いまこそ京都・清水寺へ!清水の観音さんをもっと身近に

いまこそ京都・清水寺へ!清水の観音さんをもっと身近に

更新日:2018/03/05 14:21

けいたろうのプロフィール写真 けいたろう 旅するグルメライター
平安京遷都以前からの歴史を持ち、今も多くの観光客が訪れる清水寺。本尊の十一面千手観音菩薩は「清水の観音さん」の愛称で親しまれ、西国三十三所巡礼の16番札所でもあります。

2018年は西国三十三所巡礼草創から1300年。また清水の舞台は特徴的な素屋根に覆われ、ライトアップ時は、いつにも増して幻想的!清水寺を訪れるのに絶好のタイミングとなっています。

観音さまの慈悲の心が表現される清水寺の夜間特別拝観

観音さまの慈悲の心が表現される清水寺の夜間特別拝観

写真:けいたろう

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京都の風景を思い浮かべる時、多くの人がイメージする清水寺。清水寺では春、夏、秋の年3回の夜間特別拝観を実施。歴史ある諸堂がライトに美しく照らし出され、境内は幻想的な雰囲気に包まれます。

2018年の夜間特別拝観開催日程
春:3月9日〜18日 京都東山花灯路3月30日〜4月8日(18:00〜21:00受付終了)
夏:8月14日〜16日(千日詣り/本堂内々陣特別拝観)(18:30〜21:00受付終了)
秋:11月17日〜12月2日(17:30〜21:00受付終了)

観音さまの慈悲の心が表現される清水寺の夜間特別拝観

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清水寺の夜間特別拝観で特徴的なのが一筋の青い光。この光は千手観音菩薩の慈悲深い心を表現。空へ向け放たれる直線的な光は、普段の清水寺の印象を一変するインパクトがあります。

素屋根に覆われた清水の舞台のライトアップ

素屋根に覆われた清水の舞台のライトアップ

写真:けいたろう

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清水寺では現在「平成の大修理」を実行中。期間中は、清水の舞台が素屋根で覆われます。ライトアップ時には光で透け、いつもより幻想的に感じるでしょう。

直線的な素屋根の形状と青い光のコラボは、とても近未来的。素屋根の解体は2020年を予定されており、2018年と2019年だけの限定の美しさ。大修理期間中だけの光景で、見逃し厳禁となっています。

京都随一の名刹、清水寺

京都随一の名刹、清水寺

写真:けいたろう

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特別な姿でのライトアップが行われる清水寺は、もちろん京都を代表する名刹。修学旅行などで慌ただしく訪れたという方も多いと思います。夜間特別拝観で訪れるなら、暗くなる少し前に訪れて、じっくりと心を落ちつけながら境内を巡りましょう。

清水寺の開創は平安遷都より古く1200年近くも前の宝亀年間。坂上田村麻呂が山号でもある音羽山に鹿狩りに訪れたのがきっかけ。修行中の僧侶である賢心と出会い殺生を戒められ千手観音を造りお堂を建立。音羽の瀧の清らかな水にちなみ、清水寺と命名したといわれています。

清水坂を上った参拝者を出迎える、赤門とも呼ばれる丹塗りの楼門である仁王門。京都最大級の仁王像を安置する門には墨跡鮮やかな「清水寺」の扁額。これは三蹟の一人である藤原行成の筆と言い伝えられています。

京都随一の名刹、清水寺

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仁王門と並び参拝客を出迎える三重塔。仁王門同様、丹塗りの塔の高さは約31mで三重塔としては日本最大級。遠くから見ると勇壮な門は、近くで見ると桃山様式と呼ばれる極彩色の美しい装飾。

三重塔は嵯峨天皇から勅命を受けた葛井親王が創建。清水寺の千手観音に安産を祈願し、嵯峨天皇が無事に皇子を授かったことから、子安の塔として崇拝されています。

京都随一の名刹、清水寺

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清水寺を語る上で欠かせないのが清水の舞台。京都の街が眼下に広がり「清水の舞台から飛び降りる」という、ことわざの由来でもある大舞台。本来は本尊である千手観音菩薩に芸能を奉納する場所。能や狂言、歌舞伎などの伝統芸能が演じられてきました。

随求堂(ずいぐどう)、音羽の瀧(おとわのたき)、子安塔(こやすのとう)

随求堂(ずいぐどう)、音羽の瀧(おとわのたき)、子安塔(こやすのとう)

