現美新幹線がリニューアル!これが世界最速美術館の楽しみ方だ

現美新幹線がリニューアル!これが世界最速美術館の楽しみ方だ

更新日:2018/04/23 16:17

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、物語ツーリズムライター、青春18きっぷ伝道師
最高時速210キロで駆け抜ける列車がまるごと美術館?そんな世界唯一の新幹線があるのをご存知ですか?それは上越新幹線の越後湯沢〜新潟間を運行するJR東日本の現美新幹線。

その斬新な外観と気鋭のアーティストによる作品で埋め尽くされた車内はまさに世界最速の芸術劇場。この列車を見ると誰もがスマホのシャッターを切ってしまう、という最強のインスタ映え列車が、2018年春より装いも新たにリニューアルしました!

自由席に乗れる?現美新幹線は上越新幹線「とき」として運行

自由席に乗れる?現美新幹線は上越新幹線「とき」として運行

写真:風祭 哲哉

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2016年4月にデビューした「現美(げんび)新幹線」の「現美」とは「現代美術」の略。定期列車ではありませんが、上越新幹線の越後湯沢〜新潟間を「とき」号の臨時列車として週末を中心に1日3往復運行しています。「とき」号なので区間内の新幹線各駅に停まり、所要時間は約1時間弱となっています。

自由席に乗れる?現美新幹線は上越新幹線「とき」として運行

写真:風祭 哲哉

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現美新幹線は新幹線用車両の「E3系」を改造した6両編成で運行していますが、この列車の特徴は、6両のうちの5両が自由席なので、気軽にぶらっと乗れること。もちろん全区間を乗り通すこともできますし、お好きな区間だけに乗車することも可能です。料金は通常の新幹線自由席料金と同じで、追加料金等は一切必要ないところもうれしいですね。

自由席に乗れる?現美新幹線は上越新幹線「とき」として運行

写真:風祭 哲哉

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自由席といってもそこは走る美術館。普通の新幹線のような前向きの5列シートではなく、ソファー席だったり、カフェ席だったり、カーペット席だったりしますので、座席数は少なめですが、車内は自由に移動することができます。指定席も1両ついていますので、事前に予約をして乗車することもできます。

またJR東日本のパッケージツアー「びゅう」では現美新幹線を利用した宿泊付きの商品や東京からの往復もセットになった日帰り商品もあるので便利です。

現美新幹線の圧巻の外観は蜷川実花さんの作品

現美新幹線の圧巻の外観は蜷川実花さんの作品

写真:風祭 哲哉

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現美新幹線のエクステリア(外装)は、写真家・映画監督である蜷川実花さんの作品。蜷川さんが写した長岡花火の写真が、現美新幹線の6両編成の全体を覆いつくしています。

現美新幹線の圧巻の外観は蜷川実花さんの作品

写真:風祭 哲哉

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長岡花火は上越新幹線の沿線で行われる「日本三大花火」のひとつとして有名です。その長岡花火の華やかな大輪が、真っ黒な新幹線の側面を赤や青、そして緑など、様々な色に染め上げています。

現美新幹線の圧巻の外観は蜷川実花さんの作品

写真:風祭 哲哉

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ご覧の通り、この外観、相当なインパクトがあります。新幹線のホームにこの列車が滑り込んでくると、初めてこの現美新幹線を見た人のほとんどがスマホのカメラを向けてパチリ。圧倒的なインスタ映え列車であると言えます。

また、この列車は臨時列車の「とき号」として運行していますので、何も知らずに「とき」に乗るつもりでやってきたお客さんが、ホームに停車している現美新幹線を目の前にしてびっくりしている姿も見られますが、大丈夫です、乗れますよ!

