写真:結月 ここあ
地図を見る岐阜県白川村の白川郷は近年まで陸の孤島といわれるほど辺境の地。昔から厳しい風土に耐え、自然からの恩恵を活かし大自然と共生をしてきました。
その風土に生きた先人の知恵を集めた合掌造りが、建築物としての高い評価を受けて、1995年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
写真:結月 ここあ
地図を見る白川郷に着いたらまずは、荻町の集落を一望できる展望台へと行きましょう。展望台は城山天守閣展望台と荻町城跡展望台があって、どちらからでも合掌造りの集落を一望できるビュースポットです。
現在荻町には、114棟の合掌造り家屋が残されています。合掌造り家屋の向きは、雪深いことから雪が解けるように太陽の動きに合わせて東から西向きに建てられています。茅葺の屋根は切妻造りで、屋根は豪雪による雪下ろしや、水はけも考えられた45度〜60度の傾斜となり、手を合わせたように見えることから合掌造りといわれています。屋根の葺き替えは、多くの人力もいるため、片側だけでもなんと1000万円も掛かるそうです。
写真:結月 ここあ
地図を見る展望台から眺めた後は、合掌造りの内部見学がおススメ。荻町には何か所か内部見学ができる家屋がありますが、今回ご紹介する「長瀬家」は総面積約600坪、5階建ての建物は白川郷最大級です。
明治23年完成した合掌造りは、約11メートルの一本柱が、屋根の勾配の上から下まで貫き大きな屋根を作っています。柱材には、樹齢150年以上の天然檜などを使い3年かかったそうです。
写真:結月 ここあ
地図を見る玄関をあがると囲炉裏があり、 立ち上がる煙が建物の防虫や防腐効果を高めるといわれています。
写真:結月 ここあ
地図を見る260年あまり続く長瀬家は初代から三代目までは漢方医で、三代目は加賀藩の藩医でした。1階奥には500年以上前の作といわれる仏壇があり、中には立派な阿弥陀如来さまが安置されています。
写真:結月 ここあ
地図を見る前田家の引き立てもあり、蔵一棟を譲り受けたことで、代々の当主が使用していた薬箱や、三菱財閥の創業者一族の岩崎家から頂いた懐中時計など、貴重な美術工芸品が保存され、惜しげもなく展示されています。
写真:結月 ここあ
地図を見る祝祭事に用いられた、九段重ね朱塗り杯と片口。
写真:結月 ここあ
地図を見る天皇家の菊の紋が入った器や急須など。それはそれは素晴らしいものばかり。
写真:結月 ここあ
地図を見る2階は使用人の部屋、3〜4階は養蚕の作業場、5階は薬草の干し場となっています。山仕事で使われたのこぎりや木槌など、什器や生活用具が当時のまま残されています。
写真:結月 ここあ
地図を見る合掌造りの建築材を見ると、木製のくさびや、ねそ(まんさく)などが使われ、 金属のかすがいや釘は使われていません。これが年月とともに、さらに強度を増すといわれています。この風土だからこその知恵なんですね。
平成13年に長瀬家は、80年振りに葺き替えが行われました。村人や全国のボランティアが500人以上が集まり、平均家屋の約2倍、片面1万2千束の萱を使った大規模なものでした。
人の手なしには維持できない合掌の家が建ち並ぶこの地は、助け合い・支え合う心・人と人とを結び合う絆が、結という相互扶助の精神とともに生き続けています。
写真:結月 ここあ
地図を見る内部見学の後は集落内を散策しましょう。NHKのゆく年くる年のロケ地になった明善寺や、白川八幡宮内には村の伝統行事を紹介するどぶろく祭りの館など、見所もいろいろ。このようにインスタ映えする撮影スポットもありますよ。
住所:岐阜県大野郡白川村荻町823−2
電話番号:05769−6−1047
入館時間:9時〜17時まで
入館料:300円
アクセス:
高山駅・高山濃尾バスセンターから濃尾バスまたは北鉄バスで50分
名古屋駅・名鉄バスセンターから岐阜バスで2時間53分。
白川郷のバス停から徒歩10分
2018年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/15更新)
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