写真:けいたろう

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京都を代表する名刹である清水寺。ガイドブック片手に清水寺を訪れ、舞台や仁王門、三重塔を効率的に見て回り、御朱印をいただいたら「目的を達成した」と、お寺を後にする観光客も多くみられます。しかし清水寺には、ほかにも立ち寄りたい場所がまだまだあります。

清水寺の寺名の由来でもある音羽の瀧は、古くから「金色水」、「延命水」と呼ばれています。清らかに流れる3筋の澄みきった水の流れを柄杓で受けて口に含み、所願成就を祈願しましょう。

随求堂(ずいぐどう)、音羽の瀧(おとわのたき)、子安塔(こやすのとう)

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清水寺には先ほどの三重塔とは別に三重塔である子安の塔があります。清水の舞台の正面の少し奥まった場所に建っています。こちらの塔には聖武天皇が安産祈願をした千手観音を安置。無事に孝謙天皇を授かった報恩で創建されました。

随求堂(ずいぐどう)、音羽の瀧(おとわのたき)、子安塔(こやすのとう)

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境内にある随求堂(ずいぐどう)は、あらゆる者の願い求めにも、すぐ随(したが)って叶える大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)が本尊。縁結び、安産、子育ての神仏も祀られています。随求堂では母親のお腹へと回帰する胎内めぐりが体験できます。

いっさいの光がない暗闇の中。壁に巡らされた数珠を頼りに進む不安感と、その先の光にたどり着いた時の大きな喜び。生きていることを実感できる体験となるはずです。

西国三十三所巡礼の16番札所としての清水寺

西国三十三所巡礼の16番札所としての清水寺

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京都随一の名刹であり多くの人が行き交う清水寺の本尊は、千本の腕で多くの民衆を救う慈悲深い千手観音菩薩。清水寺は、観音信仰のひとつの形として33の霊場を札所として結ぶ、西国三十三所巡礼の16番札所のお寺としての顔も持っています。

日本で最も歴史の古い巡礼行の西国三十三所巡礼。養老2(718)年に観音菩薩が奈良の長谷寺を開いた徳道上人(とくどうしょうにん)に対し、人々を救うために示したと言われています。「観音菩薩は33の姿に身を変えて人々を救う」という教えが元となり「西国三十三所」と総称されるようになりました。

西国三十三所巡礼の16番札所としての清水寺

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2018年は西国三十三所巡礼の草創1300年の節目の年。限定の御朱印帳などが販売されているほか、御朱印に特別印を押印していただけます。

また普段は秘仏と随求堂に祀られている大随求菩薩。西国三十三所巡礼の草創1300年の記念として、2018年の春と秋の特別御開帳を実施。お堂内部でのご開帳は、なんと222年ぶり。大きな話題となっており、清水寺を訪れる最良のタイミングとなっています。

随求堂の特別御開帳は3月18日までと、10月5日から15日の2回。お見逃しなく。

西国三十三所巡礼の16番札所としての清水寺

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西国三十三所巡礼草創1300年記念事業。観音さまに出会う巡礼をより身近に感じてもらうため、各札所にちなんだ名物菓子を食べて、札所を巡るスイーツ巡礼も企画。

清水寺からは境内にある茶店の「滝の家」のお抹茶付き音羽おはぎなどが選ばれています。滝の家は音羽の瀧のすぐ脇。清水寺や東山散策の休憩に最適のお店です。

ゆっくりじっくりと清水寺

夜の特別拝観や西国三十三所巡礼など魅力的なイベントが開催される清水寺。定番の観光名所であることは事実ですが、じっくりと見て回るとイメージが少し変わるはず。実は母の愛や観音菩薩の慈悲に触れることができるお寺だったのです。

イベントきっかけで、ちょっと気軽に立ち寄って清水寺をもう一度、ゆっくりじっくりと清水寺を巡ってみませんか?もし修学旅行以来であれば、なおのこと。

ちなみに清水寺の宗派は、北法相宗という清水寺だけの単一宗派。どこにも属さない宗派なので、どんな宗派の人も受け入れてくれる、懐の深いお寺でもあります。

<基本情報>
住所:京都府京都市東山区清水1丁目294
電話番号:075-551-1234
アクセス:京阪電車『祇園四条』駅、阪急電車『河原町駅』下車、市バス207系統で「清水道または五条坂」から徒歩約10分
京阪電鉄『清水五条駅』から徒歩 約25分
拝観・開館時間:6:00〜18:00

2018年2月現在の情報となります。変更となる場合がありますので、公式サイトなどで最新情報を必ずご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/12/01 訪問

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