真っ向勝負のパフォーマンス!シェムリアップのファー・サーカスが凄い

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真っ向勝負のパフォーマンス!シェムリアップのファー・サーカスが凄い

真っ向勝負のパフォーマンス!シェムリアップのファー・サーカスが凄い

更新日:2018/02/09 16:26

Tomie Tomyのプロフィール写真 Tomie Tomy 遺跡フォトライター、旅記者

サーカスといえば、大天幕の下での手に汗握るアクロバット、といったイメージでしょうか? 今回ご紹介するカンボジア・シェムリアップの「Phare, The Cambodian Circus」(ファー・サーカス)は、それとは一味違う異色のエンターテイメントで、あえて表現するなら「超絶アクションの舞台演劇」。カンボジア発、新感覚なアートです。ともかく百聞は一見に如かず。早速会場へご案内しましょう。

「ファー」は難民キャンプのアートスクールから始まった

「ファー」は難民キャンプのアートスクールから始まった

写真:Tomie Tomy

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ファー・サーカスは、バッタンバンに本拠を置くNGO「Phare Ponleu Selpak/PPS(芸術の光)」を母体として誕生しました。PPSは元々、内戦時代の難民キャンプの若者たちの中から1986年に生まれた活動で、子供たちに絵画、音楽、デザインなど教えるアートスクールとして発展してきました。

サーカスは、2013年からシェムリアップ市内で一般公演を開始。2016年に現在の場所に会場を移して以来、毎日公演を行っています。PPSで訓練を終えた卒業生たちを団員として受け入れるほか、公演収益をPPSの運営費に充てています。

サーカスと言っても動物は出てきません。また、それほど大仕掛けの舞台装置があるわけでもなく、一グループ10人前後で構成されるチーム(○○ジェネレーションと呼びます。第○期生といった感じですね)のパフォーマンスのみで、約1時間の作品を演じます。舞台自体はシンプルですが、中身が凄いのです。

「ファー」は難民キャンプのアートスクールから始まった

写真:Tomie Tomy

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ジェネレーションごとに自分たちの「持ち演目」があります。基本的には円形舞台での演劇と考えて下さい。その演技の中に多くのアクロバットが含まれている、というよりアクロバットの連続で演劇が構成されているというべきでしょうか。

サーカスの訓練生たちは多くが貧しい家庭の出身者で、ファーが運営する学校に通いながらサーカスのトレーニングを行なっています。10代前半でチーム結成をした後、一人前のパフォーマーになるまでの長い訓練期間中、常に同じ仲間と苦楽を共にします。

日々切磋琢磨しながら技や演技を極め、プロのアーティストとして共に舞台に立つ日を目指すのだそうです。プロになれば、その収入が家族にとって大きな支えになるといいます。チームは皆家族、兄弟のように深い絆で結ばれており、だから息がぴったりなのですね。実際、アクロバットは常に仲間に命を預けながらの演技なので、そのくらいでなければならないのでしょう。

「ファー」は難民キャンプのアートスクールから始まった

写真:Tomie Tomy

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深いストーリーに人間ドラマやユーモア、悲喜劇が詰まった舞台アート

深いストーリーに人間ドラマやユーモア、悲喜劇が詰まった舞台アート

提供元:Paul Bloomfield

https://pharecircus.org/

演目についてご紹介しましょう。

代表作の一つである「Eclipse/エクリプス」(月蝕)は、カンボジアの農村が舞台で、村内でひどく仲間外れにされている一人の青年が主人公です。「月蝕の夜は不可思議なことが起こる」というカンボジアの伝承をベースに、ある月蝕の夜、いじめられていた若者が美しい娘に変身し、村人たちにリベンジするという怪奇譚。

重い内容のためか前半は少し暗めの演出に感じられるかもしれませんが、秀逸なストーリーと息つく暇もないアクション・見せ場の連続で、観客をぐいぐい惹きつけます。

そして、悲しげなマイナーコードからハッピーなメジャーコードに楽曲が転調するような、期待を裏切らないストーリー展開の妙があり、一気に結末に向かいます。ハラハラドキドキのアクロバットとともに、見応え十分の舞台です。

深いストーリーに人間ドラマやユーモア、悲喜劇が詰まった舞台アート

写真:Tomie Tomy

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どの作品もそうですが、基本的にセリフはないか、あってもごく一部のみで、全てを体の動きで表現する構成です(「エクリプス」には一部クメール語のセリフが入りますが、スクリーンに日本語を含む字幕が表示されます)。多少分かりにくいと感じられる部分がないわけでもないですが、全体としてはストーリーについていけるのではないでしょうか。

見所はやはり、途切れることなく登場するアクションの数々。大ジャンプ、宙返りといった大技から、ディアボロ(空中独楽)やボール、輪、棒等を使ったジャグリングなど、随所に織り込まれたソロやチームの見せ場で観衆を魅了します。一般の演劇が平面の上で行われる2次元的舞台とすれば、こちらは人が空中を飛び交う(あとの写真にありますが、本当に空を飛ぶ!)など、より立体的、3D的に空間を使う斬新な舞台であるとも言えます。

