石川県加賀市・古式猟法で獲る絶品「坂網鴨」を味わう

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石川県加賀市・古式猟法で獲る絶品「坂網鴨」を味わう

石川県加賀市・古式猟法で獲る絶品「坂網鴨」を味わう

更新日:2014/02/21 14:39

二宮 うららのプロフィール写真 二宮 うらら ライター、エディター

石川県の西部、加賀には山代・山中・片山津と3つの温泉郷がある。年間を通して多くの観光客が訪れるが、特に冬ともなればカニと温泉を目当てに、多くの人でにぎわう。
しかし、あまり知られていないが、ここには冬期限定の美味がもうひとつある。
それが江戸時代より伝わる古式猟法でとらえる天然鴨だ。
今や超希少で、その味わいは驚天動地のおいしさ!!
鴨料理を目当てに、冬の加賀へぜひ出かけてみませんか。

「坂網猟」で獲るカモを知るなら、まず「片野鴨池」へ

「坂網猟」で獲るカモを知るなら、まず「片野鴨池」へ

提供元:田尻浩伸

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加賀温泉郷からほど近い加賀市大聖寺には、江戸時代から伝わるカモ猟がある。それは今や、全国でも数カ所にしか残っていない投げ網猟のひとつ「坂網猟(さかあみりょう)」。
この「坂網鴨」は、冬場3ヶ月の猟期間に、獲れるのはわずか300羽ほどという超レアな食材である。

カモが生息するのは、石川県加賀市の「片野鴨池」。湿地の保存に関する国際条約、ラムサール条約に登録された水鳥の飛来地である。
「片野鴨池」周辺で行わる「坂網猟」は、藩政時代から、水鳥と坂網猟師の均衡のとれた関係を保ちながら、湿地の生態系を損なうことなく、湿地が与えてくれる恩恵を最大限に利用してきた。そして現在、自然と共存する伝統猟は、ラムサール条約の基本理念であるワイズユース(賢明な利用)のひとつの例となっている。

「片野鴨池」には20種以上ものガンやカモの仲間がやってくる。
1984年に開館した「加賀市鴨池観察館」では、秋・冬はカモたちを間近で観察できると同時に、人と鳥、伝統文化が共存して守られてきた鴨池の歴史を知ることができる。

●加賀市鴨池観察館
0761-72-2200
石川県加賀市片野町子2-1
9:00〜17:00
入館料:大人310円、75歳以上150円、高校生以下無料

飛ぶカモに網を投げてとらえる古式猟法の「坂網猟」

飛ぶカモに網を投げてとらえる古式猟法の「坂網猟」

提供元:田尻浩伸

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「坂網猟」は元禄年間、前田家において武士の鍛錬として奨励された、カモと人間一対一の真剣勝負。明治24年になって民間に許され、2014年現在、この伝統を受け継ぐ坂網猟師は26人だけだ。
猟師は坂場と呼ばれる、鴨池周辺の高台で猟を行う。道具は長さ3.5メートルほどのY字型の網のみ。

日没寸前、鴨池にはグワグワ、ガアガアと水鳥の声が響きわたり、にわかに騒然となる。その直後、カモたちは池から近くの田んぼへ、落穂などのエサを求めていっせいに飛び立つ。
猟師は、この瞬間を待ち、腰を低くしてひっそりと身構える。五感を研ぎ澄まし、サワ・サワ・サワという羽音を頼りに、空飛ぶカモをめがけて坂網を投げ上げるのだ。

「上空10〜12メートルが射程内。かいな(腕)の力のある人なら14メートルは投げ上げられる」と語るのは大聖寺捕鴨猟区協同組合理事長の池田氏。

禁猟種のトモエガモはやり過ごし、マガモのみを狙う。
カモが小編隊を組み、池から飛ぶのは15〜20分間ほど。しかも猟師の頭上を飛ぶのは一瞬のこと。
ベテラン猟師といえども、そうそう捕れるものではない。
だからこそ希少で、この地に足を運ばなければ食べることができない。

※一般的に猟を見学することはできません

「坂網鴨」を食べるとナンバリングされた認定書がもらえる

「坂網鴨」を食べるとナンバリングされた認定書がもらえる

提供元:加賀市環境課

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「坂網網」でとらえたカモがなぜ美味なのか?
その理由は以下の3点。
1.銃などを使わず、無傷で捕獲するので、肉に余分な血が回らず臭みが発生しない。
2.落穂などの穀類を主食とした野生カモで、肉と脂のバランスがよく独特の旨みがある。
3.エサを食べに行く直前に捕獲するため、お腹が空っぽ。内臓からの腐敗がない。

猟期は例年11月半ば〜2月半ばまで。「坂網鴨」料理は3月下旬まで食べることができる。
現在「坂網鴨」が食べられるのは加賀市大聖寺で2軒のみ。
また「坂網鴨」を食べると、フランスのグランメゾン「トゥールダルジャン」の鴨料理に似て、番号と捕獲年月日が記された認定証がもらえる。

「坂網鴨」を加賀の伝統料理「治部煮」をベースにした鴨鍋で味わう

「坂網鴨」を加賀の伝統料理「治部煮」をベースにした鴨鍋で味わう

提供元:加賀市環境課

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加賀大聖寺には、坂網猟で獲ったつがいの鴨を結婚式の引出物にするなど、鴨を活かした食文化がある。
伝統的な食べ方が、鴨肉に小麦粉や片栗粉をまぶして、とろりと仕上げる治部煮。この料理を元に、地元料亭では「鴨治部鍋」「鴨じぶすき」などの鴨鍋が供されている。

「料亭 やまぎし」の「鴨じぶすき」では、カモの骨と昆布でとっただし汁を沸騰させ、カモ肉に小麦粉をまぶして煮、取り皿によそったらワサビをといていただく。ハクサイやセリなどの地野菜、すだれ麩なども一緒に煮て食べる。
その他、鴨串焼き、鴨治部煮、鴨燻製などの食べ方も。
コースならさまざまな部位、味わいが楽しめる。

「坂網鴨」は肉質のきめが細かく、脂身に甘さがあり、臭みがない。
カモを食べ慣れていない人にもおいしく感じるはずだ。

「坂網鴨」が食べられる店(予約が望ましい)

●加賀料理 ばん亭
0761-73-0141
石川県加賀市大聖寺東町4-11
コースで5,575円〜

●料亭 山ぎし
0120-311770
石川県加賀市大聖寺東町2-24
コースで4,200円〜

カニもいいけどカモもいい。冬の加賀はグルメ天国

温泉と美食の組み合わせは、旅の至福そのもの。
加賀「橋立港」で揚がるズワイガニは、冬のグルメの花形だが、「坂網鴨」もカニに負けず劣らず魅力的な食材だ。
どちらも今や希少で、超がつく高級食材。

冬の加賀で、江戸時代より350年続く古式猟法でとらえる「坂網鴨」を、ぜひ味わってみよう!!

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/02/12−2013/02/13 訪問

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