写真:いしい ひい
地図を見るブラザーフッド・ワイナリー(Brotherhood Winery)があるのは、マンハッタンから北へ車で約1時間半の、ニューヨーク州ハドソンバレーという地域。なだらかな山々が続く田園風景の中に、静かにたたずんでいます。
写真:いしい ひい
地図を見るワイナリーの創設者は、1810年にフランスから移民してきたジョン・ジャック氏(John Jaques)。ワシントンビル(Washingtonville)という町に土地を購入し、ブドウの栽培を始め、地下貯蔵室を造り、1839年に最初のワインが誕生しました。
ジャック氏の3人の息子も、兄弟で協力してワイン作りを継続。1921年から1933年まで続いた禁酒法の時代は、キリスト教の聖餐用ワインを作るなどして生き残りました。
その後経営者は変わりながらも、200年近くワインを作り続けているアメリカで最も古いワイナリーなのです。
写真:いしい ひい
地図を見るまるでお城のような石造りの古い建物も、独特な風情があります。2000年には国の歴史登録財に指定されました。
写真:いしい ひい
地図を見るブラザーフッド・ワイナリーは、“Wine Tourism”というコンセプトを提唱。大都市圏ニューヨークに近いという地の利を生かし、より多くの人々にワイナリーを訪れてもらおうと、たくさんのイベントやツアーを行っています。
初めて訪れる人には、Tour & Tastingというテイスティングつきのツアーがおススメ!一人10ドル、事前に予約する必要はなく、その場で気軽に申し込むことができますよ。
写真:いしい ひい
地図を見るツアーではまず、ブラザーフッド・ワイナリーの原点である地下のワインセラーへ。19世紀後半に人の力で掘り進んでいったという地下の倉庫は、わずかな電灯だけで照らされ、ブドウが発酵していく神秘的な香りが漂い、創業時代にタイムスリップしたような空間が広がっています。
写真:いしい ひい
地図を見る樽の中で熟成を待つワインたち。樽に書かれている文字は、ワイン種とブドウの採れた年を表します。ここではメルロー、シャルドネ、ピノ・ノワールなどさまざまな種類のワインが生産されています。
ガイドさんの知識は豊富で、お話も楽しい!
「この部屋にあるのはスパークリングワイン。厳重に品質管理されていて、僕でも鍵をもらえないので、このガラス窓から中を見てくださいね。ボトルの角度を定期的に変えながら、ここでゆっくりと熟成していくんですよ」
そんな話を聞いているうち、一本ずつ手間ひまかけて作られるワインに愛着がわいてくることでしょう。
写真:いしい ひい
地図を見るツアーの締めくくりは、お楽しみのテイスティング!スパークリングワイン、白ワイン、スペシャルワイン、赤ワイン、デザートワインの順に、5つのカテゴリーのワインを試飲することができます。それぞれのカテゴリーに3種類の選択肢があるので、選ぶ楽しみも!
ガイドさんがそれぞれのワインの特徴を説明してくれるのも興味深いですよ。
「メルローは一口めが渋くスモーキーな香りが強いので、それを嫌う人もいるけれど、ハンバーガーなど肉料理に合わせると、より料理の味を引き立てるんですよ」
「スクリューキャップのワインは熟成が止まっている。コルクのワインは呼吸していて、少しずつ熟成が続いている。でもどっちが高級というわけではありません」
など、役立つ情報も満載です。耳で聞いて舌で味わっているうちに、ワイン初心者でもワイン通の気分になれるかも!
写真:いしい ひい
地図を見るツアーとテイスティングの所要時間は約1時間半。テイスティングに使ったワイングラスはお持ち帰りできるので、これも良い記念になりますよ。これで10ドルとは、本当にお得で楽しいツアーなのです。
写真:いしい ひい
地図を見るワイン蔵に入り込んだような雰囲気のショップには日々多くのお客さんが訪れ、地元に定着しているワイナリーであることが分かります。
ショップの品揃えはとても充実しているうえ、ワイン1本の平均価格が15ドル程度と、他のワイナリーに比べてお手軽価格の商品が多いのが特徴。スパイスで香りづけしたホリデー・ワインや、ハチミツを原料とするミードなど、個性的なワインの品揃えでも有名です。
写真:いしい ひい
地図を見るテイスティングで気に入ったワインはもちろん、ニューヨークの名所がボトルにデザインされた「ニューヨーク・アイコン」というブランドのワインなどもお土産にぴったり!
ワイナリーの敷地内には、カジュアルな雰囲気のフレンチレストランVinum Cafeもあるので、ツアーの前後に優雅なランチを頂くのもいいですね。
写真:いしい ひい
地図を見るブラザーフッド・ワイナリーとあわせて、ワシントンビルの小さなダウンタウンを訪ねてみるのもおススメです。ワイナリーから徒歩10分、初代大統領ワシントンにちなんで名付けられた町の中心部には古い建物が残り、アンティークな雰囲気。
中でも1887年創設のモファット図書館(Moffat Library)は、歴史登録財にも指定されている現役の図書館。とんがり屋根の時計台や、ティファニーのステンドグラスがとても美しく保存されています。
写真:いしい ひい
地図を見る1800年代に作られたお屋敷をレストランに改装した「Bettie’s Country Kitchen」は、アットホームなサービス、地元食材を使った素朴でボリュームたっぷりの食事が魅力です。
アメリカ最古のワイナリーとワシントンビルの歴史ある街並を訪ねると、きっとワインとニューヨークの歴史に思いを馳せる印象的な旅になることでしょう。
住所:100 Brotherhood Plaza Drive, Washingtonville, NY
電話:+1-845-496-3661
営業時間:4月から12月までは、日〜金曜日11:00〜17:00、土曜日11:00〜19:00
1月から3月は、金土日のみ11:00〜17:00
2017年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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