伊豆の桜の里に立つ千年樹〜河津・杉桙別命神社の大クス

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伊豆の桜の里に立つ千年樹〜河津・杉桙別命神社の大クス

伊豆の桜の里に立つ千年樹〜河津・杉桙別命神社の大クス

更新日:2017/12/11 18:39

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、中級登山者、ブロガー

静岡県の河津町は、伊豆半島の南東、天城山の南麓から相模湾に及ぶ地域。早咲きの河津桜の名所として有名です。桜の他にも数多い見所は、滝や温泉地にバラ園、そして町の鎮守である杉桙別命神社。御神木は樹齢1000年を超えるという県内最大級の巨木。伊豆の桜の名所から、大迫力の巨木と、美しい河津桜の原木を合わせてご紹介します。

静岡県最大級の巨木・杉桙別命神社の大クス

静岡県最大級の巨木・杉桙別命神社の大クス

写真:大木 幹郎

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杉桙別命(スギホコワケノミコト)神社は、河津駅から少し北に位置する鎮守の杜。御神木は県内最大級の巨木である国指定天然記念物のクスノキ(楠)。推定樹齢は1000年以上の古木で、幹周りは約14.3メートル、樹高は約24メートルもの巨体(現地解説板)。姿の特徴は背が高く、幹は中腹まで根本に近い太さ。大迫力の巨樹です。

河津町の地理と観光について少し。主な観光地は、山間部で占める町域を北から南へ縦断する河津川の流域。北の天城連山から、南の河津浜の河口まで、下田街道(国道414)と県道が並走。北部の名所は、天城峠の天城随道、渓谷に滝が連続する河津七滝など。南部の名所は河津桜の並木の他に、峰温泉や谷津温泉などの温泉地、薔薇園の河津バガテル公園、今井浜の海水浴場などがあります。

静岡県最大級の巨木・杉桙別命神社の大クス

写真:大木 幹郎

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杉桙別命神社の大クス(天然記念物としての名称)が立つ場所は、本殿の向かって左奥。拝殿の前で拝礼を済ませたら、境内の奥へ進みましょう。拝殿の横から根本を囲む柵に沿って接近。やがて境内社(写真左奥)の正面では、その巨体が眼前に迫ります。

なお、境内には他にも見事なクスノキの巨木が2本あります。一之鳥居の側に立つものと、拝殿の手前に立つもので、詳細は後述します。

静岡県最大級の巨木・杉桙別命神社の大クス

写真:大木 幹郎

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境内社の前、眼前を覆う大迫力の御神木。巨体を支える大きく隆起した根本に、まず目が釘付け。根本から先細りせず中腹まで立ち昇る、岩壁のような幹は凄まじい重量感。1000年を超える時を刻んできた古木ながら、今でも力強く健全な立姿。素晴らしい威容の大クスです。

杉桙別命神社の由緒

杉桙別命神社の由緒

写真:大木 幹郎

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杉桙別命神社は、古代から信仰があったと考えられる河津の鎮守。古い文献では、延長5年(927)編纂の延喜式に名のある格式の高い社。近辺には弥生時代から平安時代にかけての姫宮遺跡があり、住居や祭祀場の跡が発掘されました。なお、古い社名は来宮(キノミヤ)神社で、今でもその名で呼ばれることがあります。

御祭神の杉桙別命は、お酒が大好きな神様とされ、神事にはお酒に関係するものがあります。10月の例祭の「どぶろく開き」では神酒が奉納され、後で参拝者にも振舞われます。12月の「鳥精進・酒精進」では、氏子の人々が6日間、鳥の肉・卵と酒を断食。この由来は、杉桙別命がお酒に酔って火難に遭った際、羽に水を含んだ鳥たちによって救われた、という故事によるもの。

杉桙別命神社の御神木は3本

杉桙別命神社の御神木は3本

写真:大木 幹郎

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杉桙別命神社では3本のクスノキの巨木と出会えます。最大のものは本殿の背後に立つ御神木、国指定天然記念物のクスノキ。残る2本は一之鳥居の側と、拝殿の手前に立つものです。

境内で最初に出会う巨木、一之鳥居の側に立つクスノキ。根本は本殿背後の御神木に迫る太さ。大きな空洞を抱えながらも元気で、木の祠のように見える神秘的な立姿の巨木です。

