写真:安藤 美紀
地図を見る「久能山東照宮」で多くの人が最初に通る「楼門」は、俗世界と神域を区切る境界線。そんな「楼門」には、あまり知られていない徳川家康公のメッセージが隠されています。
真ん中(上部)の彫刻に注目しましょう。ここには、あの夢を食べる霊獣のバクが彫られています。一説によると、バクは鉄を食べる動物だ考えられていました。しかし、鉄は戦で武器として使われてしまうため、もし戦が起きればバクは食べるものがなくなってしまう…。バクは、戦がない平和な世の中でないと生きていけないことから、平和の象徴とされてきました。
バクは全部で4つ。すべて違う方向を向いて四方を見張っていますので、「楼門」を通るときは探してみましょう。
ちなみに、久能山東照宮を参拝するときには拝観料が必要となります。料金は、本殿が大人一人500円、博物館が大人一人400円、本殿&博物館共通券を購入すると大人一人800円になりお得です。
写真:安藤 美紀
地図を見る「楼門」をくぐったすぐ下には、徳川家康公の手形が。「久能山東照宮」へ来たら、この手形もぜひ見てほしいスポットです。これを押した当時の家康公は38歳。身長は155cm、体重60kgでした。
戦国乱世を生き抜き、天下人となった家康公の手相には、マスカケ線(感情線と知能線が1つになったもの)がしっかりと刻まれています。自分が強運の持ち主かどうか、手相を見比べてみるのも楽しいでしょう。なお、家康公の手形が押された色紙は、授与所にあります。家に飾っておくと、開運パワーを授かれるかも!
写真:安藤 美紀
地図を見るさらに左手には、家康公の愛馬をモチーフにした彫刻が置かれています。この馬、目がガラスで出来ており、当時としてはかなり貴重なものだったとか。縁結びや子育て安産の信仰がありますので、忘れずに参拝しておくといいでしょう。優しい顔をしたお馬さん…。後ほど、この馬の話が出てきますので覚えておいてくださいね。
写真:安藤 美紀
地図を見るもともと「久能山東照宮」ができる前には、何があったのか。実は、今から約1400年前、推古天皇がいた奈良時代に、久能寺というお寺が建てられました。さらに戦国時代には、武田信玄公が「久能城」を築城。その後、徳川家康公の遺言によって、徳川家の守護城になっていた久能山へ遺骸を移し、家康公が埋葬されました。
それから19年後に建てられたのが、栃木県の「日光東照宮」になります。「日光東照宮」は「久能山東照宮」を模して作られた神社。つまり、ここがなければ、現在の「日光東照宮」も存在しなかったのかもしれません。
「久能山東照宮」は敵に攻め込まれないよう、急な角度で石段が作られていたり、石垣があちこちで見られたり。お城の遺構が見られるのも、他の神社と大きく違うポイント。
写真:安藤 美紀
地図を見る権現造・総漆塗・極彩色の社殿は、江戸時代を代表する大工の棟梁、中井大和守正清が手がけたと言われており、2010年には拝殿本殿石の間が国宝にも指定されました。注目したいポイントは、400年前に彫られた彫刻がそのまま残っていること。しかも漆の下には、歴代の職人さんの名前も残されているそうです。
さらに珍しいのは、真ん中が徳川家康公、右手が豊臣秀吉公、左手が織田信長公の3人が一緒にお祀りされていること。全国に東照宮はたくさんありますが、戦国の3英傑をお祀りしているのは「久能山東照宮」だけと言われています。ここで参拝すると、歴史上のスーパーヒーロー3人を同時にお参りしたことになるのです!
写真:安藤 美紀
地図を見る社殿の側面には、なんと逆さ葵が隠されています。なぜ逆さにしたのか、それは完璧に作ってしまうと崩落へ進んでしまうため、あえて未完成の状態にしているそうです。なかなか見つからないときは、垂木をヒントにしてみましょう。石畳に立ち、まっすぐ屋根を眺めると見つけやすいです。みなさんも、探してみて!
