写真:キヨコ パーマー
地図を見る小豆島の醤油造りのルーツは、塩田にあります。その昔、島では塩が盛んに造られていましたが、のちに大阪城を築城する際に石を切り出すために島を訪れた人びとによって醤油がもたらされました。小豆島は物資を運ぶ航海上の拠点だったため、醤油の材料である大豆が手に入りやすかったことや、温暖で雨の少ない気候が醤油づくりに向いていたのです。
写真:キヨコ パーマー
地図を見る島の東側には、“醤(ひしお)の郷”という醤油蔵が集まるエリアがありますが、ヤマロク醤油は郷から少し離れた住宅街にあります。道で誰かと出会ったら、笑顔で「こんにちは〜」と言い合うような、のどかな空気がただよう一画の奥にあり、蔵に近づくにつれ、どことなく醤油の甘い香りがしてきます。
写真:キヨコ パーマー
地図を見るヤマロク醤油での蔵見学は、当日、ふらっと訪ねても大丈夫。予約も必要ありません。蔵の見学は、島のあちこちでやっていますが、大抵は事前に予約が必要なことを考えると、気軽に立ち寄ることができます。
ただし、1点気をつけなければならないことがあります。それは、蔵を見学する前には、納豆を食べてはいけないということ。
蔵には、醤油の原料である、もろみの発酵を促す酵母菌や乳酸菌など、自然界に存在する菌がたくさん住み着いています。納豆菌はとても強い菌なので、他の菌たちを脅かす存在なのです。
写真:キヨコ パーマー
地図を見る蔵の中へ一歩足を踏み入れると、杉でできた巨大な木桶の大きさに圧倒されます。高さは2メートルはあるでしょうか。ひっそりとした蔵の中は、醤油の原料であるもろみの匂いが立ち込め、微生物たちが静かに息をしているのが聞こえてくるようです。
醤油、味噌、酒、みりん....など、日本の伝統的な調味料は、微生物の働きによってできる発酵調味料。古来より醸造には木桶が使われてきました。
醤油と味噌は現在でも木桶で生産しているところもありますが、それでも全体の生産量の1%にしか満たないんだとか。大量生産が進むにつれ、昔ながらの製法が消えつつあるのが現状なのです。同時に、醸造用の木桶を作れる業者も今となっては大阪に1社あるだけになってしまいました。
写真:キヨコ パーマー
地図を見る木桶の表面にびっしりと微生物が張り付いているのを、間近に見ることができます。創業当時、150年以上前から使われている木桶もあります。微生物たちの住処として時を経てきたその静かな佇まいは、神秘的な光景です。
写真:キヨコ パーマー
地図を見る約2年をかけて蔵のもろみが十分に発酵したら、いよいよ醤油が絞られます。何枚にも重ねられた布の重みで、醤油が溢れ出てきます。こうやって醤油が造られているなんて、実際に見てみないと知ることもないですね。
写真:キヨコ パーマー
地図を見る木桶だからこそ生み出される醤油の味は、まろやかで奥深い味に仕上がっています。木桶がこの世から消えてしまえば、もう木桶で醤油を造ることができなくなってしまい、本来の醤油の味も消えてしまうことになります。
今日まで受け継がれてきた、この醤油本来の味を絶やさないために、ヤマロク醤油5代目山本康夫さんは、2011年に「木桶職人復活プロジェクト」を立ち上げ、小豆島の大工さんと共に、残り1社となった木桶の会社へ弟子入りをしました。自ら醸造用の木桶作りを学び、木桶で造られる醤油の製法、その味を後の世代へ伝えていくためです。
そんな熱い想いが詰まった醤油が、どのように造られるか知りたくありませんか?私たちが世界に誇る和食の要である醤油について、ここ小豆島で、見て、聞いて、味わってみましょう!
住所:〒761-4411 香川県小豆郡小豆島町安田甲1607
電話番号:0879-82-0666
アクセス:安田上バス停より徒歩10分、または、安田バス停より徒歩20分
2017年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/28更新)
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