いざ津軽へ!日本最北の私鉄・津軽鉄道で行く、太宰治の生家「斜陽館」

| 青森県

| 旅の専門家がお届けするオリジナル旅行ガイドメディア

いざ津軽へ!日本最北の私鉄・津軽鉄道で行く、太宰治の生家「斜陽館」

いざ津軽へ!日本最北の私鉄・津軽鉄道で行く、太宰治の生家「斜陽館」

更新日:2014/02/10 15:41

青空のプロフィール写真 青空 元添乗員、旅の演出家

本州の北端に位置する津軽半島。その中央にある五所川原市は、作家・太宰治を生んだ場所として有名で、作品にも登場した豪華な生家「斜陽館」が国の重要文化財として保存されています。五所川原は大変のどかな場所で、雪深い冬場は田畑が広大な雪原に変わり、そこを日本最北の民間鉄道・津軽鉄道がストーブを乗せて走っているのです。

北のローカル線に揺られながら行く、太宰治ゆかりの場所への旅をご案内します。

津軽・五所川原の魅力と「ストーブ列車」

津軽・五所川原の魅力と「ストーブ列車」

写真:青空

地図を見る

五所川原の旅は、津軽鉄道の始発駅「津軽五所川原駅」から始まります。出発してじきに白鳥を見かける事もあると言う旧十川を渡り、雪景色の町を抜けて行くと、見渡す限りの雪原が車窓に広がります。
写真では隠れていますが天気に恵まれれば、津軽富士「岩木山」が美しくそびえる姿も見えるでしょう。写真好きも訪れるこの撮影スポットは、夏場は緑や黄金の稲穂、季節の花々など、豊かな田園風景が広がり、四季折々の景色が楽しめます。

いつ訪れてものどかで素敵な場所ですが、冬場にご案内したい理由は、なんと言っても冬限定のストーブ列車!旧国鉄から譲り受けた昭和レトロな客車には、年季の入った石炭ダルマストーブが前と後ろに一つずつ設置されており、皆ストーブを囲んでスルメを焼いたり、お酒を飲んだりと、外の寒さも何処へやらの暖まり様。軽快な津軽弁が聞こえると、北国の冬がこんなに暖かいものなんだと、なごんでしまいます。

※ストーブ列車は、冬ダイヤ期間中(12月1日〜3月31日)に一部期間を除き、1日3往復運転。
乗車券の他に300円が必要です。

太宰治の生家「斜陽館」

太宰治の生家「斜陽館」

写真:青空

地図を見る

津軽五所川原駅から30分ほど行くと、金木駅に到着します。ここで途中下車して太宰治ゆかりの金木の町を歩いてみましょう。5分ほど行くと、一際立派な入母屋造りの豪邸「斜陽館」があります。ここは太宰治の父が建てた邸宅で、中は和洋折衷のモダンな造りです。敷地面積は庭園も合わせると、およそ680坪!明治の木造建築物としても大変貴重な建物で、国の重要文化財に指定されています。

太宰治の実家は青森でも有数の大地主で、生家を見ても分かるように大富豪だったそうです。父親は貴族院議員も務めた程の家柄ですから、太宰治は相当な坊ちゃんだったのでしょう。
もっとも、太宰治自身はこの家の事を気に入ってなかったようで「苦悩の年間」の中で「この父はひどく大きい家を建てた。風情も何もないただ大きいのである」と言っています。

当時の暮らしぶりを思わせる、豪邸の内部

当時の暮らしぶりを思わせる、豪邸の内部

写真:青空

地図を見る

そんな一見ブルジョアな太宰治ですが、この家で多感な子供時代を過ごし、後の作品に大きな影響を与えます。

中へ入って驚くのが、土間の広さと部屋の数。使用人を含めて30人が暮らしたというのですから当然かもしれませんが、贅を凝らした洋間と和室が混在し、屋敷内の空気は独特。
当時は身分差によって入れる場所が段差で区切られていたそうで、広いのにどこか閉ざされた感じもします。大きな蔵には、太宰治ゆかりの品や原稿などの貴重な資料が展示され、どんな人だったのか想像が膨らみます。

桜の名所「芦野公園」と「太宰治文学碑」

桜の名所「芦野公園」と「太宰治文学碑」

写真:青空

地図を見る

せっかく金木まで来たのですから、隣駅の「芦野公園」まで足を延ばしてみましょう。
ここは桜名所100選に選ばれた景勝地。春は2200本の見事な桜が迎えてくれます。芦野湖を含む約80haの広大な敷地には、1800本もの老松が湖畔に茂り、のんびりとした景色が広がります。太宰治が幼い頃よく遊んだというこの場所に、文学碑と銅像が建てられています。

太宰治は金木の家を出たのち東京帝大へ進学します。数々の作品を生み評価をされながらも、複数の女性と心中を図り、愛人と玉川上水で入水したのは有名な話。

家柄とお金があって、才能にも恵まれ、異性に不自由しなくても、心が豊かじゃないと人は幸せになれないんだなと思わせる人です。生々しい人生がそのまま投影されたような彼の作品は、時代をこえて今も多くの若者の心を惹きつけて止みません。
命日であり誕生日でもある毎年6月19日には、この碑前で生誕祭(桜桃忌)が行われ、多くのファンが全国から集います。

津軽鉄道沿線の旅。周辺の観光ポイント

津軽鉄道沿線の旅。周辺の観光ポイント

写真:青空

地図を見る

さて、太宰関連以外の周辺のおすすめスポットをご紹介します。
津軽と言えば、まず津軽三味線ですよね。津軽三味線発祥の地、金木町にある「津軽三味線会館」では毎日迫力ある津軽三味線ライブが行われていて、郷土芸能を深く知る事ができます。「斜陽館」にほど近いので合わせて行くのにぴったりです。

また、先ほどご紹介した「芦野公園」には昭和5年に作られた旧駅舎を利用した、その名も「喫茶 駅舎」というレトロカフェがあり、情緒たっぷりの中で珈琲や食事が楽しめます。

津軽鉄道に揺られて金木へ着いたらまず「斜陽館」「津軽三味線会館」を見学し「芦野公園」へ。散策しつつ文学碑や銅像を見学したら「喫茶 駅舎」で名物・激馬かなぎカレー&美味しい珈琲タイム♪というコースはいかがでしょうか。

おわりに

津軽鉄道は、冬のストーブ列車が有名ですが、夏は風鈴列車(7月1日〜8月31日)、秋は鈴虫列車(9月1日〜10月中旬)など、季節限定の列車が走ります。
実は津軽鉄道も、赤字に苦しむ民間鉄道のひとつ。一度乗って津軽の人の優しさに触れたら、お願い廃線にならないで!と願わずにはいられません。
最果てを走る私鉄に乗って、太宰治のゆかりの地を訪ねる、文学散歩へ出かけてみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。

- PR -

条件を指定して検索

トラベルjp<たびねす>

トップページへ戻る

トラベルjpで一緒に働きませんか? 旅行ガイド編集部では運用サポートスタッフを募集中です!

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