福島市の西、吾妻山の麓にある土湯温泉は、遠刈田、鳴子と共に、三大こけしの里で「土湯こけし」という伝統工芸品が有名です。2011年の東日本大震災の風評被害で廃業する宿泊施設もありましたが、現在、温泉街の10数軒以外にも、吾妻スカイライン入口近くにある土湯峠温泉郷には、趣きある秘湯が5軒営業しています。
今回、ご紹介するハイキングコースは、土湯温泉街から分かれて、細い道を進みます。起点となるのは、車で10分程度の仁田沼駐車場です。
駐車場から、ややアップダウンのある遊歩道を森林浴しながら15分から20分程歩くと現れるのが、仁田沼です。10万株のミズバショウ群生地で、4月〜5月の雪解け後が見頃です。仁田沼は周囲約500メートル、徒歩約20分の小さな沼地です。
雪解け後には、様々な高山植物などが咲き誇ります。写真の白い可憐な花がキクザキイチゲの花です。点在して咲き、目立った場所に発見できます。
小さな青紫色の花がハルリンドウです。ひょっこりと顔を出し、素敵なグラデーションと美しい形に目を奪われます。
仁田沼のほとりの低湿地帯に見られるのが、ミズバショウ群生地です。一面に約10万株生育しています。白い包葉が花びらのように見え、内側の花序を包み込んでいるのが特徴です。
湿地帯には木道が歩きやすく整備され、可憐なミズバショウを間近で鑑賞できます。
仁田沼から隣の男沼までは、ややアップダウンのある森の小径を約15分歩きます。その途中では、同じく春の雪解け後に咲く紫のカタクリが所々で顔を出しています。
仁田沼は湿原のような低湿地帯でしたが、男沼は水量豊富な湖のようです。湖面には、こんもりとした栂森(とがのもり)の姿が写り、新緑時だけでなく、紅葉の季節も人気の絶景です。
湖畔には、湧水がこんこんと溢れ出す場所があり、美味しい水をいただけます。
仁田沼駐車場から南へ向かうと女沼を望む山の斜面につつじ山公園が広がっています。ミズバショウの時期より遅れて5月の中旬〜下旬頃にはピンクのヤマツツジが一面に咲き誇ります。
つつじ山公園の駐車場から女沼へ向かう坂道沿いには、ヤマザクラが並んで、白っぽい花が咲き誇ります。眼下に女沼、遠くに吾妻連峰の山々が望めます。
坂道を下り、左へカーブして進むと、女沼の畔に近づきます。女沼は、千数百年前の山津波で、男沼と共に誕生したと伝わります。奥土湯で最大の面積0.12平方キロメートルの雄大な湖面が広がります。
女沼沿いから上っていく遊歩道を約400メートル、10分くらい歩くと、悲恋伝説がある思いの滝が現われます。
思いの滝は、大きな岩を二段に折り重なって流れ落ちます。雪解け時期は水量が多く、観瀑台の木々の間からでも、その迫力が伝わります。急な崖道を下りれば川のそばまで近づくことができます。会津落城の際の姫と若武者の恋物語の伝説に由来し、思いの滝の名があります。
散策後には、土湯温泉の湯で汗を流しましょう。温泉旅館での日帰り入浴以外に、公衆浴場2軒があります。中乃湯は2018年4月にリニューアルオープンしました。東日本大震災後に廃業した隣の旅館の敷地と源泉を利用し再建しました。その日に日帰りで利用できる温泉旅館の情報は、関連メモの土湯温泉観光協会のホームページでご確認ください。
住所:福島県福島市土湯温泉町
電話番号:土湯温泉観光協会 024-595-2217
アクセス:<車>東北自動車道福島西インターチェンジより国道115号線、土湯温泉経由約30分
<電車、バス>JR福島駅よりバス40分、土湯温泉から徒歩90分
2019年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/10更新)
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