歴史遺産としての魅力も見過ごすな!横浜「赤レンガ倉庫」

歴史遺産としての魅力も見過ごすな!横浜「赤レンガ倉庫」

更新日:2018/01/12 12:01

沢原 馨のプロフィール写真 沢原 馨
「赤レンガ倉庫」は横浜の有名な観光名所。横浜を訪れたら必ず立ち寄りたいスポットのひとつですね。倉庫の中にはお洒落なお店が並び、中央の広場ではさまざまなイベントが頻繁に開催され、常に多くの人たちで賑わっています。しかし、「赤レンガ倉庫」の魅力はそれだけではありませんよ。「赤レンガ倉庫」は貴重な歴史遺産。つい見過ごしがちな「赤レンガ倉庫」の魅力の数々、じっくりと堪能しましょう。

「赤レンガ倉庫」は建物そのものが一番の魅力

「赤レンガ倉庫」は建物そのものが一番の魅力

写真:沢原 馨

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現在は観光名所になっていて、内部にはカフェやショップが入っている「赤レンガ倉庫」ですが、そもそもは明治末期から大正初期にかけての時期に港湾設備として建てられたもので、近代港湾としての横浜を象徴する施設でした。昭和初期まで横浜税関の施設として使われ、生糸貿易を担ったのです。

赤レンガ倉庫を設計したのは当時の大蔵省臨時建築部で、この時の部長を務めていたのが妻木頼黄(よりなか)。横浜正金銀行(現在の神奈川県立歴史博物館)や東京都北区の旧醸造試験所第一工場(現在の赤レンガ酒造工場)などの設計で知られる人物です。

「赤レンガ倉庫」は建物そのものが一番の魅力

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戦後も倉庫などとして使われていましたが、平成元年(1989年)に役目を終えました。現在の形で再出発したのが平成14年(2002年)のこと。横浜の歴史的建築物である赤レンガ倉庫を保存、活用して、新たな観光名所として生まれ変わったわけですね。

赤レンガ倉庫は、その建物自体がいちばんの“見どころ”と言っていいでしょう。その姿は歴史を感じさせて堂々とした印象です。当時の建築物や横浜の歴史に興味のある人はもちろんのこと、そうでなくても赤レンガ倉庫の建物をじっくりと見ておきたいものです。

「赤レンガ倉庫」は建物そのものが一番の魅力

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場所によっては赤レンガ倉庫の向こうにランドマークタワーの上部が重なって見えるところがあります。赤レンガ倉庫とランドマークタワー、歴史的建築物と現代の高層ビルとの競演はなかなか“絵になる”風景ですよ。

のんびりとした臨港公園としての赤レンガパークの魅力

のんびりとした臨港公園としての赤レンガパークの魅力

写真:沢原 馨

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赤レンガ倉庫の周辺は「赤レンガパーク」という公園として整備されています。岸壁近くに立てば、東側には大さん橋が間近に見え、その向こうにはベイブリッジの姿も見えています。目の前に広がる横浜港の風景を眺めながら、潮風に吹かれてのんびりと過ごすのはいいものですよ。

のんびりとした臨港公園としての赤レンガパークの魅力

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大さん橋に客船が接岸していれば、その姿も赤レンガパークからよく見えます。客船が海に浮かぶ姿を見るなら、大さん橋より赤レンガパークからの方がお勧めですよ。美しい客船の姿にカメラを向ける人の姿も多く見かけます。

のんびりとした臨港公園としての赤レンガパークの魅力

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赤レンガパークの北側には海上保安庁の施設がありますので、接岸している巡視船などの姿を見ることもできるかもしれません。その精悍な姿はマニアでなくても見入ってしまいますね。

「旧税関事務所遺構」に昔日の赤レンガ倉庫を偲ぶ

「旧税関事務所遺構」に昔日の赤レンガ倉庫を偲ぶ

写真:沢原 馨

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大正12年(1923年)に発生した関東大震災は横浜にも甚大な被害をもたらし、港湾施設も被災しました。二棟の赤レンガ倉庫は昭和初期に復旧しましたが、規模が縮小されました。東側の倉庫が西側のものに比べて小さいのはそのためなのですね。