杉桙別命神社の御神木は3本

写真:大木 幹郎

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2本目の巨木は拝殿の向かって右手前に立つクスノキ。大きさは本殿背後の御神木と比べて約半分ですが、幹は8メートル近い太さ。幹が滑らかな曲線を描いて伸び上がった端正な立姿をしています。このように、2本のクスノキともに見事な貫禄の巨木。杉桙別命神社には、3本の御神木があるといえるでしょう。

杉桙別命神社へのアクセスでは、駐車場は近くの施設、河津観光交流館の利用が基本となります。河津観光交流館の基本情報は文末をご覧下さい。

<杉桙別命神社の基本情報>
所在地:静岡県賀茂郡河津町田中154
連絡先:0558-32-0800
駐車場:河津観光交流館に併設のものを利用
アクセス:河津駅から徒歩15分、河津観光交流館から徒歩5分

河津桜の原木と桜並木

河津桜の原木と桜並木

写真:大木 幹郎

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河津町を象徴する木は、巨木では杉桙別命神社の御神木。そして桜では町の木にも指定されている河津桜です。大木となった河津桜の原木は、今でも町の一角に残されています(神社から徒歩5分)。

河津桜は昭和30年(1955)に河津町で発見されました。その原木は発見者である飯田氏が自宅へ植栽。後の調査で新種の桜であることが判明し、オオシマザクラ(大島桜)とカンヒザクラ(寒緋桜)の自然交配種と推定。1月〜2月の早咲きで、開花期間は約1ヶ月と長く、花弁は桃の花のように濃いピンク色。2月中旬にもなれば、町は満開の河津桜で彩られます。

河津桜の原木と桜並木

写真:大木 幹郎

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河津桜はこの原木から増やされ、名所である河津川の桜並木が生まれ、県外にも広がっていきました。原木の樹齢は約60余年(2017年時点)、樹高と枝張りは約10メートル。美しき河津桜の大木。

なお、河津桜原木が立つのは個人宅のお庭のため立入出来ませんが、道路上からも十分にその姿が観賞できます。また、付近に駐車場はありません。基本的に河津観光交流館の駐車場から徒歩となります。

<河津桜の原木の基本情報>
所在地:静岡県賀茂郡河津町田中212-2
駐車場:なし(河津観光交流館の駐車場を利用)
アクセス:河津駅から徒歩20分、河津観光交流館から徒歩10分

河津桜の原木と桜並木

写真:大木 幹郎

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河津川に沿って河口から約3キロメートル続く桜並木。来宮橋から上流に峰小橋までは、両岸に美しい桜並木が続きます。ソメイヨシノやエドヒガンに先駆けて、伊豆の里に春の訪れを告げる河津桜(写真・来宮橋から上流)。

以上、杉桙別命神社の大クスのご紹介でした。河津の鎮守の杜に立つ、国指定天然記念物の御神木は県内最大級の巨木。背が高く、幹の太さは中腹まで根本と同等という、凄まじい重量感。樹齢1000年を超える風格ある古木ながら、今なお活力は衰えずに健全。素晴らしい威容の巨木です。更に境内には他にも見事な巨木が2本もあります。そして河津町は、伊豆の桜の名所。河津桜が満開を迎える2月に訪れれば、より素晴らしい旅となることでしょう。

河津観光交流館の基本情報

杉桙別命神社の近く位置する河津観光交流館。この施設は、観光案内所、売店、食堂、大きな駐車場で構成され、「道の駅」のように観光の拠点となります。なお、駐車場は「河津桜まつり」の期間中は有料となり、町内の各所に臨時駐車場(有料)が設けられます。

所在番地:静岡県賀茂郡河津町笹原72-12
電話番号:0558-32-0290
営業時間:観光案内所(8:30〜17:30)、売店(8:00〜17:00)、食堂(11:00〜15:00)
駐車料金:¥700(河津桜まつりの期間中)

<アクセス>
車・東京方面:小田原厚木道路・小田原西ICから約2時間、国道315を経由
車・静岡方面:東名高速道路・沼津ICから約1時間30分、国道414を経由
電車・河津駅:徒歩で約10分
杉桙別命神社:徒歩で約5分
河津桜の原木:徒歩で約10分

2017年12月時点の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/02/18 訪問

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