岐阜県関市にある「関鍛冶伝承館」は、700年におよぶ関鍛冶の技を伝える博物館で、日本刀の伝統技法について詳しく紹介しています。
館内では日本刀を中心とした伝統的な匠の技を、多くの映像や展示物で紹介。関鍛冶の歴史や刀装具などの貴重な資料のほか、関を代表する刀工、兼元・兼定の日本刀が多数展示されている刀剣展示室などがあります。
日本刀づくりにはそれぞれの専門家が欠かせません。焼きを入れた刀を本研ぎする「研師(とぎし)」、刀身の保護と刀でまわりを傷つけないようにする役割の鞘(さや)を専門に作る「鞘師(さやし)」、刀剣小道具の下地作りをする「白銀師(しろがねし)」、刀剣の柄をサメ皮などで巻く「柄巻師(つかまきし)」など、それぞれの専門家の仕事も細かく紹介しています。
きらりと光る刀剣は、美しさと厳かさをもった美術品といってもいいでしょう。いろいろな角度から眺めてみると、刀自体の形の美しさがきわだって見えます。
日本刀を間近で見る機会はなかなかないだけに、数々の名刀が並ぶ刀剣展示室は一見の価値ありです。
毎月第一日曜には、研師、鞘師、白銀師、柄巻師、外装技能師4名による実演もご覧になれます。目の前で実演しているそれぞれの技師に質問もできます。
同じく毎月第一日曜日には、刀匠による古式日本刀鍛錬の実演もあります。「関鍛冶伝承館」では、鍛錬の様子を人形にて再現してあり、実演日以外に来館した方にも、鍛錬の様子の雰囲気を味わうことができるようになっています。
「関鍛冶伝承館」の一角にある刃物塚。使わなくなった刃物、折れた刃物を供養するためのものですが、毎年「刃物供養祭」も行われており、刃物への感謝の気持ちも忘れません。
毎月第一日曜に行われる刀匠による古式日本刀鍛錬は、伝承館となりの日本刀鍛錬場で、午前10時30分、午後1時30分、午後3時の3回行われます。
日本刀鍛錬の見せ場は「むこう鎚の廻し打ち」と呼ばれ、両脇に立つ刀工の大鎚と、横座に座る刀匠の小鎚が、カンカンと鳴り響く様子がとてもリズミカル。
聞くと、小鎚はたたく大鎚の強さを指示する役割もあるとのことで、まさにリズムを刻む重要なポジション。打っては折り、折っては打つのくり返しで、不純物を取り除きながら鋼の硬さを増していく、刀づくりの重要な工程です。
飛び散る火花とリズミカルな鎚の音を、目の前で体感できるのは貴重ですよ。
<関鍛冶伝承館の基本情報>
住所:岐阜県関市南春日町9-1
電話番号:0575-23-3825
アクセス:長良川鉄道・刃物会館前駅から徒歩5分
「関鍛冶伝承館」から徒歩数分のところには、世界初の刃物総合博物館「フェザーミュージアム」があります。
日本が誇る刃物メーカー「フェザー安全剃刀株式会社」が創設した、カミソリと精密刃物を展示する刃物総合博物館が、こちらの「フェザーミュージアム」なんです。
エントランスホールでは、「ジャイアントフェザー」と呼ばれる巨大なひげ剃りが、来館者を出迎えてくれますよ。
フェザー社の歴代の製品が並ぶ「フェザーヒストリー」は、男性なら一度は見たこと、使ったことがある商品を見つけられるはず。なつかしいパッケージや、レトロ感漂う宣伝文句、当時の製品のエピソードなども見られます。
フェザー社は、カミソリだけでなく手術用の精密刃物の製作にも長けています。手術で使うさまざまなメスなどが展示され、日ごろ見ることができない医療器具まで数多く紹介されています。
見学の最後にはヒゲソリお試しスペースまで完備。男性はひげを剃らずに訪問したほうがいいかも?
フェザー製品を販売するミュージアムショップでは、ここでしか手に入らないオリジナルグッズもあります。訪問の記念に購入されてはいかがでしょう。
<フェザーミュージアムの基本情報>
住所:岐阜県関市日ノ出町1-17
電話番号:0575-22-1923
アクセス:長良川鉄道・刃物会館前駅から徒歩5分
鎌倉時代の刀づくりから始まった関市の刃物づくり。今でも古来から伝わる伝統的な技法を守り、古式日本刀鍛錬や日本刀づくりに関わる技師たちの実演を紹介するなど、伝統と歴史を伝え続けています。現在でも、国内有数の刃物メーカーが最新の刃物を作り続けている関市は、まさに、世界三大刃物産地の名にふさわしい町です。各種実演が見られる毎月第一日曜日にぜひ訪れてみてください。
2017年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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