知られざる奈良「鹿」の世界

知られざる奈良「鹿」の世界

更新日:2017/11/26 17:27

花月 文乃のプロフィール写真 花月 文乃 地域文化・民俗文化リサーチャー、グラフィックデザイナー、旅行ライター
奈良では古来から鹿は大切に扱われ、奈良の人たちは鹿との奇妙な共存生活を続けてきました。奈良公園にはいたるところに鹿、鹿、鹿。この鹿ですが、元はあるたった一匹の白鹿が奈良の春日の森にやってきたことから、始まります。今回は、世界でも類を見ない、人との共存生活をおくる、奈良の鹿の歴史と魅力を体感できるスポットについてご紹介します。
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神様がはるばる白鹿に乗ってやってきた!

神様がはるばる白鹿に乗ってやってきた!

提供元:写真AC

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奈良の鹿は、春日大社の神使とされます。
奈良に平城京が置かれた頃、都を守るために遠く茨城県の鹿島神宮から神様をお招きすることにしました。それが、春日大社の祭神、武甕槌命(タケミカヅチノミコト)です。
武甕槌命は、奈良へ向かうために鹿島神宮の森の一頭の白鹿を、乗り物に選びます。白鹿の背に乗った武甕槌命は、奈良への遷幸の途中、様々な伝説を残しました。

神様がはるばる白鹿に乗ってやってきた!

写真:花月 文乃

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三重県の積田(つむた)神社には、神柿という柿の木があります。白鹿に乗り、旅を続けていた武甕槌命は、一休みしようと、鞭に使っていた柿の木の枝を地面に突き刺しました。すると、その枝は神力で大地に根付いて巨木になったといいます。また、神社の鏡池は、立ち寄った武甕槌命の姿を、鏡のように映し出したことから名づけられ、鏡池の水が濁ると奈良の猿沢池の水も濁ると伝わります。

<猿沢池基本情報>
住所:奈良県奈良市登大路町49
電話番号:0742-22-0375
アクセス:近鉄奈良駅から徒歩約5分、JR奈良駅から徒歩約15分

次に、武甕槌命は、奈良の夜都伎(やとぎ)神社でも休息をとりました。神社には、白鹿が休んだ足跡と言われる「鹿の足石」があります。

<夜都伎(やとぎ)神社基本情報>
住所:奈良県天理市乙木町字宮山765
アクセス:JR 万葉まほろば線(桜井線)「長柄駅」から徒歩30分ほど

神様がはるばる白鹿に乗ってやってきた!

写真:花月 文乃

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長い旅をへて、奈良の春日についた武甕槌命は、現在の萬葉植物園近くの「鹿道(ろくどう)の辻」で白鹿から降りました。すでに夜半で足元が暗く、お供の八代尊(やしろのみこと)が道明かりにと、口から火を出すと、火は消えることなくあたりを飛びまわりました。このことから、春日山のふもとのあたりを「飛火野」といいます。「飛火野」は、現在の奈良公園の春日大社西側に位置します。

武甕槌命の乗った一匹の白鹿が、春日の森で子孫を残し、奈良の鹿達の祖先になりました。

<飛火野基本情報>
住所:奈良県奈良市春日野町160
アクセス:JR、近鉄奈良駅から「市内循環外回り」「山村町」「藤原台」行き乗車、「春日大社表参道」下車すぐ
近鉄奈良駅から東に徒歩20分
JR奈良駅から東に徒歩30分

おっとり見えるけど、野生動物。奈良公園の貴重な存在

おっとり見えるけど、野生動物。奈良公園の貴重な存在

写真:花月 文乃

自由に奈良の街を歩きまわり、人間の生活と共存している鹿ですが、実は野生動物だと知っていますか?
奈良にいる鹿の数は約1200頭。雄の鹿よりも雌の鹿の方が、比率的多く、そこには雌をめぐる野生の熾烈な戦いが繰り広げられています。雌を引き付けるのは、立派な角。角が立派なほどモテる!雄鹿は多数の雌を囲うハーレムを形成します。多い場合の数は、20頭。

おっとり見えるけど、野生動物。奈良公園の貴重な存在

写真:花月 文乃

繁殖期以外は、雄と雌は別々に10〜20頭がまとまって1日移動して過ごします。鹿たちが普段食べているのは、奈良公園の芝や木の実、木の葉など。

特に奈良の鹿は、芝を主な食料にしています。これが、他の野生の日本鹿と異なる部分です。鹿が奈良公園の芝を食べるので、芝刈りの必要いらず、鹿が食べる約2mの高さまでは、鹿が枝葉を食べるので木々が繁らず、向こうまで綺麗に見渡せるようになります。この自然にできた鹿の作った線を、ディアーラインといいます。

鹿せんべいで、鹿とコミュニケーションを取ろう!

鹿せんべいで、鹿とコミュニケーションを取ろう!

写真:花月 文乃

奈良の鹿たちとコミュニケーションをとる最強のツール、それは鹿せんべい。普段は自分たちで餌を探して食べている鹿にとっては、おやつ代わりです。

鹿せんべいで、鹿とコミュニケーションを取ろう!

写真:花月 文乃

鹿せんべいを売っているスタンドは、あちこちでみかけます。鹿せんべいの原料は、米ぬかと小麦粉。一束10枚で150円です。売上の一部は、奈良の鹿愛護協会で鹿の保護活動にあてられています。

鹿せんべいで、鹿とコミュニケーションを取ろう!

写真:花月 文乃

鹿せんべいを買うと、おやつを求めて1頭2頭と鹿が集まってきます。奈良の鹿の中には、鹿せんべいをもらう時に挨拶をする鹿もいるとか。

近年、観光客が与えたお菓子などを食べて病気になる鹿もいて、鹿を保護するために、鹿せんべい以外の餌を与えることを禁止する条例を、2018年から施行する動きがあります。鹿せんべい以外を餌付けした場合は、5万以下の過料(行政罰)が課せられる可能性があるので注意が必要です!

<奈良公園基本情報>
住所: 奈良県奈良市芝辻町543
アクセス:近鉄奈良駅から徒歩で5分

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神鹿に会いに奈良へ

神使の鹿、そして、野生の鹿とふれあうことができる奈良。その場所の一つ奈良公園の飛火野は、遠い昔、武甕槌命が茨城県の鹿島神宮から奈良に到着した際の伝説の地です。

奈良時代から、神鹿と人、神々の神話が現在も共存し生き続ける奈良へ、あなたも一度訪れてみてください。そこには、武甕槌命がお祀りされる春日大社、そして、鹿たちが時を紡いでいます。

2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/11/20 訪問

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