必見!上海沖に浮かぶ枸杞島の緑の廃村「後頭湾村」がジブリオーラ全開

必見!上海沖に浮かぶ枸杞島の緑の廃村「後頭湾村」がジブリオーラ全開

更新日:2018/01/11 10:10

Mayumi Kawaiのプロフィール写真 Mayumi Kawai 絶景ハンター、トラベルライター、自称ミステリーハンター
おそらく日本人がほとんど知らない中国上海沖に浮かぶ枸杞(くこ)島。漁業で栄えたこの小さな島には15年前廃村となって以来、緑に飲み込まれてしまったかつての漁村「後頭湾村」が存在します。

近年、ある写真家の投稿がきっかけでSNSで拡散され一躍人気のスポットに。廃墟と苔や蔦にまみれた世界観、ジブリオーラをゾクゾク感じませんか?今回はそんな謎の廃村「後頭湾村」についてご紹介します。

謎の村「後頭湾村」のある枸杞(くこ)島とは

謎の村「後頭湾村」のある枸杞(くこ)島とは

写真:Mayumi Kawai

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中国上海沖、南東へ約100kmの海上に浮かぶジョウシ列島。その列島の一番東に位置するのが、総面積わずか5.92平方kmの島「枸杞(くこ)島」です。中国漁業の重要な要衝として位置づけられるジョウシ列島の一角を担い、古くから伝統漁とムール貝の養殖が盛んな枸杞島。画像に見える無数の白い斑点はすべてムール貝養殖用のブイなんです。

謎の村「後頭湾村」のある枸杞(くこ)島とは

提供元:flickr CC BY 2.0

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2001年、浙江省から「ムール貝の里」の称号を授かるほどムール貝の産地。そしてその水産加工業も盛んです。枸杞島は人口1万人未満の小さな島ですが、漁師村が宿泊施設やレストランを兼ね、春夏はビーチもオープンするため、中国人にとっては上海郊外にある手頃な避暑地的旅行先として人気があります。

ジブリオーラ全開!緑に覆われた廃村「後頭湾村」とは

ジブリオーラ全開!緑に覆われた廃村「後頭湾村」とは

提供元:Viaggio Routard via flickr CC BY 2.0

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この緑に飲み込まれたジブリオーラ全開の廃墟の村の名前は「後頭湾村」、枸杞島本島と橋続きの隣の島に位置します。かつてはこの村も漁業で栄え、1980年代のピーク時は人口3,000人を超え、活況に湧いた村の様子は“小台湾”と言われていました。

ジブリオーラ全開!緑に覆われた廃村「後頭湾村」とは

写真:Mayumi Kawai

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しかし、小さな入り江を囲む山の斜面に切り拓かれた村は、狭い土地で人口をカバーしきれなくなり、さらに本島からの輸送の不便さが問題視され、1990年代に行政指導により近隣地区へ移住するよう言い渡されます。段階的な移住が進み、2002年に完全無人化して正式な廃村となったのです。

ジブリオーラ全開!緑に覆われた廃村「後頭湾村」とは

写真:Mayumi Kawai

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以来、放置され続けた村は、屋根や壁が抜け落ち、ガラスは割れ、一面苔や蔦に覆われる今の姿に。おそらくこの村のある後頭湾の地形上、海上からの湿った空気の影響で草木の成長を加速させたのでしょう。

結果として、このジブリを彷彿とさせる儚くも美しくミステリアスでノスタルジーな姿に生まれ変わります。そうして時を経て中国の写真家に偶然見出され、SNSで拡散されて一躍注目され、今では“中国でもっとも美しい無人村”として島の立派な観光スポットに成長しています。

後頭湾村を観光する際の注意点

後頭湾村を観光する際の注意点

写真:Mayumi Kawai

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商機と見るやインフラ整備の素早さには定評のある中国。チケット売り場や入場ゲート、遊歩道や展望台などが急ピッチで整備されたのはさすがですが、一方で、15年以上も野ざらし状態だった家屋は老朽化が進み、村は荒れ放題、治安の悪化も懸念されています。

後頭湾村を観光する際の注意点

写真:Mayumi Kawai

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近年は枸杞島所轄の地元警察により定期的な巡回が行われているようですが、元々は廃村、この雰囲気を維持しながらどこまでどのように管理していくかは現在も調整中のようです。特にガイドツアーもないため散策は自己責任ですが、崩れた階段や家屋には十分注意が必要です。しかし相反してこの廃墟の手つかず感がまた魅力的でもあるんですよね。

廃村だけじゃない!意外に見どころ満載の枸杞島

廃村だけじゃない!意外に見どころ満載の枸杞島

写真:Mayumi Kawai

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小さな村なのでタクシーをチャーターすれば一日で島一周が可能です。ここは枸杞島随一の景勝地「山海奇観」。夕陽が抜群に美しいことで有名で、観音禅寺も隣接しています。この巨大な石碑の向こうにはムール貝養殖のブイや湾で漁をする漁船の群れなど最高の眺めが広がります。

廃村だけじゃない!意外に見どころ満載の枸杞島

写真:Mayumi Kawai

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後頭湾村のある隣島の東端には「東崖絶壁」という朝陽鑑賞の景勝地もあります。また規模は小さいですが島のビーチでは夏に海水浴やバーベキューが楽しめます。海辺の漁村では、鮮やかな船体の漁師の船や島の素朴な暮らしが垣間見れて実にのんびり風情のあるムードを味わえます。

廃村だけじゃない!意外に見どころ満載の枸杞島

写真:Mayumi Kawai

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村の風景でとても印象的だったのは、民家の壁の多くが青やピンクに統一され、鮮やかな壁画で埋め尽くされていたりと実に目ににぎやかでカラフルなのです。最近よく見かける村おこしの一環かもしれませんが、今どきの“インスタ映え”するかわいらしい島でもあります。

枸杞島へのアクセス

枸杞島へのアクセス

写真:Mayumi Kawai

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通常は上海南浦大橋長距離バスターミナルからスタートします。1日1本、早朝7時15分発の専用シャトルバスに乗り込み上海沖に浮かぶ沈家湾港を目指します。そこから枸杞島行きフェリーに乗り換え、約4時間で島に到着します。

枸杞島へのアクセス

写真:Mayumi Kawai

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バスターミナルから島までの所要はおよそ6時間。チケットはバスとフェリーの乗車券セットで、料金は118元+保険3元で合計121元(片道)です。バスやフェリーはときどき早めに発車してしまうこともあるので早めに移動しましょう。また、中国では国内であっても必ず身分証(外国人はパスポート)の提示が求められます。必ず携帯しましょうね。

今回はかなりマニアックな島のご紹介でしたが、日本から上海までは飛行機で約3時間、LCCなどの深夜早朝便で到着すれば週末弾丸旅行も可能な距離。上海グルメやショッピングもいいですが、たまには是非島でバカンスもいかがですか?

後頭湾村(枸杞島)の基本情報

住所:中国浙浙江省舟山市ジョウ山県ジョウシ枸杞島後頭湾村
入場料:大人20元
営業時間:終日(特に閉園時間はないですが日が暮れたら戻りましょう)
ベストシーズン:春〜夏(緑が多く茂る時期)
アクセス:上海南浦大橋長距離バスターミナルより7時15分発枸杞島行きバスに乗車、途中沈家湾港にて枸杞島フェリーに乗り換え。全体所要時間は約6時間。チケットはバス・フェリー代込。1日1本。

2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/10/24−2017/10/25 訪問

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