世界遺産第一号のドイツ「アーヘン」温泉保養地だった町で世界遺産を堪能

世界遺産第一号のドイツ「アーヘン」温泉保養地だった町で世界遺産を堪能

更新日:2018/01/28 12:21

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
古代ローマ帝国時代から、ローマ人が温泉保養地として利用してきた独のアーヘン。ベルギーやオランダ国境に近接しており、水を意味する語に由来する町です。8世紀末には、フランク王国のカール大帝が王宮を置いてからは、カロリング朝ルネサンスの舞台ともなりました。歴代のローマ皇帝が戴冠式を行ってきたアーヘン大聖堂は、世界遺産に第一号に登録されています。絢爛豪華な聖堂内や宝物館に加え、市庁舎内も見応え大ありです。

温泉保養地だったアーヘン

温泉保養地だったアーヘン

写真:Hiroko Oji

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ベルギーやオランダと国境を近接するドイツのアーヘンは、紀元前3世紀から、ローマ人の温泉保養地として利用されてきました。その名残が、旧市街の入り口ともいえるフリードリヒ・ヴィルヘルム広場に面して残されています。

アーヘン中央駅から徒歩10分ほど。駅前から出るバスに乗れば、この広場前までほんの数分。バスを降りたら、神殿風の柱廊が並ぶ円形ホールのある建物が目に入ります。この中にあるのがエリーゼの泉。

温泉保養地だったアーヘン

写真:Hiroko Oji

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ホールの奥の壁からは、温泉が常に流れ出しています。ナトリウムやカリウム、カルシウムや鉄分などを含むミネラル温泉で、かつては飲泉用でしたが、最近は飲むのは禁止されています。この建物には観光案内所も入っています。

本格的に温泉施設を利用したい場合は、町の北東にある市立公園の一角に位置するカルロス・テルメンへ。旅行者も、優雅な雰囲気を気軽に利用できます。

温泉保養地だったアーヘン

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芝生で覆われた広々としたフリードリヒ・ヴィルヘルム広場の一角には、ちょっとコミカルな像がある噴水があります。他にもアーヘンの街角には可愛らしい噴水があり、人形の手足などが可動式になっているメルヘンチックなオブジェが真ん中にあったり、地球を掲げたようなオブジェのごみ箱があったり、見つけるのも楽しみのひとつ。

世界遺産の大聖堂は圧倒されるほどの美しさ

世界遺産の大聖堂は圧倒されるほどの美しさ

写真:Hiroko Oji

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アーヘン大聖堂は、カール大帝が礼拝堂として786年に建てさせたもの。大帝の墓もあることから、「皇帝の大聖堂」とも呼ばれています。高さ33メートルある八角形のドームを持ち、ロマネスク様式とゴシック様式が融合。1978年、世界遺産第一号に登録されました。これはヨーロッパで初めて登録された3つの世界遺産のうちの一つです。

西側の正面から入ると、大聖堂で最も古い部分である八角形の礼拝堂。中央部分にドームを冠し、大きな八角形のシャンデリアが吊り下げられています。周りには、金のモザイクで埋め尽くされる壁面や天井で覆われた煌びやかな周歩廊を備え、人の流れに沿って奥の内陣へ進みます。

世界遺産の大聖堂は圧倒されるほどの美しさ

写真:Hiroko Oji

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内陣は、素晴らしいステンドグラスに囲まれていることから「ガラスの礼拝堂」とも呼ばれています。中央には、銀製鍍金に400個もの宝石をちりばめた、カール大帝の遺骨が納められている聖遺物箱が置かれ、上からは金色に輝く聖母子像のレリーフが吊り下がる、煌びやかな内陣です。

そばには、これも金色に輝く「ハインリッヒの説教壇」があり、宝石が散りばめられて美しいばかりです。

世界遺産の大聖堂は圧倒されるほどの美しさ

写真:Hiroko Oji

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2階の周歩廊にも上がることができます。西側に置かれているのが、「王の玉座」!東側の内陣を向いて置かれている玉座は、大理石造りの台座と椅子からなります。何一つ飾りらしきものがない質素な椅子は、ソロモンの玉座にならって6段の階段の上に据え付けられています。936年のオットー一世の戴冠式に用いられて以降、全ての王の戴冠式に用いられてきました。この玉座の周りから見渡す聖堂内の眺めも荘厳なもの。

