少年が叶えた夢!ケアンズ郊外「パロネラパーク」は見た目も想いもジブリワ―ルド

少年が叶えた夢!ケアンズ郊外「パロネラパーク」は見た目も想いもジブリワ―ルド

更新日:2019/09/12 15:13

Mayumi Kawaiのプロフィール写真 Mayumi Kawai 絶景ハンター、トラベルライター、自称ミステリーハンター
オーストラリア北東部ケアンズ郊外、世界遺産にも登録された鬱蒼と生い茂る広大な熱帯雨林のジャングルに今回ご紹介する「パロネラパーク」が存在します。

このパークは、スペインからの移民だった青年が、少年時代から強く心に思い描いていた夢の城を文字通り“自らの手で”作り上げたテーマパーク。それがジブリの世界観とも妙に重なってジブリファンにはたまらない人気のスポットになっています。

ケアンズ郊外、熱帯ジャングルに包まれた「パロネラパーク」とは

ケアンズ郊外、熱帯ジャングルに包まれた「パロネラパーク」とは

提供元:Copyright Paronella Park, 2001

http://www.paronellapark.com.au/media-paronella/do…地図を見る

クイーンズランド州ケアンズ郊外、そこには鬱蒼と生い茂る熱帯雨林のジャングルが広がっています。現在は世界遺産にも指定され自然保護区として管理されていますが、かつては囚人流刑の地にも使われたただの荒れ果てた大地でした。それが19世紀半ば頃から開拓移民らによって徐々に切り拓かれていきます。その移民の一人がパロネラパーク創設者のスペイン人ホゼ・パロネラ氏なのです。

ホゼ氏は幼い頃から自分の城を持ちたいと心に強く夢を描いていました。しかし現実はとても厳しく、彼はその夢を叶えるためオーストラリアへの移民に賭けたのです。16年という年月をかけ血のにじむ努力と苦労の末、サトウキビで一財を成し、結婚を契機にいよいよ夢への一歩を踏み出します。

ケアンズ郊外、熱帯ジャングルに包まれた「パロネラパーク」とは

写真:Mayumi Kawai

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彼は荒れ果てたこの土地を購入し、建築の知識や経験もないまま、彼自らが建設に着手します。設計図は頭の中、施工手順も独学で資材はありあわせのものという、無謀かつ大胆極まりない工事がスタートしますが、6年を費やし執念で夢の城を完成させます。そしてこの城は、第一次大戦の戦禍で疲弊した人々を癒す場として一般に開放されたのです。

ケアンズ郊外、熱帯ジャングルに包まれた「パロネラパーク」とは

写真:Mayumi Kawai

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夜ごとパーティーが開かれ盛況だったパークでしたが、1946年、不運にも大型サイクロンが直撃しパークは全壊、一度は再建を果たすも完全復活の前にホゼ氏が胃ガンに倒れ無念のまま世を去ります。彼の意志は家族に引き継がれたものの、度重なる自然災害で維持が困難になりやむなく売却、新しいオーナーの後も火災や自然災害が相次ぎ、やがて廃墟化して人々の記憶から忘れ去られていくことになります。

そうして1993年、たまたまこの地を訪れた現在のオーナー夫妻が、彼の生き方、パークの歴史に深く感銘し、夫妻が土地を買い取って再建を果たし現在に至るのです。

ホゼ氏の夢と美学が詰まったパークはまさにジブリワールド全開!

ホゼ氏の夢と美学が詰まったパークはまさにジブリワールド全開!

写真:Mayumi Kawai

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この庭園の風景、何かに似てると思いませんか?そう、ジブリ作品の「天空の城ラピュタ」に登場する空中庭園。物陰からまさにロボット兵とキツネリスが出てきそうな雰囲気ですね。

あまりにもその世界観が似ているため一部のファンからはラピュタのモデルになったのではと噂されていたのですが、スタジオジブリはこれを完全否定しています。とはいえ、この世界観を共有したいと特に日本人の観光客が急増しているそうです。

ホゼ氏の夢と美学が詰まったパークはまさにジブリワールド全開!

写真:Mayumi Kawai

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この階段はホゼ氏が資材搬入のため城づくりで最初に作った階段と言われています。上段ほど細く狭く、下段ほど末広がりのデザインとなっています。下から上を見上げる階段を美しく見せようとする彼なりのこだわりの美学が感じられます。

ホゼ氏の夢と美学が詰まったパークはまさにジブリワールド全開!

