広いアルハンブラ宮殿の入口で入場チケットが販売されており、開園は9時からとなります。通常、多くの観光客が来るのは10時過ぎから。可能であれば開園直後に入場しておけば、ゆっくりと観光を楽しむことが出来るでしょう。
ところで、宮殿と言えば王族を想像しますが一般の住宅、学校等もあったことは驚きです。
スペインのグラナダ県は暑い場所として有名です。しかしながらアルハンブラ宮殿(LA ALHAMBRA)はグラナダの中で涼しい場所としても知られています。それではなぜスペインに、イスラム教の宮殿があるのでしょう。
イスラム教徒(ムスリム)が現在のスペインを含むイベリア半島に入ってくるのは、イスラム勢力であったウマイヤ王朝の西暦711年と古い時代となります。ウマイヤ朝の成立は661年とされますので、成立後約半世紀でイベリア半島に侵入したのです。
アルハンブラ宮殿が拡張したのはナスル王朝(1232年−1492年)のムハンマド1世(1232年−1273年)から5世(在位:1354年−1359年、1362年−1391年)の時代となります。
ところでウマイヤ王朝がイベリア半島に入ってから間もなく、有名な「レコンキスタ」始まりイスラム教とキリスト教の衝突が繰り返されました。レコンキスタとは718年から1492年までの間、キリスト教徒によるイベリア半島を再征服する行動のことです。キリスト教徒側から見れば奪還とも言えるでしょう。
そして1492年は、グラナダ付近を治めていたイスラムのナスル朝がスペイン帝国により再征服された年となります。
ところで何がユニークかと言えば、その後のスペインはアルハンブラ宮殿を破壊すること無く、むしろ避暑地として利用したこと。その後は手を加えていき、それが今日では世界遺産として残される理由となっているのです。
見事に並んだ糸杉。糸杉はその名の通り、細長く上に伸びていく杉です。昔は横に広がらないことから墓の上に植えられることが多くありました。アルハンブル宮殿の糸杉は墓の上ではなく、並木道としての美しさとなっています。
足元の見事な石畳も見逃せません。実に細かな装飾が施されており、芸術性の高さをうかがい知ることが出来ます。
宮殿ではとてもユニークな木が。それは日本の柿。柿の木は宣教師が日本から持ち帰ったもので、今でも季節で実をつけているのです。柿はスペインでも「KAKI」と呼ばれており、意外な日本との繋がりがあるのです。
アルハンブラ宮殿がある場所は「赤い城壁」と呼ばれてきました。周辺の土壌が赤色だったことからついた名前でアラビア語でル=カルア・アル=ハムラーとなりますが、このアルハムラーがスペイン訛となりアルハンブラとなったのです。
赤い城壁に建物は白を基調としており、どこを歩いても美しいと言えるのでは。
壁や天井に施されたアラベスク様式の繊細さ。そして床のタイルは当時の職人による手作りで1枚毎に仕上げたと言われています。タイルは大きさ、形が全て違っており、それを組み合わせて床を作っているのですから根気のいる作業。床だけを見ても芸術としか言いようがありません。
もちろん天井を見上げても全てが巨大な芸術作品なのです。
四角い建物の中に丸い劇場。規模こそ違いますが、イタリアのローマやヴェローナのコロッセオを連想する人もいるのでは。
パティオ(中庭)がいつくかありますが、ここはアラヤネスのパティオと呼ばれる場所。左右対称の作りとなっていますが、池に映る建物を含め、印象深いものがあります。
ライオンのパティオでは、複数のライオンを見ることが出来ます。どの方向からでも美しく仕上げられており、宮殿の中でもユニークな場所とも言えるでしょう。
見事さは宮殿だけではありません。そこから町並みを見下ろすと、白い壁に茶色い屋根が多く見えます。同じ色合いの家で統一された雰囲気はまるで絵葉書の世界。宮殿だけではなく周囲まで楽しめるのですから、さすが世界遺産であり、価値ある場所と言えるのでは。
入場から驚きの連続が世界遺産のアルハンブラ宮殿。どこを見ても全て特別な芸術作品となっており、1日では観光しきれない広さは時間の限り楽しむべき場所です。
最後に注意点ですが、建物に触らないこと。繊細な作りであり、場所によっては簡単に壊れてしまいかねません。みだりに触らないというのは観光地ではマナーとしてわきまえておくことなのですが、特にこの場所では注意が必要となります。
<基本情報>
住所:Calle Real de la Alhambra, s/n, 18009 Granada
電話:010-34-958-02-79-71
2018年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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