台北のレトロスポット「好,丘」で絶品ベーグルとご当地料理を味わおう

台北のレトロスポット「好,丘」で絶品ベーグルとご当地料理を味わおう

更新日:2018/07/24 11:39

吉川 なおのプロフィール写真 吉川 なお 台湾在住ライター、元旅行会社勤務の旅行マニア
台北のランドマーク、台北101のそばに時が止まったかのようにひっそりと台湾の歴史を留める地区があります。国共内戦に敗れ台湾に逃れてきた国民党の軍人と家族が暮らした眷村(けんそん)の跡地で、現在は「四四南村(スースーナンツン)」として市民の憩いの場所となっています。
その一角にたたずむカフェ「好,丘」信義店の一番人気は自家製ベーグル。ご当地眷村料理も味わえます。

台湾の歴史を物語る場所

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写真:吉川 なお

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四四南村は台北101の足元、近代的なビルやデパートが立ち並ぶ信義区に位置しています。1948年に中国大陸から台湾に渡ってきた国民党の軍人と家族が旧日本陸軍の倉庫があったこの場所に移り住み、言語も風俗も食文化も周囲と異なる「眷村」という新しい集落を形成しました。

台湾の歴史を物語る場所

写真:吉川 なお

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中国青島(チンタオ)の聯勤四十四兵工場に所属していた人たちで構成されたため「四四南村」と呼ばれたこの眷村は、台北初の外省人の住居エリアでしたが、高度成長期を迎えて撤去が決まると、眷村文化を後世に伝えようという声が上がり、4棟の建物が保存されることになりました。

「信義公民会館及び眷村文化公園」として整備され生まれ変わった四四南村は、当時の建物に現代のものをうまく取り入れて再生され、毎週末には中央の広場で簡単市集というフリーマーケットが開催されるなど、新旧の生活場面に出会えるスポットとして人気を集めています。

Made in TAIWANを発信するカフェ

Made in TAIWANを発信するカフェ

写真:吉川 なお

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信義公民会館C館にある「好,丘」は当時の雰囲気を残しつつカジュアルにリフォームされたカフェで、中に入るとまず食材と雑貨が並ぶブースが目に入ります。店名の「好,丘」は英語のgood choiceに由来し、厳選した良い物だけを扱うというコンセプトのもと、台湾全土からセレクトされた良質なものが所狭しと並べられています。

こだわりを持って選ばれた品々は思わず手に取りたくなるものばかり。レトロ雑貨や台湾ならではの食材が多く、手軽なポストカードから台湾茶、フルーツジャムやハチミツ、調味料、オリジナル麺や台湾モルトビールなど、お土産にはもちろん、自宅用に持って帰りたいモノが揃っています。

Made in TAIWANを発信するカフェ

写真:吉川 なお

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その奥は広々としたカフェコーナー。鉄骨の天井の下には不揃いなテーブルと椅子が並び、中央にはフローリングの座敷席もあります。
昔の冷蔵庫を書庫にしたり、年季の入った家具をインテリアにするなどレトロ感を感じる内装で、不思議と落ち着く空間となっています。

自慢のベーグルは絶品!

自慢のベーグルは絶品!

写真:吉川 なお

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「好,丘」の看板メニューは、毎日店内で焼かれる自家製ベーグル。バターや牛乳、卵などを使わないヘルシーなベーグルの生地にかぼちゃやマンゴー、バナナやパイナップルなど台湾産の食材を練り込んでいるのが特徴で、成形後1晩8時間以上寝かせて十分発酵させ、翌日90度の熱湯で茹でてからオーブンで焼き上げています。発酵時間を長くすることによって外はもっちり、中はふんわりで、席でベーグルメニューをオーダーすると熱々が食べられます。

写真は「蔬菜起司コウ蛋貝果堡(野菜とチーズのフリッターベーグルサンド:300元)」。オーダーが入ってから自家製のドライトマトやパプリカ、枝豆入りのオムレツにチーズを載せて焼くので、出来上がりまで約30分弱かかりますが、アツアツベーグルと卵の相性は抜群!
フルーツが添えられたサラダも山盛りで、小菜(写真はごま豆腐)とスープも一緒に供されます。+50元で自家製デザートまたはコーヒー、+150元でドリンクを追加することもできます。

自慢のベーグルは絶品!