<アーヘン大聖堂の基本情報>
住所:Munsterplatz,52062 Aachen
開場時間:7〜19時(1〜3月は18時まで)
料金:無料(ただし写真撮影は1ユーロ、2階へは2ユーロ)

豪華な財宝が眠る宝物館

豪華な財宝が眠る宝物館

写真:Hiroko Oji

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大聖堂の西側には宝物館が併設されており、後期古典主義やカロリング朝などの貴重な展示品があります。北部ヨーロッパにおける最も重要な教会の宝物館の一つとされています。

豪華な財宝が眠る宝物館

写真:Hiroko Oji

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宝物館には、カール大帝とその帝国の栄光を表す展示品が、数多く並べられています。

まず目に入ってくるのが金色に輝く「カール大帝の胸像」!かなり大きなものです。その他「ロタールの十字架」や「ペルセフォネの石棺」、聖遺骨の納まった金ぴかの右手など、眩しいほど輝きを放っています。また、宝石の散りばめられた王冠や装飾品、宗教画の数々、イコン、聖母子像、レリーフ・・・など、豪華な聖遺物箱や金銀財宝ばかりでかなり見応えがあります。

豪華な財宝が眠る宝物館

写真:Hiroko Oji

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展示品を見終わったら中庭にも目を移してくださいね。中庭を取り囲む回廊のアーチや足元を覆う石畳の模様、中央の噴水の塔など、大聖堂をバックに美しい眺めが楽しめます。

<宝物館の基本情報>
住所:Johannes-Paul-II.-Straße 2, 52062 Aachen
開館時間:10〜18時(1〜3月は17時まで)(月曜日は13時まで)

見事なホールのある市庁舎はお城のよう

見事なホールのある市庁舎はお城のよう

写真:Hiroko Oji

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まるで古城のように見えるアーヘン市庁舎。ゴシック様式とバロック様式が融合した建築で、カール大帝によってその基礎が築かれました。14世紀には貴族の居城として整備され、後に市庁舎となりました。マルクト広場に面した北側に入り口があり、こちら側の壁面には、歴代のドイツ王・皇帝延べ50人の像が嵌め込まれています。

見事なホールのある市庁舎はお城のよう

写真:Hiroko Oji

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市庁舎内では、かつて居城だった頃の豪華な部屋がいくつか解放されています。白い漆喰壁に金色の縁取りがある上品な部屋は、18世紀にイタリアのしっくい職人が装飾し直したとのこと。市庁舎で最も美しい内装の部屋の1つです。また、重厚な木目で覆われた部屋や、赤い壁の部屋では、きらきら輝く豪華なシャンデリアや、どっしりした調度品、壁を飾る古い肖像画の数々も見ることができます。

見事なホールのある市庁舎はお城のよう

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二階への階段を上って行くと、ホールの入り口の壁にあるのは、ローマ人がアーヘンで温泉を見つけた時の絵。ホールは、現在、文化イベントやコンサートなどに使用される「戴冠式の間」で、広々としています。中世の時代、ここで戴冠式が行われていました。左右や入口の上の壁には、コルドバの戦いを描いたものなど、見事なフレスコ画があり、しっかりした石積みの柱や弧を描いた天井がとても美しい。片隅にはカール大帝の像があり、一番奥では、豪華な宝石が散りばめられ、金色に輝く王冠や十字架、刀剣などがガラスケースに収められています。

<アーヘン市庁舎の基本情報>
住所:Markt, 52062 Aachen
電話:+49-241-432-7310

列車利用に便利なアーヘンの町

アーヘンは、フランクフルト〜ブリュッセル間を走る特急列車ICE、パリ〜ケルン間を走る国際特急列車Thalysなど、様々な列車が乗り入れており、列車で訪れるにはとても便利な町です。アーヘン中央駅から歩いても10分少々。途中の市立劇場前からは、奥に旧市街が見えています。

旧市街に見所がギュッと詰まっており、徒歩観光が楽しめるアーヘン。温泉施設を楽しむのも良し、歴史的な見所を求めて散策するのも良し、アーヘン名物のクッキー「アーヘナープリンテン」を見つけてカフェで休憩するのも良し。お好きな楽しみ方で、アーヘンを満喫してくださいね。

2018年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2003/08/07−2017/12/09 訪問

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