これであなたもフィレンツェっ子!おすすめの歴史ある教会3選

これであなたもフィレンツェっ子!おすすめの歴史ある教会3選

更新日:2018/07/25 15:17

藍色 しっぽのプロフィール写真 藍色 しっぽ
海外旅行の訪問先として人気を集めるフィレンツェは、美術館・博物館だけでなく、市在住の敬虔なキリスト教信者の方が通う教会も見どころの一つです。今回はフィレンツェに住む人々の生活を支える、歴史ある教会を3つご紹介します!

フィレンツェっ子なら誰もが知ってる!サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会

フィレンツェっ子なら誰もが知ってる!サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会

写真:藍色 しっぽ

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13世紀に「聖母の下僕信心会」により創建されたサンティッシマ・アンヌンツィアータ教会。16世紀に今の姿になるまでに数度改装されており、現在もフィレンツェ市民の信仰の拠り所となっている大切な教会です。

教会は同じ名前のSS.アンヌンツィアータ広場に面しており、幾つにも連なるアーチが特徴。捨て子養育院もすぐ近くにあり、教会玄関からはドゥオーモが見えます。

玄関から内部には教会に続く小さな柱廊が広がっています。ここは「誓いの回廊」と呼ばれる場所で、ロッソ・フィオレンティーノの「聖母被昇天」、アンドレア・デル・サルトの「聖母の誕生」など、著名な画家によるフレスコ画が並びます。

フィレンツェっ子なら誰もが知ってる!サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会

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続く教会内部は厳粛な雰囲気のバロック様式で構成されています。左翼廊にある「洗礼者ヨハネ像」はミケロッツォの作品。同じく左翼廊礼拝堂内にはアンドレア・デル・カスターニョの「聖ジュリアーノ」のフレスコ画が並び、神秘的な空間となっています。

フィレンツェっ子なら誰もが知ってる!サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会

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また、聖堂の左隣には「死者の回廊」と呼ばれる比較的広い柱廊があります。そしてここにも名画、アンドレア・デル・サルトの「サッコの聖母」が。サルトのフレスコ画は人気がありますが、そのほとんどがイタリア国内でしか見ることができません。教会内部に圧倒され忘れがちですが、こちらの作品もぜひ観ておきましょう。

<基本情報>
住所:Piazza SS Annunziata, 50122 Firenze FI, イタリア
電話番号:+39 055 266181

フィレンツェ最古の歴史を誇る、バディア・フィオレンティーナ教会

フィレンツェ最古の歴史を誇る、バディア・フィオレンティーナ教会

写真:藍色 しっぽ

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フィレンツェ市内のシニョーリア広場、花の聖堂周辺を行ったり来たりしていると、すらりとした多角形の鐘楼がたびたび目に入ることと思います。ダンテの「神曲」にも登場したこの鐘楼がバディア・フィオレンティーナ教会の目印です。

言われてみれば、鐘楼は見たことがあっても教会には行ったことがない…という方がほとんどではないでしょうか。それもそのはず、バディア・フィオレンティーナ教会が開いているのは月曜の夕方数時間だけ。旅行ではよほど念入りにスケジュールを立てなければ訪問が難しい、まさに知る人ぞ知るフィレンツェっ子に馴染みの深い教会なのです。

フィレンツェ最古の歴史を誇る、バディア・フィオレンティーナ教会

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そんなバディア・フィオレンティーナ教会、実は内装と所蔵作品もとても豪華。教会内部は天井が高く三廊式で、入ってすぐ左には「聖ベルナルドの幻視」があります。

聖母を崇拝するブルゴーニュの聖人ベルナルドの目前に聖母が現れたというエピソードを描いた本作品は、ボッティチェリの弟弟子として有名なフィリッピーノ・リッピのもの。鮮やかな色彩と細密な描写が特徴で、リッピの中でも特に評価の高い作品の一つです。

フィレンツェ最古の歴史を誇る、バディア・フィオレンティーナ教会

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礼拝堂右側からは、ベルナルド・ロッセリーノの設計した「オレンジの回廊」に出られます。この回廊は、15世紀にフィレンツェで宗教会議が行われた時、参加した東方の神父たちが当時のフィレンツェでは珍しかったオレンジの木を贈ったことからそのように呼ばれており、庭の中央には15世紀に使われていた美しい井戸が現存しています。

回廊は二階建ての構造となっており、上部の回廊にはこの教会の宗派の創設者でもある、聖ベネディクトの生涯を描いたフレスコ画が残っています。特に美しいのは、聖ベネディクトが修道院建設を妨害する悪魔を追い出す場面のフレスコ画。後にベネディクトがモンテカッシーノに移住し、教会を建設するエピソードにも通じる重要な場面です。

<基本情報>
住所:Via del Proconsolo, 50122 Firenze FI, イタリア
電話番号:+39 055 264402

花の聖堂はここから生まれた!サンティ・アポストリ教会

花の聖堂はここから生まれた!サンティ・アポストリ教会

写真:藍色 しっぽ

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ヴェッキオ橋とサンタ・トリニタ橋のちょうど中間地点辺りでアルノ川沿いから小道に入ると、古い家々が目に入ります。この界隈は中世の街並みが今も大切に保存されている地区であり、建設から7,8世紀を超える建築物も珍しくありません。サンティ・アポストリ教会もそうした建築物の一つです。

有名な観光スポットがたくさんある中、この簡素で小さな教会がなぜフィレンツェの歴史を支えていると言えるのか、疑問に思う方もいるでしょう。ここは、ブルネレスキがあの「花の聖堂」のクーポラの構造を発案するきっかけとなった教会なのです。

花の聖堂はここから生まれた!サンティ・アポストリ教会

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サンティ・アポストリ教会の特徴とも言える教会内部の半円アーチ。また緑の大理石を用いた円柱は、エンタシスという手法によってまっすぐに見える工夫がなされています。ブルネレスキはこの二つを巧みに組み合わせて花の聖堂のクーポラの構造設計図を描き、模型公募に応募しました。

公募の結果、ドナテルロやギベルティなど、名だたる芸術家を押さえて採用されたのはブルネレスキの案でした。サンティ・アポストリ教会の存在がなければ、花の聖堂は今とは違った形になっていたかもしれません。

今日ではたくさんの観光名所がフィレンツェにありますが、サンティ・アポストリ教会はそうした町の人々と発展を古くから見守ってきているのです。

<基本情報>
住所:piazza del limbo, 1, 50123 Firenze FI, イタリア
電話番号:+39 055 290642

切り離して考えることができない、教会とフィレンツェの人々の関係

歴史ある教会を深く調べて行くと、フィレンツェでは芸術が特別なものではなく、生活の一部であったことがよく分かるのではないかと思います。そうした教会の歴史を支えているのは、フィレンツェに住む人々。ガイドブックを手に名所を訪ね歩くのももちろんですが、たまにはフィレンツェっ子が毎日のように通う教会に寄ってみると、歴史と人々の暮らしぶりが一度に分かるかもしれません。

2018年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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