中央自動車道 河口湖ICからすぐ。富士山の5合目まで繋がる道路、富士スバルライン沿いにあるのが、山梨県の「富士山世界遺産センター」です。
もともと観光案内やお土産屋さんがあった富士ビジターセンター(現在の北館)に、本格的な富士山の展示を行う南館を新設。2016年6月に「富士山世界遺産センター」としてリニューアルオープンしました。入館料は北館が無料、南館が大人1人420円です。
まず目を引くのが、北館と南館の間にあるシンボルマーク。こちらは、今回、総合ディレクションを行った、日本の名だたるグラフィックデザイナー佐藤卓氏の作品です。シンボルマークを支えるゴツゴツした岩は、なんと富士山の溶岩です。実はこの岩、この建物を造成する時に出てきた溶岩を、そのままモニュメントとして使ったのだとか。
富士山は、美しいだけじゃなく、荒々しさもあるんだな…という意外な一面に気付くはず。
「富士山世界遺産センター」は情報収集の目的だけでなく、本物の富士山ビュースポットとしても最高です。すっきり晴れた日には、南館2Fに立ち寄ってみましょう。ちょうどここから富士山を真正面に眺めることができます。
午前中だと富士山に日が当たるため、雪が白く山肌も真っ青にみえます。一方、午後になると山肌の青が薄くなり、(太陽が反射しないので)雪の表情までしっかり見ることができるんですよ。このように立ち寄る時間帯によって、富士山はぜんぜん違う表情を見せてくれます。
南館の横には、オシャレな写真が撮れる「羽のフォトスポット」があります。1人で撮るなら、ジャンプして撮ると天使っぽくなります。カップルの方なら、後ろから彼にギュッとしてもらうと、思いきりラブリーなショットになりますよ。
羽の左手にはチュートリアル的な写真もあるので、探してみては。ポーズの参考になるかもしれません。
いよいよ、館内に入っていきましょう。今回は南館メインでご紹介してきます。
南館で来館者を迎えるのは「富士山ゲート」。鳥居を模した門になっています。神聖なる山、富士山らしいデザインですよね。でも、あえて100%鳥居ではなく横が2本→1本になっている特徴があります。そして、「富士山ゲート」の先を辿っていくと、本物の富士山がそびえているんですよ!
入り口に飾られているのは、2013年6月22日に世界遺産に登録された富士山の「世界遺産登録証」です。ただし、こちらはユネスコが発行した複製品(本物は1枚しかないので外務省が保管しています)。でも、ちゃんとナンバリングがされていて、「富士山世界遺産センター」にあるのは10番目になります。南館入り口付近にあるので、お見逃しなく。
「富士山ゲート」を進むと2Fに到着。一番の目玉は、富士山を1000分の1スケールで再現したシンボルオブジェ「冨嶽三六〇」です。2Fは回廊になっていますので、大きな富士山を見ながら、回廊をぐるっと周ってみましょう。
「冨嶽三六〇」とは、白い和紙を張り巡らせ、色々な方向から光を当てることで、様々な表情の富士山を疑似体験できる新感覚の展示。館内は撮影可能なので、好きな表情の富士山を撮りましょう。シャッターチャンスは、白い雪をいただいた青い山肌のシーン。これぞ、富士山!という姿を撮影できますよ。
この展示は世界に認められ、2017年に「COOL JAPAN AWARD」を受賞しました。
回路を歩いていくと、富士山を紹介する巨大スクリーンが登場します。映像は約8分間。オブジェの光が映像と連動して、富士山を取り巻く世界を様々な角度から体験できるんです!
シンボルオブジェと対をなすシンボル絵画が、「富士北麓参詣曼荼羅(ふじほくろくさんけいまんだら)」。描いたのは、日本を代表する現代美術の画家、山口晃氏です。実は、この画を見るためだけに来館する人もいるほど、人気の画家なんですよ!