現美新幹線はインテリアもすべてアート作品

現美新幹線はインテリアもすべてアート作品

写真:風祭 哲哉

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現美新幹線の11号車、唯一の指定席車両の内装を担当したのはアーティストの松本尚さん。「五穀豊穣」「祝祭」「光」をコンセプトイメージとして新幹線座席がそのままアートワークとなっています。この明るい黄色の座席が、トンネルに入ると……その先は、乗ってのお楽しみ。

現美新幹線はインテリアもすべてアート作品

写真:風祭 哲哉

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12号車のインテリアは、アーティスト小牟田悠介さんの担当。窓に背を向けソファーに座ると、目の前には一面に貼られた鏡面ステンレスが。
そこに映し出されるのは、窓の向こうに流れる緑の山々やどこまでも青い空。風そよぐ黄金の稲穂や音ひとつしない白銀の世界が、まるで絵巻物のように流れていくのです。

現美新幹線はインテリアもすべてアート作品

写真:風祭 哲哉

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13号車はキッズスペースとカフェスペース。キッズスペースのインテリア担当はアートユニットのparamodel(パラモデル)さん。壁面にはプラレールの線路をモチーフにして、青と白で地図を描くようパターンが展開され、山を模したオブジェが配されています。
それもそのはず、この車両は子どもたちが靴を脱いでカーペットの上に乗ってプラレールで遊べるようになっているんですよ。

現美新幹線には新潟にまつわるアートも

現美新幹線には新潟にまつわるアートも

写真:風祭 哲哉

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14号車は写真アーティストである石川直樹さんのフォトギャラリー。アートサイドでは石川さんが撮影した新潟の四季折々の写真が、車窓サイドでは新潟の四季折々の風景が、両方楽しめる車両です。この写真は2018年のリニューアルで新しく入れ替わりました。

現美新幹線には新潟にまつわるアートも

写真:風祭 哲哉

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15号車にあるのは一風変わったアート作品で、担当アーティストは荒神明香さん。この作品は壁の片側全体を使った大きなものですが、固定されずに釣り下がった状態で展示されているため新幹線の揺れにあわせてゆらゆらと揺れるのが特徴です。

現美新幹線には新潟にまつわるアートも

写真:風祭 哲哉

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16号車のアートは2018年春のリニューアルで全面入れ替えとなったもの。担当アーチストはAKI INOMATAさんとなり、3Dプリンターで作った透明な殻を、ヤドカリが着ける様子を撮影した映像作品などが車内5つのモニターで上映されています。

現美新幹線のカフェでは新潟の味が

現美新幹線のカフェでは新潟の味が

写真:風祭 哲哉

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現美新幹線の13号車にはカフェがあり、新潟ゆかりのスイーツやカフェメニュー、アルコール飲料が楽しめます。カフェに隣接して小さなテーブル席がありますが、もちろん座席へのテイクアウトも可能です。また沿線の燕三条にちなんで、スプーンやタンブラーなど洋食器の現美新幹線オリジナルグッズも販売しています。

現美新幹線のカフェでは新潟の味が

写真:風祭 哲哉

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「カフェ」メニューは、菓子研究家の「いがらしろみ」氏が監修の「十日町すこやかファクトリー」で製造したスイーツや、新潟県燕市の人気店、ツバメコーヒーなどの「新潟の味」が用意されています。

このカフェメニューにも新たなスイーツが仲間入り。新潟名物の笹団子をアレンジしたケーキと新潟産ニンジンを使ったケーキが新たなラインナップに加わりました。

現美新幹線のカフェでは新潟の味が

写真:風祭 哲哉

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このカフェスペースのアートも新しくなりました。カフェのインテリアアーチストは古武家賢太郎さんで従来と変わりませんが、現美新幹線の走る道、旧「三国街道」を中心とした上越の風景を表現した作品がリニューアルされて、旅の時間をより楽しく過ごしていただける空間となっています。

現美新幹線の基本情報

運行区間:上越新幹線 新潟駅〜越後湯沢駅
運転日:土曜・日曜・祝日(ただしGW・お盆・年末年始等は除きます)

現美新幹線をホームで偶然発見して、急いでスマホで写真を撮ってインスタへアップするのもいいのですが、これだけ中身の濃い列車ですから、ぜひ実際に乗車してじっくりインスタ用のネタを仕込みましょう。万一、偶然発見して発作的に飛び乗ってしまっても自由席があるので大丈夫!

ただしご覧の通り、現美新幹線は1編成がまるまる芸術劇場。新潟から越後湯沢まで全区間に乗っても1時間弱なので、車内をめぐっているうちにあっという間に到着してしまう、なんてことも。そんなときは列車が始発駅に入線してから発車するまでの間、ホームに停車している時間を有効に使って、ぜひ最強のインスタ映え列車にチャレンジしてみてくださいね!

2018年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/04/14 訪問

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