写真:澁澤 りべか
地図を見るハノイの街でひときわ目立っている神殿のような建物。これが独立の父ホーチミンが眠るホーチミン廟。総大理石造りです。この中にエンバーミング(防腐処理)を施されたホーチミンが横たわっていて、まるで眠っているかのような彼の姿をガラス越しに見ることができます。まさに歴史上の人物本人に会えるわけです。
内部での写真撮影は禁止。また私語や立ち止まることも禁じられており、もしそれを破ると、棺の周辺を警備する銃を持った兵士に注意されます。
社会主義国では国の指導者の遺体をこのように残す習慣があり、ロシア・モスクワにあるレーニン廟でも同様に、レーニンの姿を見ることができます。
ホーチミン廟に入るには、セキュリティチェックを受けた上で荷物を預けます。カメラは専用の袋に入れて別の場所で預けます。また飲み物は一切もちこめません。日によっては長い時間行列に並ぶ必要がありますので、朝早く出かけるのがおすすめです。
遺体のメンテナンスのため、秋に2か月ほど閉館しますのでご注意下さい。
写真:澁澤 りべか
地図を見るホーチミン廟を出てまずカメラを受け取り、道なりに歩いていると、自然にホーチミンの家が立ち並ぶエリアに入ります。周辺は緑が豊富で、日本にはないような植物がたくさん見られ、池もあり、史跡公園のようになっています。
最初に、右手奥に黄色い壁の立派な洋館が見えてきます。これはフランスがベトナムを植民地支配していたころの「仏領インドシナ総督府」の建物で、フランスの支配が終わった1954年からは大統領府となっていました。ホーチミンは1969年に亡くなるまでここで政務をとっていました。現在も迎賓館と使われているため、内部見学はできません。
写真:澁澤 りべか
地図を見るさらにそのまま進むと、今後は黄色い壁に緑色のレンガで装飾された執務棟が現われます。ガレージが併設されていて、ホーチミンが使用した車が3台展示されています。1台目はソヴィエトから贈られたZIS−110。2台目はやはりソヴィエト製のポベダ。3台目はなぜか西側のフランス製プジョー。
写真:澁澤 りべか
地図を見る窓越しに部屋の様子も見られるようになっていて、食堂、会談室(写真)、マルクスとレーニンの肖像画が掲げられた書斎などがあります。
この執務棟から池を挟んだ反対側に高床式の木造住居があり、それが1969年までホーチミンが暮らした家です。
写真:澁澤 りべか
地図を見るここも室内に入ることはできず、外側からのぞきます。二階には寝室と書斎があるだけ。小さな机や簡素なベッドなど、質素な調度品からは庶民的な暮らしぶりがしのばれます。愛読書や帽子、時計なども当時のまま。
風が通る一階部分には大きなテーブルがあり、少し離れたところにベトナム戦争の時に使われた電話も展示されています。
写真:澁澤 りべか
地図を見る「圓覚門」と書かれた楼閣のような門(一柱寺の門)のすぐ隣に、「ホーチミン博物館」があります。正面には社会主義らしい、労働を象徴する鎌とハンマーの浮彫り。1990年5月19日、ホーチミンの生誕100周年を記念して建てられました。
入るとすぐに巨大な銅鼓があります。銅鼓は東南アジア最古の文明である「ドンソン文化」に特徴的な、祭祀で使われた銅製の太鼓です。しかし本物の遺物ではなく、その側面にはホーチミンの活躍ぶりが表現されています。
まずは3階まで階段で上がります。すると大きなホーチミンの像が右手を挙げて出迎えてくれます。ここから降りながらホーチミンの生涯をたどっていく仕組みです。
写真:澁澤 りべか
地図を見る最初にホーチミンの生家の再現(写真)があり、機織り機や机などがおかれています。
彼はベトナムの宗主国フランスで政治活動をしていて、1919年にフランス社会党に入りました。当然フランス語も堪能。ホーチミンが発行したフランス語の印刷物や、社会主義国ソ連に行くための入国ビザなども展示されています。
二次大戦が始まると、ナチスドイツと同盟を結んでいた日本は敵国フランスの植民地ベトナムを支配下に入れました。真珠湾攻撃直前の1941年、約30年ぶりに祖国に帰ったホーチミンはベトナム北部のパクボーの洞窟に潜んで、仲間と共に日本支配からの独立運動を推進。
その時に使われた岩のミーティングテーブルやかまどが再現され、活版印刷の道具や愛用の銃なども展示されています。
写真:澁澤 りべか
地図を見る1945年、日本が戦争に負けてベトナムから撤退すると、ホーチミンはすぐに「ベトナム民主共和国」の独立を宣言し大統領に就任します。しかし再植民地化をもくろむフランスと対立。こうして始まったのがインドシナ戦争です。この戦争は1954年5月、ディエンビエンフーでベトナムが大勝利をおさめて終結。フランス勢力の駆逐に成功しました。
博物館内には1946年に出されたホーチミンによる「全国抗戦アピール」自筆原稿や、ディエンビエンフーで使われた家具の展示もあります。写真はホーチミンがよく身につけていたものです。
フランスを追い出したあと、ベトナムの北半分は社会主義にとどまりますが、南半分は資本主義国アメリカに支配され、東西陣営間の冷戦に巻きこまれます。これがベトナム戦争です。
残念ながらホーチミンはその結果を見届けずに亡くなりますが、戦争は北ベトナムの勝利に終わり、ベトナムは統一されてホーチミンが目指した社会主義国家となりました。
帰国から約30年、戦い続けたホーチミン。ベトナム北部やハノイでは特に大変尊敬されています。ホーチミンを知ることで、現在のベトナムの社会や国民性をもっと深く理解できるのではないでしょうか。
博物館の見学を終えたら、最初に預けた荷物を忘れずに受け取ってくださいね。
住所:19 Ngoc Ha, Ba Dinh, Hanoi
電話番号:+84 24 38455435
アクセス:ハノイ駅からタクシー
2018年1月現在の情報です。最新情報は公式サイトなどをご確認ください。
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