写真:下川 尚子
地図を見るルミナリエ鑑賞のノウハウ的なことを知る前に、心に刻んでおきたいこと。それは、ルミナリエの始まりのお話です。
神戸ルミナリエが始まったのは1995年、阪神淡路大震災の年です。震災で壊滅的な被害を受けた神戸において、犠牲になった方々への追悼と鎮魂を祈って始まったのがこのイベント。また、神戸の街の復興を祈念し、震災後遠のいてしまった観光客にふたたび神戸へ足を運んでもらえるように、との意義も込められていました。
震災からすでに20年以上が経過しましたが、毎年冬には、ルミナリエの光が神戸の街を照らしてきました。神戸の復興を思いながら、その「希望の灯」を眺めてください。
暗い空にぱっと浮かび上がる、温かい光。この温かな色彩は白熱電球で作られたもので、ルミナリエの大きな特徴のひとつでした(写真は2013年のもの)。21回目の開催となる2015年より、LED電球を100%使用。また新しいルミナリエへと変わっていますので、「行ったことがある」という方も、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。
写真:下川 尚子
地図を見るでは、具体的なガイドに入ります。ルミナリエは、神戸の旧居留地から三宮にかけての「仲町通」に設置されたルミナリエの入口「フロントーネ」、光の回廊「ガレリア」、ゴール地点の三宮「東遊園地公園」にぐるりと円形に設置された「スパッリエーラ」などにより構成されます。写真は、ガレリアを歩いていく途中の光景です。
旧居留地がスタートといっても、順路はJR・阪神「元町駅」から始まりますので、電車でお越しの方は元町駅で下車しましょう。ここから旧居留地まで順路に従って歩いた先に、ルミナリエのスタート地点があります。ゴールは三宮の東遊園地。時間的に夕食を取る方も多いと思いますが、ルミナリエ前に食事をするなら元町周辺、後なら三宮周辺がスムーズで良いですね。ルミナリエ期間中は非常に混雑しますので、計画やお店の予約は怠りなく!
また、この順路には基本的にトイレがありません。混雑時は抜けるまで2〜3時間かかることもありますので、先に済ませておきましょう。
写真:下川 尚子
地図を見る神戸ルミナリエを訪れる際にオススメの時間ですが、まず、夜空にぱっと明かりがともる点灯時はとてもきれいですので、「オススメ時間」のひとつです。
ですが、一番オススメしたいのは「消灯まで一時間を切ってから」の時間。非常に混雑するルミナリエですが、この時間は休日でも比較的、人が少ないからです。
通常、元町駅から東遊園地まで行列に並びながら歩くと1〜2時間かかってしまうことが多いです。混雑時は3時間近くかかってしまうことも。ですが、終了間際になると30分程度で通り抜けることができます(もちろん、混雑具合は日によって異なりますが)。
時短なだけでなく、ピークタイムとは違って人が少ないので、比較的ゆったりとした気分で歩けるのも、良い点です。ただ、あまりに間際になると少しあわただしいので、遅くても消灯40分前くらいには順路に入りたいですね。なお、消灯時間は曜日によって異なりますので、あらかじめチェックしておきましょう。
写真:下川 尚子
地図を見るルミナリエを見たい、でも行列に並んでまではちょっと・・・という方のために、穴場スポットをひとつご紹介しておきましょう。穴場というには少々有名になってしまった感がありますが、ルミナリエのゴール、東遊園地近くにある神戸市庁舎です。ここの24階には無料で開放されている展望ロビーがあり、ルミナリエを上空から見ることが可能です。
ルミナリエ期間中、混雑していることも多いですが、順路にしたがって進むよりはお手軽に見ることができます。写真は、この展望ロビーから撮影した「スパッリエーラ」。上から見ると、また少し印象が変わりますね。
写真:下川 尚子
地図を見るルミナリエ期間中は、神戸の中心地は一年で一番にぎわう時期かもしれません。最後に、オススメのホテルについても少し紹介してみましょう。
まず、ルミナリエ鑑賞を第一に考えるなら、エリアから近い旧居留地や元町周辺が便利です。たとえば、旧居留地の「オリエンタルホテル」。神戸らしいレトロモダンなテイストが人気のホテルです。立地的にはまさにルミナリエの入口に位置しますので、鑑賞には便利なのがオススメの理由です。ただ、混雑するエリアまっただなかですので、ゆったり滞在したいという方にはちょっとオススメ度は下がります。
もうひとつのおすすめエリアは、ハーバーランドやメリケンパーク周辺のベイエリア。ルミナリエ会場までは少し距離がありますが、この周辺では神戸らしいベイエリアの夜景や、この時期ならではのイルミネーションが多く見られます。ルミナリエ以外の場所も観光したい、という方には特にオススメです。「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」や「ホテルオークラ」など有名ホテルをはじめ、いくつかのホテルが点在しています。
最後に、期間中「最もオススメ」の鑑賞時間、それは「最終日の消灯時」。例年、最終日の消灯時には「消灯式」が行われるからです。
これは儀礼隊によって行われる小さな儀式です。ルミナリエ会場に鎮魂の歌が流れ、その後、阪神淡路大震災の犠牲者の御霊に対して敬礼。その後、消灯となります。地元でもそれほど知られていない短い式ですが、ルミナリエの意義を噛みしめ、犠牲者の鎮魂と神戸の復興を願う、そんな特別な時間です。ぜひ一度、参加していただければと思います。
また、ルミナリエはその始まりの意義から、「無料」で誰もが訪れることができるイベントとなっています。ただ、大がかりな警備体制や資金面などを考えると、毎年開催し続けることがどれだけ困難なことであるか、想像に難くありません。ルミナリエ会場を訪れてみると、寄付の呼びかけを目にすると思いますので、鑑賞したあとはぜひ協力しましょう!
神戸の冬の風物詩として定着し、知名度も全国区となっているルミナリエ。この灯が、この先も毎年神戸で見られるように、筆者も願ってやみません。
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この記事を書いたナビゲーター
下川 尚子
兵庫県出身。2013年より2年間群馬に住み、現在は横浜在住。趣味は、食べ歩きとスポーツ観戦。小さな夢は、家族で北海道スノーボードに行くこと。そして、老後の目標は、四国八十八か所踏破です。夫が転勤族のた…
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