この作品は、山口氏自ら富士山に登ったり、富士山周辺の集落に足を運び、2年をかけて完成させたものです。夏の黒い富士山が描かれていて、黄色く見えるのは町の明かり。昔の世界と今の世界がリンクして描かれており、石垣しかないはずの甲府城に天守閣が描かれている点も注目してほしいポイントです。
2Fはまだイントロダクション!1Fは、さらにディープな展示が置かれています。
こちらは、新幹線並みのスピード(時速200km以上)で、山頂まで一気に駆け上がっていく映像。山梨県側の登山道(吉田口登山道)or静岡県側の登山道から自由に選ぶことができ、疑似登山体験できます。
吉田口登山道コースを選ぶと、麓の0合目から頂上まで登る体験ができます。距離にして約20km。人間の足だと頂上まで10時間以上かかるところ、ものの5分で体験できます。
猛スピードで目指すは頂上!…頂上付近では、溶岩が敷き詰められていた荒れ果てた大地が延々と続きます。辛い思いをして登山をすることもなく、1歩も動かずにして富士登山が体験できるなんて、不思議。あなたもバーチャル初登頂、してみませんか?
床面は地図になっていて、富士山の頂上を中心に直径1000kmの距離が表示されています。ここに来たら、頂上部に立ち、少し離れた場所から写真を撮ってみましょう。立体的なトリック写真を撮ることができます。
「信仰の対象・富士山コーナー」では、富士山の信仰をもつ人 富士講(ふじこう)がどのように富士山に登ったのかを人形で展示。江戸を出発して、約5日間で富士山の山頂まで登る様子を表しています。
日本一の高さを誇る気高い山、富士山。ここでは、いにしえの人々が、その美しい姿に神様や仏様の姿を重ね合わせてきた、というのがよく分かります。
展示ガイドアプリ「ふじめぐり」をダウンロードすると、展示がよりいっそう楽しくなります。
まずオススメなのが、拡張現実で楽しめるAR。例えば、富士山に一番初めに登ったといわれる聖徳太子の人形付近で、マークを読み込むと、タブレット上に聖徳太子が出現!動いたり、おしゃべりします。
さらに展示をツアー形式で巡ることもできます。ブルートゥースをオンにしてツアーを巡ると…松岡修造さんの音声ガイドを聞くことができます!日本一熱い男が、日本一高い山の案内をするなんて、面白いですよね。
※タブレットをお持ちでない方は、無料で借りることもできます。
せっかくなら、人生に一度は、富士山頂上の景色を見てみたいもの。ここなら、その夢が叶います。「富士山登拝体験」コーナーでは、富士山の頂上、つまり日本最高標高地点3776kmの火口部から、富士山の峰々を眺めることができます。
正面の壁には、富士山の頂上でしか見ることができない3つの絶景を再現!それがこちら。
1.富士山から拝む朝日、ご来光
2.雲海
3.御来迎(ごらいごう)…ブロッケン現象で自分の影が霧などに写り仏様にみえること
たとえ頂上に登ったとしても、この絶景を3つ同時に見ることはできません。それを堪能できるなんて、驚きです!
「富士山センゲン」コーナーでは、来館の証をコメントで残すことができます。何を書いたら良いか迷ったら、富士山の想いや旅の感想を書くといいでしょう。
どこから来たのか県名を選択すると、背景の絵が47都道府県それぞれ違っている点もユニーク。コメントを書くと、「富士山世界遺産センター」のホームページ上の「富士山センゲン」ページに即あがります。自分のコメントだけでなく、世界中の人が残したコメントも見ることできますので、自宅に帰ったらチェックしてみて!
富士山のあらゆる情報をぎっしり詰め込んだ山梨の「富士山世界遺産センター」。あなたも富士山の意外な一面を垣間見る旅に出かけてみませんか?
住所:山梨県南都留郡富士河口湖町船津6663-1(旧富士ビジターセンター)
電話番号:0555-72-0259
アクセス:河口湖駅から「鳴沢・精進湖・本栖湖周遊バス」にのり、「富士山世界遺産センター」下車すぐ。
営業時間:4月1日〜6月30日 8時30分〜17時00分
7月1日〜9月30日 8時30分〜18時00分
10月1日〜3月31日 8時30分〜17時00分
定休日:北館は年中無休ですが、南館は毎月第4火曜日が休館になります。
2017年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
取材協力:富士山世界遺産センター
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(2024/3/19更新)
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