(LINEトラベルjp)

首都プリシュティナ

首都プリシュティナ

写真:大竹 進

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首都プリシュティナはコソボ全人口の3分の1を占める人口約60万人の大都市です。市内にはオスマン帝国時代のモスクがある一方、社会主義時代の重厚な建物、そして現代建築と様々な時代の建築物が混ざり合っています。コソボ紛争からの復興も進み、市内では紛争時を思い起こさせるものは殆どなく、新たな歩みを続けているエネルギッシュな雰囲気が溢れた町です。

町の中心のマザー・テレサ大通りは歩行者天国になっている広々とした通りで、その北端にアルバニア民族の英雄スカンデルベグ像が堂々とした姿を見せています。

首都プリシュティナ

写真:大竹 進

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プリシュティナの旧市街にはオスマン帝国時代に建てられたモスクが幾つもありますが、その中で市内最大のモスクがファーティヒ・ジャミーアです。1461年オスマン帝国のスルタン、メフメット2世により建てられ、内部は華麗なアラベスク模様に彩られており、ドームの高さは15.5mあります。

<ファーティヒ・ジャミーアの基本情報>
住所:プリシュティナ市Ibrahim Lutfiu通り
拝観料:無料 
撮影可否:建物内部撮影可

首都プリシュティナ

写真:大竹 進

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現在のコソボはイスラム教徒のアルバニア人が90%以上を占めていますが、キリスト教徒のセルビア人も5%居住していて、モスクばかりではなく教会もあります。プリシュティナ市内には巨大なマザー・テレサ大聖堂が建設中で、外観はほぼ出来上がっています。

<マザー・テレサ大聖堂の基本情報>
住所:プリシュティナ市Rruga Justiniani通り
拝観料:無料(鐘楼に登る場合は1ユーロ)

世界遺産ヴィソキ・デチャニ修道院

世界遺産ヴィソキ・デチャニ修道院

写真:大竹 進

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コソボには「コソボの中世建造物群」として世界遺産に登録されているキリスト教の教会や修道院が4ヵ所ありますが、コソボはセルビアから独立宣言し、日本など100ヵ国以上が承認しているものの、ロシアやスペインは認めておらず、セルビアはコソボを自国内の自治州としています。そのためユネスコの世界遺産リストにはセルビアの世界遺産として登録されています。

その一つがコソボ西部のデチャニにあるヴィソキ・デチャニ修道院です。城門の様な堅固な門が出迎えてくれます。

世界遺産ヴィソキ・デチャニ修道院

写真:大竹 進

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ヴィソキ・デチャニ修道院は中世セルビア王国のステファン・ウロシュ3世デチャンスキーによって14世紀に創建され、セルビア正教会の中でも最大規模の修道院です。イスラム王朝であるオスマン帝国の時代にも大規模な略奪を免れたため保存状態は良く、1000点以上のフレスコ画が内部を飾り、手入れの行き届いた美しい緑の芝生の中に佇む大聖堂は青空によく映えています。

世界遺産ヴィソキ・デチャニ修道院

写真:大竹 進

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この修道院はビザンチン、ロマネスク、ゴシック各様式の折衷建築で、大聖堂は色合いが異なる大理石を組み合わせて建てられています。大聖堂内にはこの教会を創建したウロシュ3世の棺が置かれていますが、彼の遺骸は病気治癒の力があると信じられていて、毎週木曜日に棺の蓋を開ける儀式が行われる際には多くの信者が集まります。

<ヴィソキ・デチャニ修道院の基本情報>
拝観時間:10:00〜18:00(無休)
拝観料:無料
撮影可否:建物内部は撮影禁止
その他:修道院入場にはパスポート提示要

世界遺産ペーチ総主教修道院

世界遺産ペーチ総主教修道院

写真:大竹 進

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ヴィソキ・デチャニ修道院の北約15kmの所に世界遺産「コソボの中世建造物群」の2ヵ所目、ペーチ総主教修道院があります。修道院は町の西端に位置し、コソボでも人気の高い自然観光スポットであるルゴヴァ渓谷の入口にあります。城壁の様な高い壁に囲まれていますが、門をくぐって修道院内に入ると鮮やかな色合いの教会が出迎えてくれます。

