横浜駅から徒歩5分!原鉄道模型博物館で職人の技を間近で目にしよう!!

横浜駅から徒歩5分!原鉄道模型博物館で職人の技を間近で目にしよう!!

更新日:2018/01/29 09:57

鉄道模型という狭く深い趣味の中にも、世界的に有名なファンが存在します。その1人が、日本の原信太郎(はら のぶたろう)氏。そんな彼が2012年7月に原鉄道模型博物館をオープンいたしました。館内には貴重かつ膨大なコレクションを展示しており、場所は駅から徒歩5分ほどのみなとみらい地区、横浜三井ビルディングの中にあります。

原信太郎氏とはどのような人物か?

原信太郎氏とはどのような人物か?
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原鉄道模型博物館。ここには原信太郎氏が生涯をかけて集めた鉄道模型車両、およそ2500両が収蔵されています。しかも、「1番ゲージ」という軌間45mm、縮尺1/32という現在主に販売されている模型よりも大型であるために、数字以上に膨大なスケールです。素材から自らの手で作られた模型と、国内外で購入された模型が展示されています。展示品の中には、歴史的に貴重で、製造メーカーにすら完全に存在しないものも含まれ、質量とも世界最大級というのはあながち誇張ではありません。それらの模型を世に出した原信太郎氏とは、いったいどのような人だったのでしょうか?

原信太郎氏は1919年に東京で生まれました。小学生の時にはすでに鉄道マニアとしての活動が始まっていて、東京から大阪までのひとり旅を体験したという逸話が残っているくらいです。日本だけでなく、世界各国の鉄道を見てまわり、カメラや映写機を駆使した当時の写真、映像は歴史的資料としても価値あるものになっています。蒐集家としても本業の機械開発の傍ら、鉄道模型を自作したり、オークションで貴重な製品を購入したりして、現在の膨大なコレクションを構成することになりました。原氏は今なお存命で、今後も鉄道マニアとしての活躍は続くことになるでしょう。

自作した模型の中に込められているこだわりを見る

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そのコレクションの量だけでなく、質も一級品であることにも触れなければなりません。

展示されているのは昔走っていた食堂車。リアルな外観にとどまらず、乗客の姿まで模型の中に作り込まれています。近づいて観察してみると、原氏の技術力の高さに驚かされます。写真でじっくりご覧ください。テーブルの花まで再現されていることがおわかりでしょうか?

その技術力は、自走する模型車両になると更に冴え渡ります。鉄道車両には歴史的に個性的な仕組みが取り入れられることがありますが、そこまで模型で再現し、外観だけでなく、構造上もリアルに作り込み、しかも安定して走行可能な作品は、手作業による高度な技なしでは作ることができません。原氏はそのために、模型の部品のひとつである歯車を自作してしまうほど。ちなみに、市販の鉄道模型車両でもここまで再現しているものはなく、それを買った人が手作りで味を加えているので、そこにものを作る楽しみを見いだす人が存在することになります。

原鉄道模型博物館には、原氏の作業場を再現したコーナーがあります。つまり、ここからあの膨大な質量を誇る作品群が生まれたわけですね。当時は昭和の前半、金属加工がメインであり、それらを作ったいわゆる「男の仕事部屋」を伺うことができます。

面積が世界最大級のジオラマの魅力を倍増させる見方を伝授

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原鉄道模型博物館の最大の売りは、「いちばんテツモパーク」という巨大なジオラマ。世界最大級の大きさを誇る大パノラマを、古今東西の鉄道車両が走行する様は、壮大さだけではなく、忘れかけていた童心を取り戻す効果もありそうです。

ここで、ジオラマの見方を説明しましょう。
立った状態で上から眺めてもその大きさに圧倒されますが、ジオラマの高さは、椅子の腰掛けてちょうどよい高さに設定されています。この状態で目線をジオラマの建造物と同じくらいの高さまで下げてみると……、実際の走行音まで聞こえるかのような迫力と、作り込まれた建築物の精密さに、模型職人の魂を感じます。さらに目線を下げて、レールと同一にすると、本物の鉄道を見ているような錯覚になり、走行している車両の細かいところまでがどのくらい精密にできているかに、改めて驚くことになります。ともあれ、ポイントは、「目線を低く」で、これで大ジオラマが倍くらい楽しくなります。

豆知識をひとつ。
この大ジオラマで使われているレールはすべて鉄製です。現在の鉄道模型では、真鍮や白銅などの銅製品が主流で、鉄はこれらの金属に比べて錆びやすいという欠点を持っています。にもかかわらず、敢えて鉄のレールにこだわるのは、本物の列車が走る走行音に近づけるためと書くと、原鉄道模型博物館全体のこだわりを理解できるのではないでしょうか?

横浜桜木町付近を再現したジオラマも必見!!

横浜桜木町付近を再現したジオラマも必見!!
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実は横浜は鉄道発祥の地。現在のJR桜木町駅はその終点となった場所であり、それを再現したジオラマが、原鉄道模型博物館にはあります。こちらは、いちばんテツモパークと比べるとかなり小さいHOゲージ、軌間16.5mm、縮尺1/80です。日本でも愛好者が多く、世界的には主流となっているゲージです。

こちらのジオラマは、桜木町駅近辺を再現しています。周辺の過去と未来を同居させたようなイメージで、関内のオフィス街の古い建築物から中華街までが精密に作られています。実は、現在、桜木町駅のバスターミナルがあるあたりは、昔は貨物列車の操車場だったのですが、この付近は現代のみなとみらい地区を再現したものとなっています。ここを走る列車も、現代の製法で作られたものとはいえ精密感満載。視点を低くし、顔を近づけると更に小さいながらも凝った作りに驚くことでしょう。

このジオラマでは、昼と夜が再現されていて、5分ごとに切り替わります。出来のよいジオラマは、暗い場所で見ても、建物の明かりが灯る造りになっているので、景色の変化を味わうためには、最低15分は見てください。

営業時間:10:00〜17:00(最終入館 16:30)
休館日:毎週火曜日
入館料:大人¥1,000 中学・高校生¥700 小人4歳以上(¥500)

原鉄道模型博物館のもっともっとすごいところ

ここで主力として展示されている1番ゲージの車両は、全国各地にある鉄道関連博物館の模型と同じサイズで、これらが実際に動いている博物館の中では世界でも最も充実している場所のひとつといえるでしょう。鉄道模型のメーカーとしてはドイツのメルクリンが有名かつ歴史も長く、過去には様々な製品を製造していましたが、そのメーカーにも存在しない、それも良好な状態で展示されているところからも、この博物館が日本でも唯一無二であることを感じます。また本物の鉄道の部品も展示されていて、原氏の鉄道に対する深い造詣を感じることができるでしょう。また、原氏が海外旅行をした際のフィルムが上映されている時間帯があるので、鉄道のみならず、20世紀前半の海外の映像を見たい方にとっても嬉しい場所になるのです。
なお、ミュージアムショップとして、あの天賞堂のお店が入っています……、と、鉄道模型ファンには聞き逃せない情報も、さらっと書いておきましょう。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/01/26 訪問

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