中国勝山駅方面から見ると、ウッドストリートと名づけられた槍舞台通りがあります。木造の柱が並ぶ全国的にも珍しい通り。
この通りが意味するものは、勝山が木材の町として有名なことにあります。木の香りが漂ってきそうな通りを歩いて、大きな太鼓が頭上にある辺りでほぼ中間。さらに進み、左折すると町並み保存地区の白壁が目に飛び込んできます。
岡山の美しい白壁は、倉敷の美観地区だけではありません。二百年以上の歴史がある勝山の通り。町並み保存地区は旧出雲街道に面しています。白壁が並ぶ町並みは美しく、さすがは三浦藩二万三千石の城下町で、出雲街道沿いに栄えた雰囲気が十分に残されています。
通りはどこを見てもお見事。また、郷土資料館もありますので、勝山をより深く知るために入ってみるのもお勧めです。
御前酒の蔵元。この風景は保存地区の中でも一際美しい場所と言えるかも知れません。
旧出雲街道としての歴史を有する通りですが、古民家群を挟んで反対に流れるのが高瀬川。ここに歴史の古さを見ることが出来ます。
川辺に広がる石畳。これは高瀬川を上り下りする船のために作られたもの。船が重要な交通手段であったことを物語っているのです。
近隣の様々な品物が勝山に集まり、それを高瀬舟を利用して向かう先は岡山であり、現在の岡山城と後楽園がある辺りまでを往来していたのです。そして特に貢米は、岡山から大阪にまで運ばれたのです。
高瀬川の船着場は複数個所存在していましたが、今でも跡地が残されています。岡山まで要した日数は下り2日、そして戻りが逆流となることから4日。大正13年に中央勝山駅に鉄道が通るまでは往来が続いていたのであり、町並み保存地区を彩る重要な場所と言えるのです。
きれいな暖簾の下がる「KEN工房」は、町並み保存地区の中はどにありますので中に入ってみましょう。とても気さくな店長さんは、15年ほど前に岡山県倉敷市から引っ越してきたそうです。なぜなら、勝山の雰囲気に惚れ込んでしまったから!
店内は店長さん手作りのステンドグラスのライトをはじめ、和紙のクラフト、様々な工芸作家による小物類がたくさん並んでおり、素敵な品物がきっと見つかるはず。
明治に建てられた古い建物で、電球色をうまく使った優しく暖かな雰囲気で皆様をお待ちしています。
なお、同じ真庭市の神庭(かんば)の滝近くにあり工芸品を扱うカフェが姉妹店。コーヒーが美味しいことでも知られていますので、時間のある方はそちらにも足を運んでみて下さい。
「おみやげの杉履物」を正面に見て、左の神橋から写真手前方向が旧出雲街道となります。方角として大雲寺、明徳寺側へ。まず注目して欲しいのは杉履物の前の道標。風景に溶け込んでいてあまり気にかけない人が多いのですが、ここには歴史が刻まれています。
嘉永5年(1852年)の道標は二つに折れた跡が。これは台風による増水で流された時に壊れ、上部は長い間行方不明でした。しかし後に偶然発見されて、元の形に復元されたものなのです。
道標に刻まれた「右京大坂往来、南 左雲伯往来」の文字を見て、多くの人が歩を進めた重要な目印ですので思いをはせてみてはいかがでしょうか。
そして「おみやげの杉履物」では、かわいい履物が販売されています。また、お土産品としても喜ばれる牛蒡煎餅やスイーツ類も多く扱っていますので、旅の記念にぜひどうぞ。
なお、店頭にある暖簾ですが、そのデザインは何を意味しているのでしょう。ぜひお店の方に直接聞いてみて下さい。意味が分かれば旅の楽しさが一層増すかも知れません。
住所:岡山県真庭市勝山
電話:0867-44-2120(勝山観光協会)
2018年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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