東京・水道橋「三崎稲荷神社」で“旅の安全”を祈願!狛犬愛好家必見の狛犬も

東京・水道橋「三崎稲荷神社」で“旅の安全”を祈願!狛犬愛好家必見の狛犬も

更新日:2018/01/10 15:52

井伊 たびをのプロフィール写真 井伊 たびを 社寺ナビゲーター、狛犬愛好家
三代将軍家光は、参勤交代の制度を定めた時に自らも「三崎稲荷神社」を参拝。諸藩の大名にも参拝を促した。よって、参勤交代で江戸入りの時、諸大名は必ずこちらに参拝し、心身を祓い清めた。以来、「清めの稲荷」と呼ばれ、旅の安全にご利益があるとされてきた。明治に入ってもその風習は引継がれ、大隈重信も海外旅行に先立って参拝している。参勤交代がジャンボジェットに変わっても、旅の安全を祈る人の心に変わりない。


東京駅から15分足らずで訪れることができる

東京駅から15分足らずで訪れることができる

写真:井伊 たびを

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東京都千代田区にある「三崎稲荷神社(みさきいなりじんじゃ)」は、JR中央・総武線あるいは、都営三田線の“水道橋駅”から歩いて2分程度で、東京駅からだと15分足らずで訪れることのできるアクセス抜群の神社だ。その創建時期は、800余年前の寿永元年(1182年)に、武蔵国豊島郡三崎村の鎮守の社として、創祀されたと伝えられてはいるが明確ではない。ちなみに、ここ“三崎町界隈”は、かつて日比谷入り江に突き出した岬だった。そのため、「三崎村」と呼ばれるようになったとされる。

東京駅から15分足らずで訪れることができる

写真:井伊 たびを

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氏神社の社号は「三崎稲荷神社」であるが、「金刀比羅神社(こんぴらじんじゃ)」を合祀しているため、「三崎神社(みさきじんじゃ)」と通称されている。慶長8年(1603年)2月、徳川家康による潮入り地埋め立て工事にあたり、社地を西三丁に奉遷された。その後、万治2年(1659年)に、江戸城外濠神田川筋の掘割工事のため、現三崎町二丁目北部に奉遷。再び、万延元年(1860年)には、幕府講武所開設のため、旧水道橋西際に再遷座し、甲武鉄道(現・JR中央線)が万世橋まで延長されるのに伴い、明治38年(1905年)現在地に鎮座した。

東京駅から15分足らずで訪れることができる

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手水舎では趣深い“苔生す水盤”が迎えてくれる。その奥は岩山風になっており、狐やミニサイズの狛犬に心が和む。これは、当社の細やかな心遣いなのだろう。

三代将軍家光も参拝した拝殿

三代将軍家光も参拝した拝殿

写真:井伊 たびを

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ご祭神は、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)・素盞嗚尊(すさのおのみこと)・大市姫神(おおいちひめのかみ)・大物主神(おおものぬしのかみ)の四柱である。ご利益としては、「旅行安全」「合格祈願」「商売繁盛」などがある。

都心の神社らしく、境内はさほど大きくはないが、神社本来の持つべき、密度の濃い厳粛な雰囲気に満ちた“稲荷神社”である。それは、大都会・東京にあっても、緑豊富な空間にゆっくりとした時が流れ、癒しの空気が満ちているからだ。たび重なる遷座に遭っても、現存しているのは「三崎稲荷神社」の有する“ご神徳”の賜物だろう。

三代将軍家光も参拝した拝殿

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ここ「三崎稲荷神社」は、三代将軍家光が、参勤交代の制度を定めたとき家光自ら参拝し、諸大名にも参拝を促したとされている。それがきっかけで諸大名は参勤交代による江戸入りの際、必ず当社に参拝し心身を祓い清めることが慣例となった。よって、「清めの稲荷」と称された由緒ある神社である。現在でも「交通安全」や、「旅行の安全」のご利益があるとされ、オフィス街にもかかわらず、朝から多くの参拝者が訪れている。

「お砂守り」には、「旅行安全」のご利益がある

「お砂守り」には、「旅行安全」のご利益がある

写真:井伊 たびを

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昔から“清めの稲荷”と誉多き当社には、大隈重信が海外へ渡航する際、“旅の安全を祈願する”ため参拝したとする記録も残っている。また、境内で購入することができる「お砂守り」は、明治時代に南極探検隊が南極へ行く際、携帯し無事に帰還することができたという、ご利益があった。以来、「旅行安全の神様」として、より一層知られるようになった。

昭和生まれの若き狛犬たちが護りを固めている

昭和生まれの若き狛犬たちが護りを固めている

写真:井伊 たびを

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拝殿の前には江戸系狛犬一対がおり、神社をあらゆる邪気から護っている。豊かな表情で、空を見上げる臨場感あふれる狛犬たち。おそらく、手がけた石工自慢の逸品だろう。残念ながら、植込みの木の枝に隠れて、一般参拝者なら見過ごしがちだろうが、狛犬愛好家にはファンが多い狛犬たちだ。比較的に若く、昭和31年(1956年)に奉納されている。ところで、もしもあなたが“狛犬愛好家”なら、拝殿内にいる“神殿狛犬”も、見逃さないことだろう。

昭和生まれの若き狛犬たちが護りを固めている

写真:井伊 たびを

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右側を固める阿像の狛犬は、毬を踏みつけ空に向かって、なにかを語りかけているようだ!

昭和生まれの若き狛犬たちが護りを固めている

写真:井伊 たびを

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一方、吽像の狛犬は、わかりづらいが“子獅子”を踏みつけている。阿吽像とも生命の息吹を感じさせる、その“眼力の迫力”に圧倒される“芸術作品”でもある。

百度石に絵馬!?さらにフクロウ!?

百度石に絵馬!?さらにフクロウ!?

写真:井伊 たびを

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百度石に絵馬が結び付けられている珍しい光景である。その絵馬にも百度石の絵が描かれている。そもそも百度石とは、病気平癒などの祈願をしながら、本堂と百度石を往復する“お百度参り”の標識のこと。一方、絵馬は生きた馬を奉納する代用品として始まった風習。強力なダブル祈願である。

百度石に絵馬!?さらにフクロウ!?

写真:井伊 たびを

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百度石の傍らには“フクロウ”がいる。もともと、梟は苦労を除き福を呼び込む神様とされ、“不苦労の福”を呼ぶ神とか、“知恵の神様”ともいわれ崇敬されている。さらには、梟は首が360度回ることから、“商売が上手くいく!”と、商売繁盛の神様ともされている。フクロウ様にも、お参りをお忘れなく!

三崎稲荷神社の基本情報

住所:東京都千代田区三崎町2-9-12
電話番号:03-3261-1849
アクセス:JR中央・総武線あるいは、都営三田線の「水道橋駅」から歩いて2分

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/01/02 訪問

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