倉庫の西側には大正3年(1914年)に建てられた税関事務所がありましたが、関東大震災で焼失、こちらは復旧されることはありませんでした。その遺構が赤レンガパーク整備の際に発見され、現在は花壇として使われながら保存されています。遺構を見学し、港湾施設の昔日の姿に思いを馳せたいものです。

「旧税関事務所遺構」に昔日の赤レンガ倉庫を偲ぶ

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税関事務所の遺構の横手には旧横浜港駅プラットホームが復元されています。パークの片隅にひっそりと置かれていて、見学する人もあまり多くはありませんが、往時は外国航路の客船を利用する人たちで賑わったプラットホームでした。復元されたホームに立って、当時の賑わいを想像してみましょう。

赤レンガパークから見る「みなとみらい」と「横浜三塔」

赤レンガパークから見る「みなとみらい」と「横浜三塔」

写真:沢原 馨

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赤レンガパーク内で海に背を向けて西を向けば、ランドマークタワーやクイーンズスクエア、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルなどのビル群の姿もよく見えます。それぞれに特徴的な形をしたビルが並んで、美しい都市景観を織り成しています。それらの建物がきれいに並ぶ景観を楽しめるところは意外に少ないのですが、赤レンガパークはお勧めのところですよ。

赤レンガパークから見る「みなとみらい」と「横浜三塔」

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赤レンガパーク内の東端部辺りには「横浜三塔」を一望できる場所があります。「横浜三塔」とは神奈川県庁本庁舎の塔屋(通称「キング」)と横浜税関庁舎の塔(通称「クイーン」)、横浜市開港記念会館の塔(通称「ジャック」)の三塔のこと。この三塔がすべて一度に視界に入る場所は数えるほどしかありません。その一つが、赤レンガパーク内にあるのです。

赤レンガパークから見る「みなとみらい」と「横浜三塔」

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目の前には象の鼻パークが横たわり、その向こう、手前右側に「クイーンの塔」、左側少し奥まって「キングの塔」、中央、ビルの隙間に小さく「ジャックの塔」を見ることができます。昔は海上からも三塔の姿がよく見え、その姿を見ると船乗りたちは「あぁ、横浜に来たな」と思ったものだそうですよ。その気分をちょっとだけ味わってみましょう。

海からのアクセスも楽しいよ!周辺にも足を延ばそう!

海からのアクセスも楽しいよ!周辺にも足を延ばそう!

写真:沢原 馨

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赤レンガ倉庫は、JRの桜木町駅から汽車道経由、みなとみらい線の馬車道駅から万国橋経由、あるいは山下公園方面から「山下臨港線プロムナード」経由など、さまざまなアクセスルートがありますが、“海から船で”という方法もお勧めです。

海からのアクセスも楽しいよ!周辺にも足を延ばそう!

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赤レンガパークの岸壁には「ピア赤レンガ」という桟橋が設けられていて、横浜駅東口と山下公園とを結ぶシーバスを使って訪れることができるのです。次第に近づいてくる赤レンガ倉庫の姿を海上から眺めるのも楽しいですよ。あるいは、「ピア赤レンガ」からシーバスに乗って山下公園に向かってみるのもいいものです。

海からのアクセスも楽しいよ!周辺にも足を延ばそう!

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赤レンガ倉庫は、横浜の観光名所が集まるベイエリアのほぼ中心に位置しています。象の鼻パークや山下公園、横浜ワールドポーターズやMARINE & WALK YOKOHAMAなどもとても近いのです。赤レンガ倉庫とパークを堪能した後は散策の足を延ばして観光や食事、ショッピングなどを楽しみましょう。

赤レンガ倉庫の基本情報

住所:神奈川県横浜市中区新港1-1-1
電話番号:045-211-1515(1号館)、045-227-2002(2号館)
アクセス:JR桜木町駅または関内駅から徒歩約15分、みなとみらい線馬車道駅または日本大通り駅から徒歩約6分など
開館時間:10:00〜19:00(1号館)、11:00〜20:00(2号館)、パークは常時開園

2018年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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