単なる軽業・曲芸の連続というのではなく、それぞれがストーリーに則った舞台表現であり、全体を一つのアート作品として味わえることこそが、ファー・サーカスの醍醐味です。

深いストーリーに人間ドラマやユーモア、悲喜劇が詰まった舞台アート

写真:Tomie Tomy

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また、見逃せないのは舞台袖での生演奏。カンボジアの伝統的な楽器を中心にしたバンドが、オリジナルBGMを物語に合わせて迫力たっぷりにプレイし、舞台を盛り上げます。実際、パンチの効いたパーカッションなど、アクロバットに負けず劣らずかなりカッコイイです。演奏も含め、エンターテイメント性と芸術性を併せ持った、素晴らしい舞台芸能と言えるのではないでしょうか。

他にもたくさんあるファー・サーカス作品の数々

他にもたくさんあるファー・サーカス作品の数々

提供元:Kravan Photography

https://www.instagram.com/kravansnapshots/

「エクリプス」は作品としては10年以上にもなる歴史があり、円熟の仕上がりになっていますが、この他にもファー・サーカスには数々の名作があります。

「Same same but different/セイムセイム・バット・ディファレント」は観光の街と地元の人々をコメディタッチで描いた作品で、 自分たちとは異なる外国人の発想や行動を笑いながらも、最終的には互いを受け入れることができるという筋立て。実際の旅先で遭遇しそうな場面も登場し、なかなかに興味深いです。(写真は、左に見えるタライをジャンプ台にして、女性が宙に舞ったシーン)

他にもたくさんあるファー・サーカス作品の数々

写真:Tomie Tomy

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「Influence/インフルエンス」は、集団の中で生まれる支配、被支配の関係を幾分寓話的に描いた作品。アメーバの世界から人間社会に至るまで、社会のあるところ競争と権力構造が生まれるという現実が、シチュエーションを変えながら次々と登場します。そしてそんな世界でも、ついには皆それぞれの場所を見つけていく……深い内容の主題に挑んだ意欲作の一つですが、洗練されたアクションと演出で、キレのあるエンターテイメントに仕上がっています。

他にもたくさんあるファー・サーカス作品の数々

提供元:Peter Phoeng

https://pharecircus.org/

プノンペンの場末なバーを舞台にした「Khmer Metal/クマエ・メタル」は、現代カンボジアのワイルドな都会の一夜を表現しています。バーの客たちは情熱、愛、金儲けなど様々なものを追い求めながらも、どこかミスマッチでシュールです。派手なアクロバットとともに描き出される人間模様は心に訴えるものがあり、何だかディープな世界を垣間見た気分にもなります。バンドのロック演奏も聴き応えあります。

これ以外にも印象的な作品は数多く、新作も生まれています。

サーカスといえば、目印はやっぱり大テント!

サーカスといえば、目印はやっぱり大テント!

写真:Tomie Tomy

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敷地の中心にある赤い大テント「ビッグトップ」がサーカス会場です。周辺には、カンボジアならではの各種クラフト商品が並んだブティックショップやカフェもあります。時間にゆとりを持って来場し、公演前にショッピングやダイニングを楽しむのがお勧めなコースです。

サーカスといえば、目印はやっぱり大テント!

写真:Tomie Tomy

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ちなみにアンコール遺跡のバイヨン寺院浮き彫り壁画にも、当時のサーカスか曲芸を思わせるような描写があります。今も昔も、人は華麗なるアクロバットに魅せられるのですね。

ファー・サーカスは海外公演も盛んに行っており、来日したこともあります。旅の一夜、カンボジアの若者たちが放つスーパー・パフォーマンスを存分にご堪能下さい。

サーカスといえば、目印はやっぱり大テント!

写真:Tomie Tomy

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Phare, the Cambodian Circus の基本情報

住所:Ring Road, south of the intersection with Sok San Road, Siem Reap
電話番号:+855 (0) 15 499 480 & +855 (0) 92 225 320
Eメール:ticketing@pharecircus.org
アクセス:リングロードとソクサン通り交差点南。オールドマーケットより西約2キロ。

上演:上演作品は随時変わります(一つの演目が1週間前後続きます)。毎日公演。上演時間約1時間。
開演時間:午後8時(開演後の入場はできませんのでご注意下さい)。11〜3月のハイシーズン中、月、木、土曜日は午後5時、午後8時の1日2回公演。
カフェ、ショップ:開演2時間前から営業

*演目、時間等は公式サイトで事前確認して下さい。

チケット:
A席/大人(12歳以上): US$38、子ども(5ー11歳): US$18
B席/大人:US$28、子ども:US$15
C席/大人:US$18、子ども:US$10

2018年2月の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。

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