写真:浅井 みら野
地図を見る富山県の県庁所在地、富山市に隣接している滑川市。後ろには立山連峰がそびえ、幾年も変わり続けることなく町を優しく見守っています。
写真:浅井 みら野
地図を見る滑川と聞くと“ホタルイカ”を連想する人も多いはず。旬を迎える3月から5月頃までは、漁を見学できる観光船も出航するほど。ホタルイカの柔らかくて甘い味わいは、産地だからこそ堪能できる美味しさです。
写真:浅井 みら野
地図を見るしかし、ホタルイカ以外にも見どころが多いのが滑川。江戸時代には加賀藩の参勤交代でお宿をつとめるなど、宿場回廊として発展してきました。しかも、この町に訪れたのは藩主だけでなく、旅する俳諧師・松尾芭蕉も滞在していたんですよ。
栄えた街道沿いには時代ごとに重要な建物が建ち並び、今でもその姿を見ることができます。穏やかで懐かしさが感じられる景色を楽しめるのが、この町の魅力です。
写真:浅井 みら野
地図を見る滑川市内には芭蕉の句碑も見つけることができます。海際に近い“櫟原神社(いちはらじんじゃ)”もそのひとつ。敷地内には江戸時代に寄進された石燈籠が、200年の時を経ても変わらず今も立派な姿で立っています。
写真:浅井 みら野
地図を見る宿場回廊を中心に古い木造の建物が今も残り、昔の名残りが感じられます。大正時代に建設された“廣野家住宅”もそのひとつ。数奇屋造りの家屋からは、木造ならではの優しく柔らかな印象を受けます。
その隣に建つクリーム色の“廣野医院”も、昭和初期の様式が残されている建築。瓦屋根の和風と白い外壁の洋風が融合した、和洋折衷の建築物です。
写真:浅井 みら野
地図を見る廣野家住宅周辺は“橋場”と呼ばれ、江戸時代は船着き場として年貢や物資を積み下ろしていた場所。廣野家住宅は、すぐ横に川が流れていたため“四川亭”とも呼ばれていました。川では鯉が優雅に泳ぎ、優美な景色を眺められます。
写真:浅井 みら野
地図を見る重厚な観音扉が目をひく“小沢家住宅店蔵”は、明治時代後期に建てられたもの。黒漆喰で塗られた壁や土蔵造りからは、極寒の季節も耐え抜いた時代の長さが滲み出ています。
写真:浅井 みら野
地図を見る昭和の隠れ湯と呼ばれている、町の銭湯“塩湯”は鮮やかな富士山の暖簾が目印です。今は地下水ですが昔は海水を沸かし、お湯がしょっぱかったのが名前の由来。2016年に100周年を迎え、今も住民の多くがお風呂だけでなく、脱衣所での世間話を楽しみに通っています。
写真:浅井 みら野
地図を見るお湯は昔ながらのやり方で薪を使って沸かすため、温度は毎日変わるのだとか。お客さんの要望で水を入れたり、火を強めたりするとのこと。今はあまり見かけない番台で優しく話す布村さんの傍ら、常連さんの“お湯が熱いよー!”という声が響きます。
写真:浅井 みら野
地図を見る歩き疲れて小腹が減った時にぴったりな食べ物が滑川のソウルフード“どんどん焼き”。大正から昭和にかけて全国で流行った屋台飯で、今でも滑川では食べられています。
写真:浅井 みら野
地図を見る薄く敷いた小麦粉の生地に桜エビや刻み昆布を混ぜ、表面をソースでひと塗り。ソースの甘く焦げた香りが食欲をそそります。
写真:浅井 みら野
地図を見る最後は半分に折って完成。薄いまま食べるより、折って厚みを増した方が美味しいといういわれがあるのだとか。どんどん焼きは、滑川駅前の滑川ショッピングセンターで食べられます。目の前にはイートインスペースもあり、注文後に一枚一枚焼いてくれるので、アツアツ出来たてをぜひお召し上がりください。
海沿いの滑川市観光協会では市内地図や宿場回廊の見どころポイントが記載した地図などがあり、散策するのに役立ちます。市内の随所に立つ案内板も町の歴史や変移が写真つきで細かく説明され、全て読破した後はもっとこの町を好きになるはず。“静かで平和なまち”と掲げている通り、穏やかでのんびりした時間が流れる滑川。ぜひ訪れた際は、ほっと一息ついてみてはいかがでしょうか。
住所:富山県滑川市中川原410(滑川市観光協会)
電話番号:076-476-9200
アクセス:あいの風とやま鉄道滑川駅より徒歩12分
2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
浅井 みら野
イタリア生まれ、ドイツ育ちの日本人です。まだまだ知られていないけど、魅力的な土地を世界、国内問わず紹介しています。ヨーロッパ、アメリカ方面が多いですが、呼ばれればどこへでも。冬はゲレンデに出没すること…
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