写真:安藤 美紀
地図を見る「久能山東照宮」と「日光東照宮」を比較される理由の一つが、徳川家康公のお墓。両方にお墓があるため、どっちが本当?と戸惑う方が多いようです。
徳川家康公は1616年4月17日、75歳の生涯を静岡市の駿府城で終えました。そして家康公は亡くなる前に、色々と細かく遺言を残していたのです。その内容とは、
1.遺骸は久能山へ葬ること
2.葬式は江戸の大本山 増上寺で行うこと
3.位牌は三河の大樹寺へ置くこと
4.1周忌経ったら小堂を建てて日光山へ勧請すること
遺言通りでいくと、ご遺骸はここ「久能山東照宮」に、そして御霊を「日光東照宮」に移したのではないかと考えられています。
写真:安藤 美紀
地図を見るまた、家康公のお墓の横には、愛馬のお墓もあります。家康公の死後、愛馬は毎夜毎夜自分の馬小屋を抜け出して、家康公のお墓まで来てしまったそうです。亡きご主人の面影を求めて、ずっと一緒にいたいという思いが強かったのでしょうね。そして、愛馬はある朝、家康公のお墓の脇で亡くなっていたと言われています。
歴史好きの方もそうでない方も、涙を誘うエピソードですよね。「久能山東照宮」に来たら、家康公の横に埋葬されている愛馬のお墓も立ち寄ってみてくださいね。
写真:安藤 美紀
地図を見る「久能山東照宮」の御朱印帳には、久能山発祥の石垣イチゴが施されています。このデザインは、徳川家康公が亡くなり400年の祭礼に際し、久能山東照宮の職員が考えたものだとか。イチゴ付きの可愛い御朱印帳は、心を和ませてくれますよ!
写真:安藤 美紀
地図を見るまた、「久能山東照宮」のお守りでオススメなのが、家康公の守り刀と具足をモチーフにした「出世御守」。将来、夫を出世させたい奥様は、ぜひ手に入れいたいですよね。そして、当時としては長生きした家康公にあやかれる「健康長寿御守」もオススメです。どちらも、できるだけ身近な場所で持ち歩くようにしてくださいね。
「久能山東照宮」を歩いていると、突如ガンダムのプラモデルが出てきます。「なぜ、ここに!?」と不思議に思われるかもしれません。
実は、静岡市はプラモデルの出荷量日本一。模型作りのルーツをたどると、駿府城や「久能山東照宮」を建立するために全国から集められた職人さんたちだと言われているのです。
匠の技に敬意を表し、初代ガンダムや家康公がモデルになった「BB戦士 徳川家康頑駄無」など、レアなプラモデルが境内に展示されています。ガンダム好きの方は、チェックしてみてくださいね。
写真:安藤 美紀
地図を見る標高約200mの景勝地に建てられた「久能山東照宮」。ここまで行くには、日本平ロープウェイか石段か、2通りのルートがあります。
楽ちんなのは、断然ロープウェイ。実際に乗ってみると、地上から一番高い場所の高低差は高さ90mもあり大迫力。運転は通常だと10分間隔、15時からは15分間隔の運転になります。ただし、ロープウェイの往復乗車券は1枚で往復券となります。帰りも必要となるため、往復券はなくさない保管しておきましょう。それからJAFをお持ちの方は、運賃が10%割引されます。お忘れなく!
ロープウェイがまだ無かった頃、「久能山東照宮」へのお参りは、海側から続く石段ただ1つしかありませんでした。この石段は17曲がり、1159段。なだらかな坂なので比較的上りやすいのですが、約20〜30分ほどかかります。石段にチャレンジする方は、石段下「ご利益商店街」にあるお土産屋さんの駐車場を利用しましょう。駐車料金は大体1日500円くらい。
<本殿・博物館を一通り見学する所要時間の目安>
・階段を使う場合 約3時間
・ロープウェイを使う場合 約2時間
※体力に自信のないかたは、ロープウェイがオススメです。
動画:安藤 美紀
地図を見る石段を使うと、その先には大絶景が待っています。「久能山東照宮」一ノ門の眼下は、まるで別世界!海岸線のビニールハウスは、石垣いちごと葉生姜の畑が約8kmも続きます。そして日本一深い駿河湾は色が2層に分かれており、本当に美しい!壮大な絶景を楽しみながら、ゆったりと「久能山東照宮」のパワーを浴びてくださいね。
写真:安藤 美紀
地図を見る久能山東照宮は、参道グルメも楽しみの一つ。参道(ご利益通り)入り口にある「富久屋」では、由比産の桜えび&しらす料理を、リーズナブルな値段で味わうことができます。特に、桜えびのかき揚げは、直径20cmほどの超ビッグサイズ。静岡らしいものをランチにしたい方は、ぜひお試しあれ!
また、久能山東照宮周辺は、日本の観光いちご狩り発祥の地と言われています。周囲には、いちご農家が密集していて、毎年1月〜GW頃まで、いちご狩りが楽しめます。ちなみに、「富久屋」なら、お食事だけでなくいちご狩りもできますよ!
住所:静岡県静岡市駿河区根古屋390
参拝時間:午前9時〜、終了時間は季節により変わります。詳しくは公式サイトをご確認ください。
アクセス:JR静岡駅から石段下までは無料シャトルバスが運行。「天下泰平の湯すんぷ夢ひろば」行きに乗り、「久能山東照宮階段下」下車。
2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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