鹿児島市加治屋町で維新期の薩摩を知る!西郷隆盛生誕地も!

鹿児島市加治屋町で維新期の薩摩を知る!西郷隆盛生誕地も!

更新日:2020/01/16 15:58

沢原 馨のプロフィール写真 沢原 馨
鹿児島市の中心市街、甲突川の河畔に位置する加治屋町は西郷隆盛や大久保利通、さらには東郷平八郎といった偉人たちを輩出した土地柄。甲突川の河岸には「維新ふるさとの道」という緑道が整備され、歴史観光施設「維新ふるさと館」も建っています。幕末から明治維新にかけての歴史に興味のある人は必訪!西郷隆盛生誕地や「維新ふるさと館」を訪ねて、維新期の薩摩の姿に触れてみませんか。

数々の偉人たちを輩出した加治屋町を訪ねよう!

数々の偉人たちを輩出した加治屋町を訪ねよう!

写真:沢原 馨

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鹿児島市中心市街の一角、甲突川の左岸に位置する加治屋町は、明治維新の時期の歴史が大好きという方ならその名をご存知なのではないでしょうか。加治屋町は、西郷隆盛や大久保利通、西郷従道、大山巌、東郷平八郎といった錚々たる偉人たちを輩出したところなのです。

江戸時代の薩摩は、城下の居住地を「方限(ほうぎり)」、あるいは「郷(ごう)」と呼ばれる区域に分け、その区域ごとに「郷中(ごうじゅう)」を設けて子弟の教育を行っていました。先輩が後輩を教え、同輩同士で助け合う、「教師なき教育」だったそうです。武士道を第一として精神と肉体を鍛錬し、上下関係にも厳しい「郷中教育」でしたが、それがやがて多くの偉人たちを輩出することになるのです。中でも「下加治屋町郷中(現在の加治屋町付近)」は前述のような偉人たちを輩出した「方限」だったのです。

数々の偉人たちを輩出した加治屋町を訪ねよう!

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その加治屋町の甲突川の河岸に、現在は「維新ふるさとの道」と名付けられた緑道が整備されています。一角には「維新ふるさと館」という歴史観光施設が設けられ、明治維新期の薩摩の歴史や「郷中教育」についての紹介、歴史資料の展示などがなされています。幕末から明治維新にかけての歴史に興味のある人なら必訪の加治屋町なのです。

「維新ふるさと館」で楽しく学ぶ、薩摩の歴史

「維新ふるさと館」で楽しく学ぶ、薩摩の歴史

写真:沢原 馨

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まず訪ねておきたいのは「維新ふるさと館」。平成6年(1994年)にオープンした施設で、地上一階、地下一階の二つのフロアで薩摩の歴史や薩摩の生んだ偉人たちのエピソードなどを紹介し、数々の歴史資料が展示されています。ショップやカフェが併設されていますので、一休みやお土産物の購入もできますよ。

「維新ふるさと館」で楽しく学ぶ、薩摩の歴史

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展示は楽しく見学できるようにさまざまな工夫が凝らされ、堅苦しいイメージはありません。ファミリーで訪れても充分に楽しめます。歴史マニアの方なら地下フロアに展示された資料群がお勧めですが、薩摩切子なども展示されていて、もちろんマニアでなくても楽しめます。

<維新ふるさと館の基本情報>
住所:鹿児島市加治屋町23番1号
電話:099-239-7700
アクセス:鹿児島中央駅より徒歩約10分
開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
入館料:大人(高校生以上)300円/小人(小・中学生)150円

「維新ふるさとの道」の散策も楽しもう

「維新ふるさとの道」の散策も楽しもう

写真:沢原 馨

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「維新ふるさと館」を見学したら、「維新ふるさとの道」の散策を楽しみましょう。「維新ふるさとの道」は甲突川の河岸に沿って高見橋から高麗橋までの500mほどの区間に設けられた緑道です(その中央付近に「維新ふるさと館」が建っています)。緑道の中には「維新」に関するさまざまなエピソードを記したパネルが屋外展示されています。ひとつひとつ丹念に見ていくと、なかなか先に進めないのが難点かもしれません。

<維新ふるさとの道の基本情報>
住所:鹿児島県鹿児島市加治屋町
アクセス:鹿児島中央駅より徒歩約5分

「維新ふるさとの道」の散策も楽しもう

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「維新ふるさと館」のすぐ近くには江戸時代の下級武士の屋敷が復元されています。格式を重んじる座敷の間の「おもて」と、台所などの日常生活の場である「なかえ」を繋いだ構成で、ひと続きでありながら屋根は二つという「二つ家」と呼ばれる形の建物です。「維新ふるさと館」と併せて見学しておきましょう。

<維新ふるさとの道「二つ家」の基本情報>
住所:鹿児島県鹿児島市加治屋町5番
アクセス:鹿児島中央駅より徒歩約10分

「維新ふるさとの道」の散策も楽しもう

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「維新ふるさと館」の脇には甲突川を跨いで南洲橋という人道橋が架かっています。この南洲橋の中央付近から甲突川の下流側を眺めると、200mほど先で甲突川に架けられた高麗橋の姿が見えます。天候に恵まれれば、その向こうに桜島の姿が! なかなか“絵になる”風景ですよ。

