平塚八幡宮は4世紀末、関東地方で起こった大地震をきっかけに、仁徳天皇が国家安寧を祈願して造営されました。その後、推古天皇の在位中や関東大震災時にも被害に見舞われましたが、地域住民の支援によってその都度復興を遂げてきました。
江戸時代「平塚宿」は東海道の宿場町として賑わいました。特に平塚八幡宮の門前は「大門通り」と呼ばれ、東海道・須賀港・厚木往還・大山道が重なる交通の要所として発展を遂げたのです。
相模周辺における商業発祥の地として、平塚八幡宮は商売繁盛、交通安全などに御利益があるとされ、現在も多くの参拝者で賑わっています。
夕暮れ時の八幡宮は大鳥居をくぐると、拝殿まで提灯が境内を朱く染めます。境内は多くの樹木に囲まれているため、暗くなり始めると灯りがよく映えます。
提灯により幻想的な雰囲気に包まれた境内は、本殿までの参道が直線で浮かび上がり、吸い寄せられるように自然と足が前に進みます。
始めは正月や祭事の際に仮設で設置されていましたが、企業や商店、個人名が入った「名入れ提灯」が多くなると、提灯架台は常設されるようになりました。
平塚八幡宮は應神天皇・神功皇后・武内宿禰を祭神に、相模國一國一社の八幡宮として、崇拝を受けています。毎年行われる8月15日の例大祭、5月5日に催される國府祭(こうのまち)は1000年余りの歴史を持つ行事です。
この境内の主役はまだ他にもいます。それは全国の神社でも珍しい「アヒル」です。その他にもカモやバリケン(カモ科の一種)などがおり、立ち止まると鳴きながら愛想良く近寄ってきます。
アヒルたちのエサ(鯉もアリ)も売っていますので、時間があれば一緒に遊んでみてはいかがでしょうか?ただし、アヒルは大食いなので、あっという間にエサがなくなってしまいますよ!
「手水舎」は七夕祭りなどの期間中には「ぼんぼり」の飾り付けなどが行われます。また、手水舎の向こうには御札や御朱印を頂ける「社務所」があります。夕刻(午後4時頃)までやっており、冬の時期は早々に灯りが点けられます。
社務所では御朱印をはじめ、弁財天の御朱印なども頂くことができます。御朱印をもらうと、一緒に八幡宮の神事のスケジュールや神社の案内などが載った冊子がもらえます。20ページ以上ある立派なものなので、ぜひ記念にお持ち帰り下さい。
手水舎の近くにある御神木には干支になぞらえ、方角ごとにおみくじを結びつける習わしがあります。境内にはいくつか御神木がありますが、本殿近くとこの場所の2本は特に願掛けを行う神木として崇められています。
また、境内の木々は「かながわの美林50選」に選ばれており、境内に生い茂る木々全体が対象となっています。
近辺に学習塾が多いせいか、受験シーズンになると学生さん達の姿をよく見受けます。これだけの木々に囲まれたら、勉強で疲れた頭の中もリフレッシュすること間違いなしです!
1591年に徳川家康が御朱印地として50石を平塚八幡宮に寄進しました。また、度々徳川家康自らが参拝し、慶長末期頃に戦によって荒廃していた社殿を再建しています。徳川幕府はその後も手厚く平塚八幡宮を保護し、山林や青銅の鳥居などを寄進しています。
明治時代になり社格制度が制定されると、1873年には政府からの通達により社名を「八幡神社」と改称します。戦後、社格制度は廃止され、1978年に現在の平塚八幡宮に改称されました。
地元では「八幡様」という呼び名のほうが定着しており、平塚地区だけでなく湘南地域の鎮守として認識されています。
大鳥居の左側に広がる大きな池は「弁天池」と呼ばれています。池には「平塚弁財天社」が祀られており、「平塚弁財天」は「湘南ひらつか七福神めぐり」のひとつにも選ばれています。
弁天池には1894年、明治天皇の皇女、常宮昌子内親王と周宮房子内親王が参拝した際に「緋鯉」が放生されました。それ以降、優雅に泳ぐ「鯉」はアヒルと共に八幡宮に欠かせない存在となっています。
この石碑には天照大神・八幡大菩薩・春日大明神の託宣を受けていることが刻まれています。「三社託宣」とも言われ、皇室・貴族・武士の信仰をひとつにまとめていることを表します。
室町時代末期から江戸時代まで広く庶民の信仰対象として普及しました。当時の平塚八幡宮がいかに階級社会のなかで認知されていたのかを伺い知ることができる石碑です。
関東大震災により社殿も崩壊しましたが、氏子や住民の尽力によって街の復興とともに1928年に再建されました。空襲によって大きな被害を受けた平塚も、全国的に有名な「七夕まつり」を開催出来るまでに発展を遂げたのです。
平塚八幡宮は毎月のように祭事が執り行われ、「例大祭」・「國府祭」以外にも全国的知名度を誇る「七夕まつり」や9月に行われる「ぼんぼりまつり」には多くの参拝客が訪れます。鎮守の杜として、今も人々の信仰や歴史、文化が交わった場所となっています。
本殿正面から見て、右手にあるのが「末社三社」です、開運・交通安全の「諏訪社」、子どもの守護神である「若宮社」、そして出世や商売繁盛にご利益がある「神明社」です。
この三社は境内にある社のなかでも特に強いパワースポットとして有名であり、本殿参拝後に多くの参拝客が併せて祈願する社です。背後の鬱蒼とした杜がさらに目の前に広がっているので、その場に立つと自然と力が湧いてくる感覚を覚えます。
御神木である「イチョウ」の幹の周りには多くの絵馬が囲むようにしてかけられています。注連縄によって張られた区画は、厳かで清々しい気持ちにさせられます。
手水舎脇の御神木に劣らない立派な大きさで、この本殿周辺は完全に市街地の喧騒が気にならなくなります。境内が「八幡山公園」の一画に位置しているので、平塚市街の中心部にありながらとても自然豊かな環境が維持されているのです。
住所:254-0041 神奈川県平塚市浅間町1-6
電話番号:0463-23-3315
アクセス:JR東海道線 平塚駅西口から徒歩10分
祈祷など:09:00〜16:00
2018年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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