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写真:政田 マリ
地図を見る竹原市忠海港からフェリーで10分ほどで到着する「大久野島」。周囲約4kmほどの瀬戸内海に浮かぶこの小島には民家はなく、島内には宿泊施設「休暇村 大久野島」があるのみ。島民はこの休暇村の関係者数十人なのに対し、野生のウサギは約700羽もいて、休暇村周辺を中心に様々な色、大きさ、耳の形をしたウサギたちが私たちを迎えてくれます。
このウサギたちは近くの小学校で飼われていた8羽から自然繁殖したもの。とても人に慣れていて、昼夜問わず人影を見れば近寄ってきてくれます。
可愛いウサギたちの歓迎が噂を呼び、「ウサギの島」や「癒しの島」として国内外問わず多くの観光客が大久野島に訪れています。
写真:政田 マリ
地図を見るそんな癒しの顔とは真逆の暗い過去がこの島にはあります。
昭和初期までの大久野島は数軒の農家が農耕をする静かな島でしたが、昭和2年に陸軍の管理下に置かれることになります。その目的は「毒ガス製造」。昭和4年から終戦まで秘密裏に作られ、機密保持のため昭和13年には島の存在自体が地図から消されたのでした。なので、大久野島が毒ガス製造の島だったことは私たち日本人でさえも知り得る機会がほとんどなかったのです。
今でも島内には当時使われていた施設が廃墟と化して存在しています。
写真:政田 マリ
地図を見る島内は周囲4km、舗装道路は3kmほどで、休暇村で借りた自転車で一周しても30分ほど、もちろん徒歩でも周れます。
休暇村前の海沿いへ出て北へ向かうとすぐに見えてくる施設跡は「三軒家毒ガス貯蔵庫跡」です。
ここでは猛毒の「イペリット」が貯蔵されていました。大きな10トンタンクがそれぞれの部屋の台座に設置され管を使ってタンク内に直接毒ガスが送り込まれていたのです。イペリットのような液体毒ガスは腐食しないように内部に鉛を貼り付けたタンクに保管しました。
各部屋の大きさを見ただけでも人間よりはるかに大きなタンクの中に猛毒ガスが多数保管されていたのが容易に想像できます。
写真:政田 マリ
地図を見る三軒家毒ガス貯蔵庫跡を過ぎ、坂道を少し上がると「北部砲台跡」があります。ここは設備が集合していて、照明所、観測所、12p速射加農砲砲台、24p加農砲砲台、砲側庫、地下兵舎(写真)・発電機関舎で構成されていました。
写真:政田 マリ
地図を見るこちらはその北部砲台跡の一角にある24p速射加農砲砲台跡です。しかし、砲台は残っておらず、砲台を置いていたと思われる跡も見当たりません。代わりにあるのは何かを支えるようなカーブを描くコンクリート台。
砲台自体は日露戦争の時に使用されていましたが、その後役割を終え撤去されたのち昭和初期に毒ガス貯蔵庫として新たにこの台座が設置されたのです。
砲台はその他に「中部砲台跡」もあり、そこには16門の大砲が据えられていましたが同じく日露戦争で役割を終えた後に取り外されて毒ガス貯蔵庫になり、鉄の砲台は第一次世界大戦の時に武器に変えられました。
写真:政田 マリ
地図を見る北部砲台跡から坂道を下り、再び海沿いへ。桟橋の手前にトンネルが見えてきます。そのトンネルを越えると時が止まったような静かな空間があります。「発電場跡」です。
毒ガスを製造する際に必要な電力を供給していた施設で、内部にはディーゼル発電機が8機設置され重油を燃料にしていました。
終戦間際にはここで風船爆弾の風船部分を膨らませたり補修したりする作業が、動員学徒の女学生によってされていました。
写真:政田 マリ
地図を見る以前はトンネルより先は立ち入ることができませんでしたが、現在は建物前まで進むことができます。窓枠は曲がり、ガラスは割れ落ち、コンクリート片も剥落が激しいため、許可なく内部へ立ち入ることは禁止されていますのでご注意ください。
「ウサギの島」「癒しの島」として平和の象徴のように捉えられている「大久野島」に未だに点在する戦争の爪痕。世界中から注目され多くの方が訪れるようになった今だからこそ、これまでの大久野島の本来の歴史も知ってほしいと島には「毒ガス資料館」もあります。 これからの平和を願い、過去の過ちを繰り返さないためにも是非立ち寄ってみてください。
また、瀬戸内海を360度見渡すことができる「展望台」からの眺め(写真)は絶景です。どこまでも続くような多島美が心を穏やかにしてくれますよ。
写真:政田 マリ
地図を見る住所:広島県竹原市忠海町大久野島
アクセス:竹原市・忠海港よりフェリーで15分、大三島・盛港よりフェリーで15分、大久野島桟橋着
2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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