写真:Mayumi Kawai

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彼がこの地にパーク建設を決めた理由の一つでもあるミーナ滝の横には、彼が手掛けた水力発電が今も現役で稼働しています。これはクイーンズランド州初の水力発電で、これもまたホゼ氏の努力が実を結んだ偉大なる功績の一つ。パークの隅々まで彼の夢や希望、遊び心が満たされている分、この廃墟感とのギャップが余計に哀愁を感じさせているのですね。

昼とはまた違う楽しみ「ライトアップツアー」

昼とはまた違う楽しみ「ライトアップツアー」

写真:Mayumi Kawai

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パークではガイド付きのデイツアーと夜のライトアップツアーが毎日催行されています。ライトアップツアーでは「ヒストリーツアー」と称してホゼ氏の夢へのあくなき挑戦をストーリー仕立てにガイドし、彼の建築の秘密も解き明しながら園内を散策、ハイライトにライトアップされた古城を鑑賞する流れになっています。

昼とはまた違う楽しみ「ライトアップツアー」

写真:Mayumi Kawai

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暗闇に浮かび上がる古城は実に幻想的。さらに音響演出でラピュタのメロディを流してくれるためジブリテンションは最高に盛り上がります。ファンならずとも感動すること請け合いです。

パロネラパーク周辺も見どころいっぱい

パロネラパーク周辺も見どころいっぱい

写真:Mayumi Kawai

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パロネラパークのある一帯は、「クイーンズランドの湿潤熱帯地域」としてユネスコ世界遺産にも指定された広大な熱帯ジャングル。それを一望できる場所が、パークから車で約30分のところにある「マムートロピカルスカイウォーク」です。ウールヌーラン国立公園内に位置し、約2.5kmの遊歩道の先にある高さ37mの展望台からこの眺望を味わえます。

パロネラパーク周辺も見どころいっぱい

写真:Mayumi Kawai

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パークからは車で約50分、アサートン高原にある「ミラミラの滝」。「ミラミラ」とは原住民アボリジニの言葉で「水が豊富な」とか「滝」を意味し、熱帯雨林のジャングルに囲まれた落差18mの滝壺では泳ぐことも可能です。駐車場からとても近いのでお年寄り・お子様でもアクセスは簡単です。

パロネラパーク周辺も見どころいっぱい

写真:Mayumi Kawai

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パークから車で約1時間、ちょうどケアンズとの中間地点にある「カーテンフィグツリー」は、その名の通り樹の根がカーテンのように地面に垂れ下がる樹齢500年以上の圧巻の巨樹。寄生したイチジクが親木を絞め殺すことから「締め殺しのイチジク」という物騒な別名もありますが、これもまたラピュタの雰囲気ぷんぷん漂ってます。

パロネラパークへのアクセス

パロネラパークへのアクセス

写真:Mayumi Kawai

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アクセスはやはり車が便利。ケアンズから南に約100km、所要は90分程度です。道中にはサトウキビ畑やバナナのプランテーションがありますよ。ツアーの場合は、現地旅行会社もしくは日本からも各社ツアーが用意されているので詳しくは関連メモにある公式サイトの日本語ページ「日帰りツアー」をご参照ください。

オーストラリアというと乾いた大地やグレートバリアリーフのイメージが強いですが、熱帯雨林のジャングルが広がり、その中にこんなジブリワールドが広がっているなんて意外ではなかったですか?是非魅力にあふれたこの地に足を運んでみてくださいね。

パロネラパークの基本情報

住所:1671 Japoonvale Rd (Old Bruce Highway),Mena Creek,Queensland 4871, Australia
電話:+61-7-4065-0000
営業時間:9:00〜19:20(12/25クリスマスを除く)
入場料:大人 46オーストラリアドル、学生41ドル、子ども (5〜15歳)25ドル
アクセス:レンタカーの場合、ケアンズから南に約100km、所要約90分。なお、現地会社及び日本からも各種ツアーが用意されているので、詳しくは関連メモにある公式サイトの日本語ページ「日帰りツアー」をご参照ください。

2017年12月現在の情報です。最新情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/29−2016/10/30 訪問

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