世界遺産ペーチ総主教修道院

写真:大竹 進

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セルビア正教会の総主教座は大主教座よりも格が高く、鮮やかな外壁が印象的な修道院です。一見一つの教会に見えますが、実は3つの教会が順次増築されたもので、真中の聖使徒教会が一番古いものです。

世界遺産ペーチ総主教修道院

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修道院の創立年代は不明ですが、13世紀の中頃にはブルガリア帝国の脅威にさらされた事もあり、より安全で国の中心に近いこの場所にセルビア正教会の大主教座を移し、更に14世紀にコンスタンチノープルの総主教庁から独立した事で総主教座となったものです。

<ペーチ総主教修道院の基本情報>
拝観時間:5:00〜18:00(無休)
拝観料:2ユーロ(英語のオーディオガイド込み)
撮影可否:建物内部撮影禁止
その他:修道院入場にはパスポート提示要

世界遺産グラチャニツァ修道院

世界遺産グラチャニツァ修道院

写真:大竹 進

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コソボの首都プリシュティナの東約10kmにあるのが、世界遺産「コソボの中世建造物群」の3ヵ所目グラチャニツァ修道院。コソボはイスラム教徒が大半のアルバニア人が9割以上を占める国ですが、この修道院があるのはキリスト教徒のセルビア人が住む村に建てられています。石造りの塀で囲まれた修道院内に入ると、シンメトリーの聖堂が正面に現れます。

世界遺産グラチャニツァ修道院

写真:大竹 進

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この修道院は1321年にステファン・ウロシュ2世ミルティンにより建てられました。ウロシュ2世は妃をビザンチン帝国から迎えたためにビザンチン文化がもたらされ、グラチャニツァ修道院もビザンチン様式で建てられています。優美な弧を描く姿は、天に突き刺さる様なゴシック様式とは違い、温かみが感じられます。

世界遺産グラチャニツァ修道院

写真:大竹 進

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夕陽を浴びるグラチャニツァ修道院。外壁が赤く染まり、レンガがよりその赤味を増して輝いています。他の修道院同様、内部はフレスコ画が多数描かれていますが、何れも残念ながら撮影禁止です。

<グラチャニツァ修道院の基本情報>
拝観時間:夏期 6:00〜17:00、冬期 7:00〜15:00(無休)
拝観料:無料
撮影可否:建物内部撮影禁止

コソボで最も美しい町プリズレン

コソボで最も美しい町プリズレン

写真:大竹 進

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コソボ南部の中心都市プリズレンは、コソボで最も美しい町と言われ、オスマン帝国時代の建物が多く残っています。市街を東西に流れるビストリア川に架かる石橋と、その向こうに見えるスィナン・パシャ・ジャミーアはプリズレンを代表する絵になる光景です。

コソボで最も美しい町プリズレン

写真:大竹 進

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プリズレンの起源は古く、古代ローマの時代には既に都市として存在していました。市の東側の丘の上にはプリズレン城塞があり、市街を一望出来ます。コソボ紛争によってセルビア系住民は市街から避難したまま戻らず、現在の住民は殆どがイスラム教徒のアルバニア人になっていますが、市内にはセルビア正教会やカトリック教会も残っていて、世界遺産「コソボの中世建造物群」として登録されているレヴィシケ生神女教会もここにあります。

コソボで最も美しい町プリズレン

写真:大竹 進

プリズレンの旧市街は観光客や地元住民で賑わっていますが、シーズンになると焼き栗の屋台があちこちに出ます。焼き栗を頬張りながら市内を散策するのも良いですね。

未知の国コソボ

コソボと聞いてそれがヨーロッパにある国名であり、更にコソボが位置するおおよその場所まで判る人はかなり少数かと思います。
かつてチトー大統領によって「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、そして1つの国家」というスローガンと共に、ユーゴスラビアという多民族・多宗教の国家ががあり、その中心的存在であったセルビア共和国の自治州としてコソボは存在しました。1990年代のユーゴスラビア解体に伴って民族対立が激化し、コソボ紛争では数十万人の難民が生まれましたが、現在ではインフラ整備も進み、ホテルなども各地に建設されています。多くの民族や宗教が混ざり合い、古く複雑な歴史と豊かな自然に溢れた魅力的な国、コソボへあなたも訪れてみませんか。

2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/10/17−2017/10/18 訪問

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