写真:安藤 美紀
地図を見る考古学って堅いイメージ…と思っていませんか?そんな考古学のイメージを180°変えてくれるのが、今回の展示会、こだいの「ふふっ」展です。静岡・山梨・千葉・埼玉から選りすぐった古代の遺物を、約200点ほど「静岡市立登呂博物館」2Fの特別・企画展示室にて公開。各コーナーには分かりやすいエピソードも綴られ、古代人の意外な生活の一面に触れることができます。
観覧料は一般300円、高大生200円、小中学生50円。
写真:安藤 美紀
地図を見る最初に出会うコーナー、その「顔」に“ふふっ”では、「これって、笑ってる?」「怒ってる?」と想像を膨らませたくなる顔や体の遺物を間近で見ることができます。
こちらは、弥生時代中期に作られた「人面付土器」。通常、弥生土器だとシンプルな形状が多いのですが、中にはこうした顔付きもあるんですよ。
二重まぶたで鼻が高い。それに、首にはネックレスも!今の時代の私たちからみても、「なぜ、あえてこの顔に・・・!?」と突っ込みたくなるような表情がたまりません。バス旅後半に出てくる、ちょっと疲れた蛭子さんに似ている気も。笑
写真:安藤 美紀
地図を見るその隣では、縄文時代の小さな土偶を紹介。縄文人って、原野を駆け回って狩りをするワイルドなイメージですが、この土偶は芸が細かい!縄文時代の人も、意外と繊細だということが分かります。
写真:安藤 美紀
地図を見るこの埴輪、「ふふっ」というより、「ワハハ」顔に見えますよね!この埴輪は、パリでも展示されたことがある、世界デビューを果たした人気者。埼玉県本庄市で見つかった1400年前の埴輪で、本庄市のマスコットキャラクター「はにぽん」のモチーフになりました。
顔をよ〜く見ると、口元がギザギザに!実はこれ、昔石をはめ込み、歯を表現したときについた跡なのです。
というのも、埴輪には、古墳で眠る王を守るために作られたという役割があります。つまり「笑っているように見えるけど、実は威嚇している」が、もう一つの見方。
写真:安藤 美紀
地図を見る顔がついた人面付き土器は、人面装飾の部分のバリエーションが豊富!目を細めてじっと見つめる表情をしていたり、片目をわざと潰していたり、はたまたのっぺらぼうだったり。
写真:安藤 美紀
地図を見るそんな人面装飾部を集めたのがこちら。先程よりさらに表情豊かな顔がいっぱいです!しゃべっているのか寝ているのか、歌っているのか…。色々想像すると本当に楽しくなってきます。
鼻?目?もはや意味がわからないものも。笑
写真:安藤 美紀
地図を見る現在の私たちがオシャレをするように、古代人たちも綺羅びやかなアクセサリーを身につけていました。おしゃれ?“ふふっ”コーナーでは、遺跡から出土されたネックレスや耳飾りなどを紹介しています。
下のほうに展示されている耳飾りは、耳の穴にはめ込むタイプ(今で言うピアスですね)。小さなものからどんどん大きくしていき、穴を拡張していくそうです。
ただ純粋におしゃれを楽しんでいたのか、これを身につけることで権力を表していたのか…。理由は定かではありませんが、アクセサリーを見について「ふふっ、綺麗!」と思う気持ちは、今も昔も変わらないのでしょう。そう思うと、古代人が身近に感じられますよね。
写真:安藤 美紀
地図を見るこちらはネックレスやブレスレットを身にまとった女性の埴輪。先ほどの男性の埴輪と違って、口元がギザギザしていません。女性には「王を外敵から守る」という概念がないのかもしれませんね。めいっぱいオシャレを楽しむような、ほんわかした女性像に癒やされます。
写真:安藤 美紀
地図を見る動物に“ふふっ”コーナーでは、古代人が日常生活で使っていた動物モチーフの道具を紹介しています。
今の私たちがお気に入りの動物をモノに表現するとしたら、ネコやウサギなど可愛らしいものを選びますよね。でも、古代人はあえてヘビやイノシシなどを選ぶことが多かったようです。
写真:安藤 美紀
地図を見る小さくて“ふふっ”コーナーでは、ミニチュア製品を紹介しています。これらは、祭り事などで使われたと考えられていますが、正確な使われ方は分かっていないのだとか。もしかしらた、古代人たちは「シルバニアファミリー」のように遊んでいたのかもしれませんね。
写真:安藤 美紀
地図を見るミニチュア製品コーナーの一角に、なにやらゴツゴツした粘土の塊が。ただの塊に見えますが、実は秘密があるんです!これは縄文時代中期に子どもが握った粘土と大人が握った粘土。重要文化財にも指定されています。親子で遊んでいたのかな?そんな微笑ましい光景が思い浮かびますよね。
長い長い時を経て、古代の遺物に再びフォーカスした、こだいの「ふふっ」展。「ふふっ」と笑えるだけでなく、今でも私たちの心にストレートに響くのが、今回の展示のすごいところです。展示物はすべて写真撮影OKなので、ぜひお気に入りの「ふふっ」をたくさん撮影してください。
博物館から一歩外へ出ると、2000年前の登呂村の風景が再現されています。すぐ目の前に広がるのは、住居と広大な田園風景!これらは博物館があるから作られたのではなく、実際に遺跡として出土した場所に再現しているのです。
今でも登呂遺跡は、誰でも利用できる公園として地元の人に愛されています。ユーモア満点の展示会を楽しんだら、公園もお散歩してみてください。古代人の気持ちを感じられる、オンリーワンの休日になりますよ。
・住所:静岡市駿河区登呂五丁目10番5号
・電話:054-285-0476
・営業時間:9:00〜16:30
・定休日(休館日(変更可能であれば)):月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)
・アクセス:JR静岡駅南口バスターミナル 22番線より
「登呂遺跡」行き、終点下車 所要時間約1210分。もしくは「東大谷」行き「久能山下」行き、「登呂入口」下車 徒歩5分
・こだいの「ふふっ」展 開催期間2018年1月6日(土)〜3月4日(日)まで
※定休日(休館日)は開催されません
2018年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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