ちなみに、高麗橋は平成5年(1993年)までは幕末に造られた石橋でした。今は架け替えられ、かつての高麗橋は市街地北部の「石橋記念公園」に移設保存されています。公園を訪ねてみるのもお勧めですよ。

<南洲橋の基本情報>
住所:鹿児島県鹿児島市上之園町〜加治屋町
アクセス:鹿児島中央駅より徒歩約10分

西郷隆盛や大久保利通の誕生地を訪ねてみよう

西郷隆盛や大久保利通の誕生地を訪ねてみよう

写真:沢原 馨

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加治屋町の散策では「西郷隆盛生誕の地」を訪ねるのを忘れるわけにはいきません。甲突川河畔の住宅地の一角に場所を設け、「西郷隆盛君誕生之地」碑が建っています。西郷隆盛については、ここで改めて説明する必要もないでしょう。戊辰戦争で新政府軍を率いて明治維新を主導した、薩摩の偉人です。

<西郷隆盛生誕の地の基本情報>
住所:鹿児島県鹿児島市加治屋町5番
アクセス:鹿児島中央駅より徒歩約10分

西郷隆盛や大久保利通の誕生地を訪ねてみよう

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西郷隆盛と並んで忘れてはならない薩摩の偉人が大久保利通です。西郷隆盛、木戸孝允と共に「維新の三傑」と呼ばれたりしますね。維新直後の明治政府で大蔵卿や内務卿などを歴任し、政治を主導した人物です。「維新ふるさとの道」西端部の高見橋の袂には、大久保利通の像が建っています。髭を蓄え、コートの裾を翻した凜々しい姿です。

<大久保利通像の基本情報>
住所:鹿児島県鹿児島市西千石町1番
アクセス:鹿児島中央駅より徒歩約5分

西郷隆盛や大久保利通の誕生地を訪ねてみよう

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「維新ふるさとの道」の中には「大久保利通生い立ちの地」があり(碑には「大久保利通君誕生之地」と記されています)、甲突川を渡った右岸側の一角には「大久保利通誕生地」がありますから、足を延ばしてみてもいいですね。「大久保利通誕生之地」碑は駐車場の片隅にひっそりと建っています。ちょっと気付きにくいですよ。

<大久保利通誕生地の基本情報>
住所:鹿児島県鹿児島市高麗町2番
アクセス:鹿児島中央駅より徒歩約10分

東郷平八郎、大山巌、村田新八らの生誕地も近い

東郷平八郎、大山巌、村田新八らの生誕地も近い

写真:沢原 馨

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加治屋町の中央部には鹿児島中央高校が建っているのですが、その周囲には東郷平八郎、大山巌、村田新八、井上良馨といった人たちの生誕地が点在しています。それらを巡ってみるのも薩摩の歴史観光のひとつでしょう。大山巌の生誕地は比較的大きな碑が建っているのでわかりやすいのですが、他は見つけにくいかもしれません。散策しながら探すのも楽しいものですよ。

<大山巌誕生地の基本情報>
住所:鹿児島県鹿児島市加治屋町4番
アクセス:鹿児島中央駅より徒歩約15分

東郷平八郎、大山巌、村田新八らの生誕地も近い

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村田新八は西郷隆盛を兄と慕って行動を共にした人物です。西郷が明治政府を退いて鹿児島に帰郷した後は村田も鹿児島に戻り、西南戦争でも西郷に従い、ついには自刃に果てました。鹿児島中央高校の南西側の角、「みゆき通り」に面してひっそりと「村田新八誕生之地」碑が建っています。

<村田新八誕生地の基本情報>
住所:鹿児島県鹿児島市加治屋町10番
アクセス:鹿児島中央駅より徒歩約15分

東郷平八郎、大山巌、村田新八らの生誕地も近い

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東郷平八郎の名は、歴史に興味のない人でも一度は聞いたことがあるでしょう。明治政府で海軍の要職を務め、日露戦争では連合艦隊総司令官としてロシアのバルチック艦隊に勝利した人物です。東郷は15歳の時に薩英戦争を経験、その様子を見て海軍への道を志したといいます。鹿児島中央高校の北側道路脇に「東郷平八郎君誕生之地」碑が建っています。

<東郷平八郎誕生地の基本情報>
住所:鹿児島県鹿児島市加治屋町10番
アクセス:鹿児島中央駅より徒歩約15分

加治屋町散策で薩摩の歴史に触れるひとときを

「維新ふるさと館」や「維新ふるさとの道」は、鹿児島の観光名所としては少し知名度が低いかもしれません。しかし、歴史好きの人、特に幕末から明治維新にかけての歴史に興味のある人なら、西郷隆盛や大久保利通、東郷平八郎などを輩出した「下加治屋町方限」はぜひとも訪ねてみたいところではないでしょうか。

彼らの生誕地は今では緑地の中や住宅街の一角にひっそりと碑を残すのみですが、少年期の彼らが学問や武道に励んでいた頃の薩摩の城下の姿を想像するのも、その地に実際に立ってこその楽しみですね。町を散策し、「維新ふるさと館」を見学し、維新期の薩摩の歴史に触れるひとときを過ごしてみましょう。

2020年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。

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