写真:吉川 なお

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丹精込めて作られるとびっきりおいしいベーグルは、日本にも持って帰りたいもの。テイクアウト用は毎日ローテーションで10種類以上が店頭に並びます。

どれにしようか迷ってしまう方に、2017年上半期ベスト5の耳寄り情報を。1番人気は『地瓜乳酪(サツマイモクリームチーズ):50元』で、2位は 『芋頭鹹蛋黄(塩漬け黄身とサトイモ):60元 火・木・土限定』、3位は『草莓甜乳酪(ストロベリークリームチーズ):60元 月・水・金・日限定』、4位は 『雙フン起司(ダブルチーズ):60元』。5位は 『桂花紫薯(キンモクセイ紫芋):55元』となっています。
常温なら2日間、冷凍なら1カ月保存できるので、帰国前に立ち寄って是非ご自宅でどうぞ。

名物のご当地眷村料理

名物のご当地眷村料理

写真:吉川 なお

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「好,丘」のもうひとつのお勧めは本場の眷村料理。故郷を離れた彼らの家庭料理は台湾特有の食文化として継承され、素朴な家庭の味として台湾人に親しまれています。

お得なセットメニューは「白菜獅子頭(肉団子と白菜の蒸し煮):360元」「黄豆紅焼肉(大豆と豚の醤油角煮):340元」「椒麻口水鶏(チリオイルソースの鶏蒸し):340元」「麻婆豆腐:320元」の4種類で、それぞれに青菜の入った上海風炊き込みご飯と茶碗蒸し、スープと小菜がついてきます。

写真は、蒸し鶏を冷やしてスライスしたものに豆板醤やラー油、花椒など数種類の香辛料で作ったソースを絡めて食べる「椒麻口水鶏」。想像しただけでよだれが出てしまうことから、別名「よだれ鶏」ともいわれるピリ辛料理で、かなり刺激的な味に仕上がっています。

名物のご当地眷村料理

写真:吉川 なお

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7月〜9月は特製かき氷もメニューに並びます。2016年、17年の一番人気は「メイ瑰リー枝花香冰」で、台湾中部の南投県埔里の「メイ開四度」というバラから作られたシロップと花びらがたっぷりかけられています。こちらの回りには彰化県芬園郷産の黒葉ライチで作られたライチゼリーがもりもり。72時間低温で窯焼きされ天然の甘さが引き出されたゼリーはとても濃厚な味で、バラの花びらも無農薬、化学肥料や防腐剤も使われていないので安心して食べられます。2018年はどんなかき氷がラインアップされるのか乞うご期待!

現代と過去が融合するカフェ

現代と過去が融合するカフェ

写真:吉川 なお

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眷村という台湾ならではの史跡の中で、Made in TAIWANのいいモノを発信し続ける「好,丘」は、台湾の今と昔を体現できる貴重な場所。レトロな建物の後ろには台北101がそびえ立ち、新旧がマッチする人気のシャッタースポットともなっています。

最後にお持ち帰りベーグルのおいしい食べ方をご指南。常温の場合はオーブンを200度で5分予熱後、表面に水を吹きかけて2〜3分、レンジなら小さじ1杯の水をお皿に入れ弱火で1分。冷凍の場合は1時間ほど解凍してから常温と同じ方法でチンします。熱しすぎると固くなってしまうのでご注意ください。

「好,丘」の基本情報

住所:台北市信義區松勤街54號
電話:+886-2758 - 2609
アクセス:MRT淡水信義線「台北101/世貿」駅2番出口から徒歩3分。
営業時間:10:00〜20:00 土・日:9:00〜18:30
定休日:毎月第1月曜日

※2時間の時間制限あり
※最低消費額はひとり120元。別途サービス料10%

2017年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/09/04 訪問

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